絶品オイル蒸し

ごま油の使い分けと絶品オイル蒸しの作り方 #世界のオイルを巡るレシピと油活のススメ

今回のテーマは前回のオリーブオイル同様、歴史が古く多くの人に認知され愛されている「ごま油」です。今回は茶色くて芳ばしいごま油以外にもある!その魅力に迫りたいと思います。

ごま油の魅力

ご家庭に1本は必ずあると言っても過言ではないごま油。
その万人を魅了する要素は、ずばりあの得も言われぬ芳ばしい香りではないでしょうか?

ですが実はごま油にもいろいろな種類があるのです。
和食、中華、エスニックはもちろん、今やスイーツ業界でも大活躍のごま油。次に買う時は少し違うタイプのごま油も試してみませんか?

まずはごま油の全体像を見てみましょう。

(画像出典)pixta

ごま油の歴史

和食、精進料理でもお馴染みの小さな粒「胡麻」ですがその原産は北アフリカと言われています。
5000年以上前にはナイル川流域で栽培され、古代エジプトではその油が食用から薬用、化粧用と幅広く使われ、やがて地中海、中東、インド、そして中国、日本へもたらされました。
インドの伝統医療アーユルヴェーダで額に垂らすオイルもごま油ですね。

日本では遣唐使が伝え奈良時代には栽培が始まりましたが、やはり油は貴重品。限られた貴族のみがごま油で揚げたお菓子などを楽しんだようです。

ちなみに名前が似ていて間違えられやすい「えごま(荏胡麻)」ですが、当時はごまより庶民には身近なものでした。油としてはえごまはシソ科で全く別種のものですが。

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(画像出典)pixta

やがて江戸時代になると、庶民もごま油や菜種油で揚げた天ぷらやかりんとうを食べるようになりました。
関東は芳ばしいごま油で色づくように揚げて天つゆで、関西は香りのない白いごま油で揚げ塩でいただく天ぷらにスタイルがありますよね。元々屋台発祥の江戸前はタネが魚介中心だったので、その臭みをとるのにごま油の香りを利用し、野菜中心だった関西はその必要がなかったとか。
地域の食文化の違いは習慣となって現代人の味の好みにも反映されていますね。香りのないごま油を沢山買うのは、やはり関西のお客様が多いです。

ごま油の栄養

昔から薬としても扱われてきたごま、ごま油ですが含まれる成分の代表的なものはゴマリグナンという抗酸化物質です。ごまは英語でセサミ(sesame)。ゴマリグナンにはセサミン、セサミノール、セサモリンとそれが焙煎してできるセサモールという種類があります。コレステロール値を下げたり、体内の活性酸素の除去、肝機能を高めアルコール分解を助けたりするので、お酒好きな方にもおすすめのオイルと言えるかも。
ごま油は他の植物油より賞味期限を長くできるほど酸化安定性が良いのですが、これはこの特有の抗酸化成分によるものなのです。
脂肪酸の内訳は、ややリノール酸が多め、次いでオレイン酸です。その他にはビタミンKやEも含まれます。

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ごま油の製法

ごまは油脂原料としては油分が多い方なので、圧力で油を搾りとる方法「圧搾」が主流です。圧搾する前に原料を加熱するのですが、ごま油の最大の魅力である香りは、この焙煎度合いで決まると言っていいでしょう。
色も焙煎しなければ無色から薄い黄色、焙煎度合いが強まると段階に応じて黄金色から薄茶色、濃い茶色へと変わり香りも強くなります。
白ごま、金ごま、黒ごまなど種類が違っても同様です。白いごま油は白ごまが原料という訳ではありません。

極端に言えば全く同じ原料を使っても、どのくらいの温度で何分焙煎するかによって出来上がる油は全く違うものになるということ。各メーカーにより独自の技術や主張が出る部分でもあります。
見た目が同じ茶色でも、香りの強さや焙煎香の感じが違うかもしれませんよ。

また玉締め機という江戸時代の製法でゆっくり搾るごま油は少量生産でまろやかな風味が楽しめます。

ごま油の使い分け

さぁごま油がいろいろあることは分かりましたね。
実際どんな種類のものをどう使い分けたらいいでしょうか?

ごま油の種類と名前

ごまを焙煎せずに搾った透明から薄い黄色で香りのないごま油は、太白(たいはく)ごま油、また軽く焙煎したものを淡口、薄口と表記するメーカーも。しっかり焙煎した焦げ茶色のものは辛口の印象で、濃口です。中間の黄金色のものは香りもまろやかで、甘いナッツのような風味のものもあります。
ちなみに原料のほとんどはナイジェリアやパラグアイ、ミャンマーなどからの輸入なので、国産というだけで相当貴重。日本の産地で有名なのは鹿児島県の喜界島です。

こんな料理に、このごま油

まず一番メジャーな濃口、焙煎が強く茶色くて芳ばしいタイプは分かりやすいですね。
あの芳ばしい香りをプラスしたいお料理に。中華や韓国料理の炒め物の仕上げや和え物、ドレッシングに少量加えて。少し濃い味付けのものや癖の強い食材に。
ただし炒め物の最初から使って強火にすると、より焦げ臭が立ってしまう場合があるのと、量を使いすぎるとくどくなるのでご注意を。
ベースに太白ごま油を使い、仕上げに茶色いごま油で風味をプラスしたり、揚げ物には濃口ごま油を他の油で割ったりして使うのもあり。

逆に香りのない太白ごま油、こちらはどんな料理にも万能です。無臭ならサラダオイルと同じ?と思われるかもしれませんが、そこはコクと旨みがある分しっかりした印象です。揚げ物に使ってもいいですし、最近はタルトやケーキなどお菓子作りに使う方も多いですよ。

さて今まで手を出していなかったかもしれない中間タイプ、黄金色系のごま油はどうでしょう。これは太白と濃口を混ぜても出ない味わいと香りなんです。甘やか、まろやか、柔らかで芳醇な香り、中にはごま油と分からないようなものも。

白身魚や淡白な魚介類に塩と回しかけたり、シンプルな野菜のお惣菜やサラダなどにもぴったり。上品で繊細な素材も生かします。新しいごま油の魅力を存分に味わってください。

野菜と塩豚のオイル蒸し

今回はその黄金タイプのごま油を使った簡単なオイル蒸しをご紹介します。私はこのオイル蒸しが一番野菜をたっぷり美味しく食べられる調理法だと思っているのです。油っぽくはなりませんよ~。
野菜は旬のもの、お好みのものでOK、お肉は入れても入れなくても、魚介類でもいいのです。

とにかく塩とオイルと素材の水分だけの美味しさを実感していただきたい。
今回の野菜や分量などは画像をご参照ください。

沢山盛って蒸せるモロッコのタジン鍋を使うとそのまま食卓に出せて便利ですが、蓋つきの鍋で大丈夫です。野菜の旨みが出たスープごといただくので、網は要りません。

今回使ったごま油

玉締め絞り胡麻油
(画像提供)金田油店

今回使った油はこちら、玉締め搾り胡麻油です。
商品リンク:https://www.abura-ya.jp/SHOP/KB_a002.html

材料(画像は2人分目安)

旬の野菜で。もやしや白菜、お芋やれんこん、ブロッコリーなどでも。
ベーコンを作ろうと塩を振り脱水シートで保存しておいたもの・塩分が強いものは塩抜きして
  • お好みの野菜(キャベツ・スイスチャード・パプリカ・しめじ・アスパラガス・スナップエンドウ)
  • 塩豚(豚バラ肉に塩を振り数日置いたもの)
  • 玉締め搾り胡麻油 大さじ2
  • 水 大さじ1
  • 塩 適量

作り方

野菜はなるべく同じくらいに蒸し上がるように切る。豚肉は薄切りに。
※根菜など硬いものは薄く切ったり、葉物は後で加えても。

蓋つきの鍋にの野菜を軽く塩を振りながら重ね入れ、お肉を乗せる。

油と水を上から回しかけ、蓋をして点火。湯気が出てきたら火を弱め12分程度蒸す。(焦げそうなら水を少し足す)

ポイント

お肉はたまたまあった塩漬け豚肉を使いました。水分が抜けて旨みが凝縮し、保存もできて便利です。生のお肉ならスライスして塩を振って、また塩麹に漬けておくと柔らかくなりますよ。

蒸し加減はお好みですが、野菜がしゃっきりした歯触りでオイルの香りもふわっと漂う仕上がりがおすすめです。使う野菜によって出る水分も変わりますのでいろいろ試してみてください。大根や白菜などを使うなら水を加えなくても大丈夫。塩は野菜の水分を引き出すので忘れずに。

あとはオイルをかけて蒸すだけで艶とコク、香りと旨みがあわさって素晴らしい相乗効果に。味が足らなければポン酢や柚子胡椒などかけてもいいのですが、大体そのままで大満足です。

もちろんどのごま油でも、違う油でも出来ます。油を変えると出来上がりの雰囲気ががらっと変わるのも面白いですよ。アレンジは無限大!!

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