こんにちは、在英ライターの山田志桜里です。こちらの連載コラム #ロンドン女子の英国日記 では、私の大好きなイギリスや紅茶についての小話を毎月ご紹介しています。
本日ご紹介するのは、イングランドの古都ヨークにあるレストラン「FOREST」のアフタヌーンティー。私がヨークに行くたびによくお世話になっている「Galtres Lodgeホテル」の一階にあるレストランです。
前回は、ロンドンの老舗デパート「フォートナム&メイソン」のトラディショナル・アフタヌーンティーをご紹介させていただきましたが、今回ご紹介する「FOREST」のアフタヌーンティーは、三段のケーキスタンドで一気にフードが提供される伝統的なものとは異なり、コースで提供されるスタイルとなっています。
目次
“FOREST”のアフタヌーンティー
レストランは予約なしでも利用できますが、アフタヌーンティーは事前予約が必須。アフタヌーンティーの提供時間は14〜17時となっていて、この日はランチを抜いて、14時からアフタヌーンティーをいただくことにしました。
店内は「FOREST」の名にふさわしく、まるで森の中にいるような、心安らぐ落ち着いた雰囲気。ちょうどランチタイムを終えてお店を出られる方が多く、ゆったりとした時間が流れていました。
案内されたのは、店内奥のソファー席。入り口からは少し離れた場所で、周りや時間を気にせずティータイムを過ごせるよう配慮してくださっていました。
お皿はフォレストカラーで統一されていて、ティーセットはイギリスの陶器メーカー「チャーチル(churchill)」のもの。
こちらが詳しいアフタヌーンティーメニュー。1人17.95ポンド(約2,440円)で、スープからデザートプレートまで全5皿のコース形式で提供されます。
- マッシュルームスープ(トリュフクリームとチーズストロー添え)
- サーモンとチーズのベーグル&ビートルートラップ
- ローストビーフとヨークシャープディング&カリフラワーチーズ
- チェリースコーン&ヴィクトリアサンドイッチ
- The Forest Floor(デザートプレート)
お茶は5種類をペアリング
それぞれの料理に合わせて相性の良いお茶がペアリングされていて、テーブルには既に5種類のティーバッグが用意されています。
- バランスティー
- ラプサンスーチョン
- ヨークシャーティー
- フルーツインフューズ
- ミンティーガンパウダー
ちなみにこの中のバランスティー、ラプサンスーチョン、フルーツインフューズは、以前ご紹介した「Hebden Tea」さんのブレンド。
テーブルに置かれているティーポットにはお湯が入っていて、ウェイターの方がこまめにお湯を替えてくれます。
早速、1杯目のバランスティーを淹れて、最初の1皿を待ちます。
1皿目 マッシュルームスープ
はじめに運ばれてきたのは、熱々のマッシュルームスープ。濃厚なスープの上には、トリュフクリームが浮かんでいて、イギリスではおなじみの「チーズストロー(チーズ味のビスケット)」が添えられています。
スープは粒子の食感が残るクリーミーな味わいで、チーズストローとの相性も抜群でした。
2皿目 サーモンのベーグル&ビートルートラップ
2皿目は、スモークサーモンとクリームチーズのミニベーグルと、フムスと野菜を包んだビートルートラップ。
日本ではビーツという名前で少しずつ知られてきている「ビートルート」は、イギリスでもよく食べられている根菜です。スーパーフードとしても知られていて、サラダやスープなどに使われています。
ペアリングの紅茶は、スモーキーな香りが特徴の「ラプサンスーチョン」。どちらも一口サイズなので、お腹がいっぱいになりすぎることもなく、美味しく食べきれる分量感でした。
3皿目 ヨークシャープディングとカリフラワーチーズ
お次は、ローストビーフが乗ったヨークシャープディングに、カリフラワーチーズ。
ヨークシャープディングは、ヨークシャーの家庭料理の一つで、シュークリームの皮のようなもの。ローストのお肉の付け合わせとして食べられることが多く、今回もローストビーフと合わせて提供されています。
上にかかっている白いソースは「ホースラディッシュ」で、わさびの一種。私はわさびが苦手なので、このホースラディッシュソースを美味しく楽しめず残念なのですが、少し甘めのヨークシャープディングとお肉の味をうまくまとめてくれそうです。
こちらのペアリングは、ヨークシャーティー。イギリス中で愛されている定番の紅茶で、ミルクをたっぷり入れていただくのがおすすめの一杯です。
4皿目 チェリースコーンとブラウニー
次はケーキスタンドにのった、チェリースコーンとチョコレートブラウニー。
以前「アフタヌーンティー」の記事でご紹介させていただきましたが、スコーンは横半分に割って、クリームとジャムをつけながらいただくのがイギリス流。
スコーンを割ってみると、チェリーの果肉がゴロゴロ。とろとろのクリームとストロベリージャム、そして珍しくバターも用意されています。
クリームとジャムをつけていただくのに慣れていた私ですが、しっかり食感が残った焼き上がりなので、バターであっさりいただくのも美味しかったです。
ペアリングのお茶は、ラズベリーやオレンジ、ハイビスカスやローズヒップをブレンドとしたハーブティー。フルーツやハーブの酸味が、甘いスコーンやケーキとよく合います。
5皿目 “The Forest Floor” デザートプレート
最後の一皿は「Forest(森)」をテーマにしたデザートプレート。とても華やかで、崩してしまうのがもったいないほど。
チョコとレモンのスポンジケーキの下には、石や土をかたどったチョコレートが敷き詰められ、エディブルフラワーやバジルで彩りが加えられています。
最後のお茶は、爽やかなミントティー。甘いデザートプレートの後に、口の中をすっきりと整えてくれます。ティーポットのお湯は何度でも替えてくれるので、デザートを食べ終わった後もゆっくりと余韻を楽しむことができました。
まとめ
今回、アフタヌーンティーでの滞在時間は約2時間ほどでした。
食べ終わったタイミングで次のお皿を用意してもらえるコース形式なので、温かいものは温かいうちに、ケーキが乾いたりクリームが溶けたりすることもなく、最高の状態でいただくことができるのも嬉しいポイント。
食事のテイストに合わせてお茶がペアリングされているというのも新鮮で、自分ではなかなか選ぶことのないお茶を飲む良い機会となりました。
「FOREST」レストランがあるヨークには、前回紹介した100周年を迎えた老舗ティールーム「Bettys Tearoom」があります。
行列ができていることが多い人気店ではありますが、伝統的なアフタヌーンティーを楽しんでみたいという方はこちらのお店もぜひチェックしてみてください。
FORESTの基本情報
住所:54 Low Petergate, York YO1 7HZ
電話番号:+44 1904 622478
Galtres Lodge Hotel 公式サイト:https://www.galtreslodge.uk/
レストラン「FOREST」:https://www.galtreslodge.uk/food-and-drink.html
【当取材記事につきまして】
ライター山田志桜里が企画・取材依頼して記事を作成しました。