油ができるまで/「搾油」と「精製」のお話と夏のお焼き #世界のオイルを巡るレシピと油活のススメ

油ができるまで/「搾油」と「精製」のお話と夏のお焼き #世界のオイルを巡るレシピと油活のススメ

今回は油ができるまでの工程を見てみましょう。
意外と混同しがちな用語についても解説しますね。

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油の原料は?

食用油は何からとれますか?動物の脂肪は分かりやすいですが植物はどの部分でしょうか?
はい、花でも葉でもなく種子ですね。基本的に硬い殻に覆われた種、一部ナッツは仁と呼ぶ部分です。
花や葉などを蒸留して作る精油とは別ジャンルです。

まず油の基本的な原料は種と覚えてください。その中で3つ例外があります。
オリーブ、パーム、アボカド、これらは果肉を搾ってとる油です。

オリーブオイルが熱をかけずに搾るコールドプレス(低温圧搾)がいいというのは、まるで原料がフレッシュフルーツを搾る感覚だからということがお分かりいただけると思います。
※オリーブオイルの低温圧搾とは全く非加熱という意味ではありません

(画像出典)金田油店

こちらの図をご覧ください。
油はまず原料を搾る「搾油」と、その後の処理「精製」の有無を通して最終製品になります。

油を搾るまで

油の原料、例えばごまや菜種、大豆などは選別や洗浄をされてから、油分をとりやすくするために粉砕や焙煎、蒸すなどの前処理にかけられます。

前処理された原料を搾ることを「搾油」と言います。その方法にはいくつか種類があります。
まず最もシンプルに原料に圧力をかけて搾る方法を「圧搾(法)」と言います。
比較的油分の多いごまや菜種、えごまなどに用いられます。

もう一つ油分が少ない原料に対して、食品添加物である溶剤にその油分を溶かし出して、溶剤を揮発させて油をとる方法があります、これを「抽出(法)」と言います。こちらは大豆やこめ糠などに採用されます。

また最初に圧搾して、残りかすから抽出する併用方式「圧抽」もあります。
こうして搾った大元の油を、油業界では「粗油(Crude Oil)」と呼びます。

(画像出典)pixta

油の精製工程

さて、その粗油をどうするのでしょうか。粗油には原料の油分と栄養がそのまま搾り出されていますが、同時に不純物や浮遊物も混ざっています。
油を輸入に頼っている日本では、原料を輸入して日本で搾るもの以外に、海外で搾った粗油や原油を輸入するものも多くあります。
その場合、国内工場で油をきれいにする「精製」という工程が入ります。

厳密に言えば、濾過するだけの工程も精製の一部となりますので、全く精製せずに搾ったまま製品となるものは、かなり少ないと思います。
精製工程も、図を参照していただきたいのですが複数の工程があります。
各工程を簡単に説明しますね。

  • 濾過:フィルターで残渣(ざんさ)やオリを取り除く
  • 脱ガム:温水やリン酸を使い粘着性のあるガム質を取り除く
  • 脱酸:苛性(かせい)ソーダを使い酸化物を取り除く
  • 脱色:活性白土を使い色素を沈着させ濾過する
  • 脱ロウ(ウィンタリング):冷やすと固まる部分を取り除く→サラダ油に
  • 脱臭:水蒸気を加え臭いを取り除く

この精製工程は、油の原料によっていくつ取り入れるか、またメーカーの最終製品をどのようなものに仕上げたいかにより決められます。

精製度が高いほど、サラダ油のように癖がなく軽やかな油になるということです。ただし、精製度合いの高さ(精製の工程が多い)は、油に残る栄養素の多さとは当然反比例します。

同じ原料でも違う油ができる!

(画像出典)pixta

え、どういう意味?と思われますか?

例えば全く同じごまを原料としましょう。
A社は焙煎せず原料を蒸します。B社は高温で短時間、C社は中温でじっくり焙煎しました。
ごまの搾油はほとんど圧搾法ですが、A社は大型搾油機、B社は中型搾油機、C社は玉締め機という小型でゆっくり搾る機械を使いました。
その後の精製は、A社は濾過と脱臭、B社とC社は濾過のみで瓶詰しました。

さぁどんな製品ができたでしょうか?

A社はほぼ無色で無臭の白いごま油に。B社は茶色い芳ばしいごま油に。C社は黄金色の柔らかい香りのごま油ができました!

お分かりいただけましたか?単にごま油といっても、そこには原料の品質に作り手の方針と技術が加わってバリエーションが無限に広がる製品であることを。

ですので、1つ買ってみたものがあんまり好みでなくても、他メーカーの同じ原料の油はすごく美味しいかもしれません、諦めないでくださいね。

こめ油について

今日ご紹介する油はこめ胚芽油です。

こめ油、玄米油、こめ胚芽油などネーミングはいろいろありますが、原料はお米を精米した時に取れる糠部分です。胚芽部分も入っていますよね。

こめ糠から油を搾るとなると、普通は「抽出法」なのですが、最近は「圧搾法」で作るこめ油もいくつか出ています。手間や搾油率なども考えると価格が抽出のものより3倍くらいになるのは仕方ないと思います。

こめ油は他の油と比べると「さっぱり軽く胃もたれしにくい」ことが特徴です。
またビタミンE、植物ステロールなどの各種栄養分、中でも特にγ-オリザノールを含有するヘルシーオイルで癖もないので、普段のお料理に使いやすい油ですね。

脂肪酸の割合はオレイン酸43%前後、ついでリノール酸が37%前後、あとはパルミチン酸、ステアリン酸などで構成されています。

味の濃さと含有成分には各メーカーで少し違いがありますよ。
今回はバランスのよい築野食品のこめ胚芽油を使いました。

コーンとニラのお焼き

甘いトウモロコシはどうしてもおやつっぽくなりがちですが、ニラとちりめんじゃこ、ピリ辛タレでおつまみ、おかずにもぴったりに仕上げました。
栄養たっぷりの胚芽部分もしっかりこそげ取って使いましょう。

材料(2~3人分)

  • トウモロコシ 1本
  • ニラ 1/2把
  • ちりめんじゃこ 大さじ2
  • 薄力粉 大さじ2
  • 片栗粉 大さじ2
  • 水 大さじ2
  • こめ胚芽油 大さじ2
  • 酢コチュジャン 適量(コチュジャンとお酢)
酢コチュジャン

※コチュジャンに酢が混ざっている便利調味料!お刺身にも美味しいです。

作り方

トウモロコシの実を包丁でこそげ取りボウルに入れる。

刻んだニラ、ちりめんじゃこ、粉類と水を加え、粉っぽさがなくなるまでざっくり混ぜる。

フライパンにこめ胚芽油を熱し、の生地を8cmくらいの円形に広げ中火で両面こんがり焼く。

酢コチュジャンやチリソースなどお好みのタレでどうぞ。

ポイント

薄力粉だけだとさっくり、片栗粉も加えると少しもっちりします。
粉の量はお好みで加減してください。シュレッドチーズやベーコン、鮭フレーク、桜エビなどを加えてもいいですよ!そうめんのお供にもどうぞ。

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