歯ぎしりが体に及ぼす影響とは?原因と対策法を知ろう! #歯科衛生士の歯の教室

歯ぎしりが体に及ぼす影響とは?原因と対策法を知ろう! #歯科衛生士の教室

「歯ぎしりしている時には体重の約2倍の重さが歯にかかっている」と言われるほどで、歯をすり減らすだけではなく、体に様々な悪影響を与えることがわかっています。

自分や家族の歯ぎしりが、気になっている人も多いことでしょう。
そこで、今回は歯ぎしりが体に及ぼす影響や対策について解説していきます。
なお、子どもの歯ぎしりについてはこちらの記事でご覧ください。

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歯ぎしりが与える体への影響

歯ぎしりが与える体への影響
(画像出典)PIXTA

歯ぎしりとは、ギリギリと上下の歯を強くこすり合わせたり、ギュッと噛みしめたりすること。歯ぎしりが原因で次のような影響が体に出る可能性があります。

虫歯・知覚過敏・歯周病

歯ぎしりの力が歯の根元に集中すると、歯茎を下げたり、その結果むき出しになった根の表面をえぐったりします。歯の表面がえぐれて中のやわらかい象牙質という部分が露出すると、虫歯になりやすくなったり、冷たいものや熱い食べ物がしみる知覚過敏の原因にもなります。
また、歯茎の位置が下がることで細菌が歯茎の中に侵入しやすくなり、歯周病を引き起こしやすくなります。

顎関節症

顎関節症とは、耳と目の間にある関節が痛んだり、開閉しにくくなったりする症状のことです。過度な力は、歯だけではなく関節の負担にもなり、顎関節症を発症させる場合があります。

頭痛・肩こり

ギュッと噛みしめる歯ぎしりにより、首や肩周りの筋肉には力が入り緊張した状態になります。そのような筋肉の緊張状態が続くと、血流が悪くなり、頭痛や肩こりを引き起こすことがあります。

顔が大きく見える

歯ぎしりでは、咬筋(こうきん)という筋肉に過度な力がかかることで、筋肉が盛り上がりエラが張っているような見た目になってしまうケースがあります。

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歯ぎしりしているかのチェックポイント

歯ぎしりしているかのチェックポイント
(画像出典)PIXTA

人は無意識に歯ぎしりをしているので、なかなか自分では気づきにくいです。
でも、歯ぎしりを確認するために、寝ている時の音を録音する……なんて面倒なことをしなくても口の中を見るだけで歯ぎしりをしているかがチェックできます。

自宅の鏡で簡単にできるので、チェックしてみましょう。
次の3つの部分がポイントです。

歯で見るポイントは、「噛み合わせ」と「歯と歯茎の境目」の部分です。

  • 噛み合わせ…犬歯(けんし、糸切り歯)の先端の尖っている部分が平らになっていないか。
  • 歯と歯茎の境目…歯茎と歯の境目に段差ができていたり、根元の部分のエナメル質(歯の表面)が削れたりしていないか。

歯茎

歯茎では、骨隆起(こつりゅうき)ができていないかを確認します。
骨隆起は、繰り返しかかる強い力を受けた骨が厚くなる現象のこと。特に上顎の裏側の中心部分や下の歯の裏側の歯茎がボコボコしていると、骨隆起の可能性があります。

歯ぎしりをしている時には、舌を歯に押し付ける状態になります。舌の表面が凸凹していないかを確認してみましょう。

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歯ぎしりの原因

歯ぎしりの原因
(画像出典)PIXTA

歯ぎしりをする原因は、次の4つことが考えられます。

ストレス

歯ぎしりは、溜まったストレスを発散している行為ともいわれています。体は不安やストレスを感じると、知らず知らず歯に力を入れて噛みしめていたり、寝ている時に歯ぎしりをして軽減させているのです。

習慣

仕事柄、歯を噛みしめたり、こすり合わせたりする場合があります。
例えばデスクワークでは、首が前に出て、上下の歯があたりやすく歯をこすりやすい状態になります。また、スポーツ選手はここぞという時の瞬発力が必要になります。瞬発力を出す時には、グッと歯を食いしばってしまいがちです。

飲酒・喫煙

大量のアルコールや喫煙する習慣は、眠りを浅くさせる原因になります。眠りが浅い時には口周りの筋肉が緩んで動きやすくなるので、歯ぎしりが起こりやすくなると研究でわかっています。

参考論文:https://www.jstage.jst.go.jp/article/koubyou1952/26/2/26_2_434/_pdf/-char/ja

噛み合わせ・骨格

上顎と下顎の位置のずれや、歯並びの悪さなどの理由で、上の歯と下の歯がきちんと合っていない状態(=嚙み合わせが悪い状態)だと、歯が当たりやすい部分では強くこすり合わさってしまいます。また、骨格の位置がズレている「出っ歯」や「受け口」の場合にも、歯ぎしりが起きやすいです。

歯ぎしりの予防と対策

知覚過敏の治療法や予防方法
(画像出典)pixta

歯ぎしりの予防や対策は、次の通りです。

顔のマッサージをする

顔のマッサージは、筋肉の緊張を緩める効果があります。耳の横から下に向かってくるくると円を描きながら優しくマッサージしましょう。
1日に5分間、3回~5回行うとより効果的です。緊張状態の筋肉をやわらかくすることで、歯ぎしりの予防になります。また、下記の論文では、咬筋をマッサージすることで肩こりが改善されたことが報告されています。

参考論文:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/22/3/22_KJ00003128800/_pdf

マウスピースを着ける

マウスピースは、透明のプラスチックでできています。寝ている時や日中に歯に力を入れる場面がある時に使用します。マウスピースを着けることで強い力を分散させ、歯や歯茎への負担を減らせます。
オーダーメイドのマウスピースは歯科医院で作ることができ、5,000円ほどの費用がかかります。

定期的に歯の詰め物・被せ物をメインテナンスする

治療してから数年経った詰め物や被せ物は、噛む部分がすり減って噛み合わせのバランスが悪くなりがちです。新しい詰め物や被せ物に変えたり、強く歯があたっている部分を調整したりすると、噛み合わせのバランスが良くなり、歯ぎしりが治まることがあります。

噛み合わせを矯正する

全体の歯並びが悪い場合には、矯正治療することで歯ぎしりが改善するケースもあります。

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歯ぎしりは放置しないで!

歯ぎしりを放置していると見た目だけではなく、痛みやしみるといった症状が現れて生活に支障をきたすことがあります。症状が悪化する前に一度、歯科医院で口の状態を診てもらいましょう。

記事監修:林 徹(歯科医、はやし歯科医院院長)

林徹先生

三重県津市高茶屋小森町356-2林歯科ビル1F
059-234-0118
https://hayashi-dentalclinic.net/
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