使っているお酒や材料、浸み込み具合までさまざまな個性があるのが面白い『洋酒ケーキ』。広島出身の方に勧められ、初めてその袋を開けたとき「こんなにお酒が入ってるの!?」と驚いた商品があります。それが今回ご紹介する『くにひろ屋』の洋酒ケーキ。
写真で伝わるでしょうか、この浸み具合!
インパクト抜群ですが、じつは半世紀以上も愛され続けているケーキなんです。一度食べたらまた食べたくなるような、どこか懐かしい味わい。そのルーツからおいしい食べ方まで、詳しく解説していきます。
目次
フランス菓子「サバラン」をベースに作られたスイーツ
1961年に誕生した『くにひろ屋』。お店のある広島県府中市上下町はかつて石見銀山からの銀の集積中継地として栄えた場所で、今でも白壁の土蔵や町家など歴史ロマンを感じさせる町並みが残ります。
レトロなパッケージは、上下町のシンボルでもある「なまこ壁」の文様なのだとか。
広島・尾道の洋菓子店で腕を磨いた創業者の曽根利之さんが、フランスの焼き菓子「サバラン」に着想を得て作り上げたのが始まり。当時は洋菓子が一般的でなかったため「田舎の人でも受け入れやすいようなお菓子を」と、日本人に馴染みのあるカステラにラム酒とブランデーから作ったシロップをたっぷり浸す製法が考案されました。
曽根さんの引退後は「幼い頃から慣れ親しんだ味を絶やさぬように」と現社長の前原浩一さんがこの味を引き継ぎ、作り続けています。
カットしてから浸す、独特の製法
一般的な洋酒ケーキの作り方では、生地にお酒を加えたり、焼き上げた後に上からお酒入りシロップを塗ったりすることが多いですが、くにひろ屋さんはかなり独特の製法。
カステラを焼き上げたあと、一枚一枚カットしてからシロップに漬け込んでいるそう。だからこそ、じゅわじゅわとここまで浸み込んでいるんですね。
それぞれの素材にもこだわりあり。
地元に近い場所で育った鶏の新鮮な高原たまごをたっぷり使って焼いたカステラは、どこか懐かしいような甘さあり。シロップは希少なラム酒と2種のブランデーをブレンドしており、ブランデーの風味の後に、果実味のあるラム酒の余韻がふんわりと。
香りに奥行きがあり、時間差で異なる味わいが楽しめるのが魅力です。
洋酒ケーキは縦に入っているので、取り出すとシロップが下に溜まっています。
浸み込み具合が多少異なるので、そのグラデーションを楽しむのもいいですし、横にしたり逆さまにしたりしておいて、シロップを均等にしてから食べるのもおすすめです。
イチオシは冷凍!キリリと冷えたケーキは格別のおいしさ
さらにおすすめの食べ方は「冷凍」すること!
お酒がたっぷり入っているのでひと晩置いてもカチカチには凍りません。冷凍庫から出したてなら、キリリと引き締まったカステラの食感と、キリリと冷えたお酒のおいしさが堪能できます。
そこから少し室温に戻すと、今度は生地がしっとり。生地とお酒との一体感がより強まります。
ギフトに良い箱入りと、自宅使いに良いパック入りあり
今回購入したのは、改まった席の手土産にも利用できる10個包装の箱入りです。箱タイプはそのほか15個入りと6個入りあり。自宅用ならプラスチックパックの5個入りも利用しやすいですよ。
購入は公式サイトのオンラインショップからのお取り寄せのほか、広島・愛知・東京・神奈川など各地で取り扱いあり。こちらも公式サイトに詳しく明記されています。
また、洋酒ケーキには少量のアルコールが含まれているので、お子さんやお酒が弱い方は注意してくださいね。
『くにひろ屋 洋酒ケーキ』の基本情報
■本体価格
箱入り包装10個入り1,400円、5個入りパック650円ほか
■販売元
株式会社 くにひろ屋
■公式サイト
https://kunihiroya.jp/
【当記事につきまして】
ライター田窪綾さんが企画・購入し、掲載許可を得て記事を作成しました。