掃除用としても食用としても使えるクエン酸。掃除用のクエン酸は100円ショップでも購入でき、身近な洗剤として使われています。
ですが、クエン酸にどのような効果があって、どんな掃除に向いているのかをよく知らずに使ってしまい「汚れが落ちない」と不満に感じていませんか?
そこで今回は、クエン酸の特徴と正しい使い方を解説していきます。
目次
クエン酸は酸性のナチュラル洗剤
クエン酸は、レモンやみかんなどの柑橘類やお酢、梅干しなどに含まれるすっぱい成分です。酸性のナチュラル洗剤として掃除に使えます。また、食用としても活用されています。
クエン酸は弱酸性で、アルカリ性の汚れに効果があります。クエン酸で落ちない頑固な汚れは、市販されている強力な酸性洗剤を使いましょう。
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食用と掃除用の違い
クエン酸には食用と工業用(掃除用)、薬用の3種類があります。
この3つの違いは純度です。食用のクエン酸は純度が99.5%以上でなければなりません。さらに純度が高いものが薬用、純度の低いものが掃除用です。
クエン酸を摂取すると美容と健康に良いと言われているため、サプリメントとして服用している方もいるのではないでしょうか。食用のクエン酸は、お酢の代わりとしてゴボウやレンコンなどの根菜のアク取りに使ったり、水や炭酸水などに加えてドリンクを作ったりできます。料理に酸味を加えたいときにも重宝します。
食用のクエン酸は掃除にも使えますが、掃除用のクエン酸は食用には使えません。クエン酸を購入するときは、食用と掃除用のどちらなのかをしっかり確認してください。
クエン酸を使ったナチュラルクリーニング
ナチュラルクリーニングとは自然由来の素材を使った掃除のことです。「酸性」「アルカリ性」を中和させることで汚れを落とします。中和させるためには、酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤を、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤を使います。
クエン酸は弱酸性ですから、アルカリ性の汚れ落としに最適。キッチンのアルカリ性の汚れには、
- 水垢
- 電気ポットや食洗機に付着する白い汚れ
などがあります。掃除には水で溶かしてクエン酸水をスプレーするのがもっとも使いやすい方法です。
クエン酸がない場合はお酢で代用できますが、お酢のツンとしたニオイが気になるかもしれません。その点、クエン酸はニオイがほとんど残らないため、掃除にはお酢よりもクエン酸を使うことをおすすめします。
クエン酸水の作り方
クエン酸水の作り方はとても簡単。
<用意するもの>
- クエン酸
- 水
- スプレーボトル
<作り方>
1スプレーボトルにクエン酸を小さじ1杯入れる。
2水200mlを加えてよく混ぜる。
クエン酸を使ったキッチン掃除
クエン酸はキッチンのどのような場所で使ったらよいのでしょうか?クエン酸でお掃除できる箇所を紹介していきます。
シンク周り
クエン酸は酸性のため、アルカリ性の水垢の汚れに効果を発揮します。ですから、シンク周りの水垢取りに最適。
シンク周りのお手入れ方法
1水垢が気になる部分にクエン酸水をスプレーし、5〜10分ほど放置。
2スポンジや古布などで水垢をこすり落とす。
3水垢がこびりついている場合は、キッチンペーパーにクエン酸水を吹き付けて水垢に貼り付け、ラップで覆い、3時間ほど放置。
4パックを取り外し、水で流す。
5乾拭きする。
最後にしっかりと水分を拭き取るのがポイントです。一度のクエン酸パックで落ちない場合は、何度か繰り返してみてください。
電気ポット
電気ポットを使っていると、中が白っぽくなってきますよね。これはクエン酸で洗浄すると簡単に除去できます。
電気ポットの洗浄方法
1水1Lに対してクエン酸大さじ1.5杯を入れる。電気ポットの分量にしたがってクエン酸の量は調整すること。
2電気ポットの「沸かす」ボタンを押し、1〜2時間放置(「洗浄」ボタンがある場合はそちらを使用する)。
3終わったら、お湯を捨ててもう一度沸かす。
4お湯が沸いたら、注ぎ口から少しお湯を出す。
5残りのお湯を全部捨て、中をすすぐ。
電気ケトルもやり方は同じです。
洗浄に使ったクエン酸のお湯は、そのまま捨ててしまわずに冷ましてシンク周りの掃除に使うとムダがありません。
食洗機のお手入れ
食洗機にこびりつく白い汚れもクエン酸で落とせます。
食洗機庫内の洗浄方法
食洗機の庫内は意外と汚れているため、月に1回程度の定期的なお手入れが必要です。
1食器が入っていない空っぽの食洗機に洗剤投入口からクエン酸大さじ2〜3杯を入れる。
2標準コースで空運転する(お手入れコースがあれば、そちらを使う)。
*機種によってはクエン酸を使えないものもあるので、必ず説明書で確認してください。クエン酸が使えない場合は、専用洗剤を使いましょう。
空運転で取れない頑固な水垢は、クエン酸水をスプレーしてこすり落としてみてください。
電子レンジの庫内
電子レンジ庫内に付着した水垢のようなアルカリ性の汚れにはクエン酸を使った掃除が効果的です。庫内の油汚れや焦げ落としには重曹を使いましょう。汚れによって使い分けてくださいね。
クエン酸を使った掃除の手順は以下のとおりです。
1水1カップの入った耐熱容器にクエン酸小さじ2杯を加える。
2ラップはせず耐熱容器をそのまま電子レンジに入れ、500wで3分ほど加熱する。
3扉を閉めたまま30分ほど放置する。
4古布やキッチンペーパーで庫内と扉を拭き取る。
5庫内全体を乾拭きする。
*クエン酸と同じ酸性のお酢40mlでも庫内掃除が可能です。
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クエン酸は、キッチン以外にも使える
水垢に強いクエン酸は、キッチンだけでなくお風呂や洗面所の蛇口、鏡などにも適しています。
また、衣類の柔軟剤を作ることもできますよ。
衣類用の柔軟剤
クエン酸は洗濯の柔軟剤としても使えます。柔軟剤のニオイが苦手という方におすすめです。クエン酸を使った柔軟剤は無臭ですから、少し香りが欲しい場合は、アロマオイルを足してください。
クエン酸のみを使った柔軟剤の作り方
1クエン酸小さじ1杯を水50ccで溶かす
2柔軟剤の投入口にクエン酸水を入れる
3通常コースで洗濯する
グリセリンも加えた柔軟剤の作り方
クエン酸のみの柔軟剤でも洗濯物はゴワゴワしませんが、さらにフワッとさせたい場合はグリセリンを加えます。
1水200ccを容器に入れ、クエン酸大さじ3杯・グリセリン大さじ2杯を加えてよく混ぜる
2投入口に柔軟剤を入れる
3通常コースで洗濯する
クエン酸を使うときの注意点
クエン酸自体はナチュラル洗剤で人体への影響はほとんどありません。ですが、取り扱いに注意しなければならない点もあるので紹介していきます。
- クエン酸と塩素系漂白剤を一緒に使うと有毒な塩素ガスを発生してとても危険です。併用は絶対にやめましょう。
- クエン酸は、天然大理石や人造大理石とは相性が悪いため使えません。キッチンによく使われている人工大理石はOKです。
- アルミは変色したり、鉄は錆びたりする可能性があるため、クエン酸の使用は控えます。
掃除したい場所の素材がクエン酸を使用できる素材かどうかを確認しましょう。また、クエン酸水は長期保存には向いていません。早めに使い切るように心がけてください。
キッチン掃除と相性の良いクエン酸を正しく使いましょう
クエン酸は水回りの掃除と相性の良いナチュラル洗剤です。正しい使い方を覚えてこまめに掃除すれば、強力な専用洗剤を使わなくても十分に汚れを落とせます。
クエン酸は100円ショップでも気軽に購入できるアイテム。環境にやさしく、安全に使える洗剤ですから、積極的にお掃除に使ってみてください。
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