「このケーキを作りたい!」と思ったのに、「必要な型を持っていないから作れない」と、諦めたことがある方も多いのではないでしょうか。だって、1回しか使わないかもしれない型を買うのはもったいないと思いますよね。
そんな悩みを解決してくれるのが、料理研究家の若山曜子さん著「天板だけで作るケーキ」です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4418183345

タイトル通り、本書で紹介されているレシピで必要な型は天板だけ!しかし、完成したケーキの形はさまざまで、丸いショートケーキやタルトもできちゃうんです。
今回は、本書で紹介されている35種類のケーキの中から3種類選んで作ってみました!
目次
天板ケーキの可能性は無限大!
天板で作るケーキといえば、ロールケーキが定番です。
筆者もこのレシピ本と出会うまでは、丸いショートケーキは丸いケーキ型、四角いケーキはスクエア型、タルトはタルト型で作るのが当たり前でした。
しかし、本書では、シート状に焼いたスポンジ生地を重ねたり丸めたり、カットして器に入れたりすることで、さまざまな形のケーキを作れることが紹介されています。

しかも、紹介されているスポンジ生地は3種類。
- 全卵を一緒に泡立てて作る、キメ細かくしっとりとしたジェノワーズ生地
- 卵白と卵黄を別々に泡立てて作る、ふかふか食感のビスキュイ生地
- 液体の油と水分を入れて作る、しなやかなシフォン生地
どれも食感や味わいが違い、レシピによって使い分けられています。見た目だけでなく味の変化もあるので、飽きずに全部作ってみたくなるでしょう。
その他、型なしで作れるタルトやメレンゲ菓子なども紹介されています。
作ってみました!
実際に3種類作ってみたので紹介します。
ラズベリーとホワイトチョコクリームのトライフル
トライフルとは、クリームやスポンジ、フルーツなどを器の中で層になるように重ねて作るデザートのことです。

このレシピで使ったのは、ビスキュイ生地。たっぷりのクリームやフルーツに埋もれてもしっかりと食感が残り、存在感があります。
本来は冷凍のラズベリーを使うことになっていたのですが、ラズベリー単体が見つからなかったので、ベリーミックスを使用しました。
こっくり甘いホワイトチョコクリームと酸味のあるベリーの相性は抜群!
器の中で材料を重ねていくだけなので、スポンジにクリームを塗るナッペやデコレーションが苦手な方でも、本格的な見た目のデザートが作れますよ。
ブルーベリーの丸いショートケーキ
シフォン生地を縦に4等分したあと、クルクルと巻き付けていくことで丸い形になっています。

これなら、高さも直径も自由自在。違う大きさの丸いケーキ型を何種類も買う必要がありませんね。クリームにもたっぷりのブルーベリーシロップが入っていて、紫色の生クリームが斬新です!

シフォン生地はふんわりと柔らかく、軽い食べ応えなので一人でぺろりと食べきってしまいそうです。
パンプキンのタルト
タルト生地は大きく分けて
- 甘くクッキーのようにかためのパートシュクレ
- バターの配合量が多くサクサク食感のパートサブレ
- 冷たいバターを刻みながら混ぜ合わせるパイのような食感のパートブリゼ
の3種類があります。
本書では、パートブリゼ生地にパンプキンペーストを乗せて焼いた「パンプキンタルト」が紹介されていたので、作ってみました。

焼きたてで食べることが推奨されていたのでアツアツのまま食べてみると、シナモンのいい香りが口いっぱいに広がります。
焼きたてのパートブリゼ生地はほろほろと崩れ、パンプキンペーストとよく馴染みました。
なにより、タルトを型なしで作れるなんて驚きです。型を使わないので、等分して小さいサイズを数個作ったり、四角やハートなど自由に成形できたりするのが良いなと思いました。
型にとらわれないお菓子作りができる
本書は、「お菓子作りにはいろいろな型が必要」という筆者が持つ概念を大きく変えてくれました。
むしろ型がないことで、成形が自由自在!
また、基本となる生地の作り方が多くの写真を交えて紹介されているので、とても分かりやすいです。

工程ごとに写真があることで、生地のツヤ感やかたさの目安が分かりやすく、初めてでも失敗することなく作れるでしょう。
お菓子作りを始めたばかりでまだ型が揃っていないという方には特におすすめの一冊なので、ぜひ手に取ってみてくださいね。