グラグラの乳歯は自宅で抜いても良い?抜歯するタイミングと注意点 #歯科衛生士の歯の教室

グラグラの乳歯は自宅で抜いてもよい?抜歯するタイミングと注意点 #歯科衛生士の教室

子どもにとって、グラグラしている乳歯は気になるもの。
子どもがグラグラの乳歯を気にして「取って!」と訴えてくる場合もあると思います。永久歯に押されて歯茎がむず痒く違和感を覚えやすいですし、食事しづらいなど生活に支障が出ることも少なくありません。
そんなとき、自宅で歯を抜いてよいのか悩んでしまう保護者の方も多いのではないでしょうか?
乳歯は自然に抜けるのを待つのが基本ですが、本人や保護者の方が抜いても問題ないケースもあります。
そこで今回は、自宅で抜くときのタイミングや注意点、自宅で抜く場合のリスクについても詳しく解説していきます。

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グラグラの乳歯を自宅で抜くタイミング

子どもの抜けそうな歯
(画像出典)PIXTA

先ほども説明したように乳歯は多くの場合、自然なタイミングで抜けていきます。
乳歯を抜くタイミングが早すぎると歯並びに影響が出ることもあるので、どうしても自宅で抜きたいときは、次の条件が揃っているかを確認してからにしましょう。

生え変わりの適齢期に入っている

乳歯が抜ける順番や年齢はほとんど決まっていて、次の時期が目安になります。

  • 前歯(中心の前歯)6歳〜8歳
  • 前歯(前から二番目の歯)7歳〜9歳
  • 乳犬歯(前から三番目の歯)9歳〜12歳
  • 第一乳臼歯(前から四番目の歯)10歳〜12歳
  • 第二乳臼歯(前から五番目の歯)10歳〜12歳

自宅で歯を抜くときには、まずグラグラしている乳歯が抜ける年齢に達しているかを確認してください。

乳歯が歯茎にぶら下がっている

乳歯が歯茎にぶら下がっている場合は、ほとんど抜けている状態に近いです。乳歯がほんの少し歯茎にくっついていて、ちょっと引っ張れば取れる状態なら自宅で抜いても大丈夫でしょう。

グラつきが強く、乳歯がピンク色になっている

乳歯が内部吸収を起こして、ピンク色に変色するときがあります。内部吸収とは、乳歯が永久歯に押されて根が溶けている状態のこと。根が溶けると神経が死んで歯の色がピンクに変わるケースがあります。
つまり、乳歯がピンク色になっているのは、次に生えてくる歯があり乳歯も抜ける準備が整っている“しるし”でもあります。
但し、乳歯がピンク色でもグラつきがあまり強くない場合は、自宅で抜かずに歯医者さんで診てもらうのがおすすめです。神経が死んでいるだけで、乳歯の抜けるタイミングとは違う可能性があるためです。

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グラグラしている乳歯の抜き方と注意点

自宅で乳歯を抜くときには、次のことに注意しながら行ってください。

抜き方:揺らすようにゆっくり抜く

まず、歯茎に細菌が侵入するのを防ぐために手を清潔にします。
そして、グラついている乳歯を指で軽くつまみます。
その後、乳歯を軽く引っ張って前後や左右に揺さぶりながら抜いていきます。
この時に子どもが痛みを訴えてきた場合には、無理に抜くのはやめて様子をみるか、歯医者さんで診てもらいましょう。

糸で引っ張るのはNG!

乳歯に糸を巻き付けて引っ張って抜く方法を聞いたことがある方もいると思います。しかしこの方法は、乳歯が途中で折れたり、歯茎を傷つけたりする危険性があるので、真似しないでくださいね。

抜いたあとの処置

乳歯が抜けたあとは、出血していないかを確認してください。出血していない場合は、そのまま様子をみて大丈夫です。
出血しているときは、清潔なガーゼを丸めて5分ほど噛ませて止血してください。
痛みが強いなど違和感がある場合は、歯科医院で診てもらいましょう。

注意点:虫歯になっている歯は抜かない

虫歯になっている乳歯を、自宅で抜くのは危険です。虫歯の進行状況によっては、乳歯が脆くなっている可能性があるからです。
脆い状態の歯を引っ張ると、歯の一部が歯茎の中に残ってしまう恐れがあり、痛みの原因になります。虫歯になっている乳歯は、歯医者さんで抜いてもらうのがよいでしょう。

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自宅で乳歯を抜くリスク

子どもの抜けそうな歯
(画像出典)PIXTA

自宅で乳歯を抜くのは、次のようなリスクがあるので認識しておきましょう。
以下のような場合に備えて、歯医者さんが開いている時間帯がいいですね。

歯茎が傷つく

乳歯の根は、細くて先が尖っている形の場合が多いです。この尖った部分が歯を抜くときに歯茎に当たって、傷つけてしまう恐れがあります。
ちょっとした傷で痛みもなければ様子見で大丈夫ですが、気になる場合は歯医者さんに行きましょう。

歯の一部が歯茎の中に残る

自分で乳歯を引っ張ると、途中で折れて歯の一部が歯茎の中に残ってしまう可能性があります。歯茎の中に歯の一部が残った状態は、細菌が入り込みやすく歯茎が腫れて痛みが出たり、虫歯になったりしやすいです。

なお、太い骨のような破片が歯茎の中にある場合は、歯の一部の可能性が高いです。
抜いた直後は出血していて確認しづらいため、少し時間をおいてから見てみると良いですよ。
また、抜いてから1週間たっても歯茎の赤みが強く、痛みがあるときは乳歯の一部が残っているかもしれません。その場合には、早めに歯医者さんで診てもらいましょう。

グラグラの乳歯は自然に抜けるのを待つのが基本

歯医者さんを嫌がるこども
(画像出典)PIXTA

乳歯は、役目を終えたとき自然と永久歯へと生え変わっていきます。今にも抜けそうな乳歯は今回紹介した方法で抜いても大丈夫ですが、年齢や永久歯が生えてきているのかを確認してからにしましょう。
自宅で乳歯を抜くのが不安な方や判断に迷っている方は、無理に抜かないでかかりつけの歯医者さんで一度診てもらうと安心ですよ。
なお、適齢期を過ぎても乳歯が抜けていない場合には、永久歯がなく生え変わらない可能性も考えられます。その場合は、レントゲン撮影で永久歯を確認できるので、一度歯医者さんで診てもらいましょう。

記事監修:林 徹(歯科医、はやし歯科医院院長)

林徹先生

三重県津市 高茶屋小森町356-2林歯科ビル1F
059-234-0118
https://hayashi-dentalclinic.net/
小さなお子様からお年寄りまで、幅広い層の患者さまに信頼していただける医療を提供することを心がけています。

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