引越し先の物件が、LPガス（プロパンガス）だった。
LPガス料金が高いので、乗り換えたい。
そんなときは、新しいLPガス会社との契約を進めなければなりません。基本的には新しく契約する会社の指示に従って進めればよいのですが、いくつか注意点もあります。
今回はLPガスの契約の仕方と、自分で探す場合の手順について解説します。
目次
物件別、LPガス会社の乗り換え可否
LPガスの契約時は、どんな物件に住む予定かで事業者の決め方や手続きが少しずつ違ってきます。
新築物件（持ち家）
新築物件の場合、施工業者が懇意のLPガス業者を紹介してくれることが多いです。紹介してもらったというよりも「最初から決まっていた」という認識の人も少なくないでしょう。
しかしガスは自由化されているので、実は消費者が事業者を選ぶことができます。
安くて信頼できる会社を自分で選びたいと思うなら、早い段階で施工業者に伝えておく必要があります。
無償貸与とは
設備費や工事費などの初期費用をLPガス会社が負担する代わりに、一定期間（10～15年程度）のガス契約を約束する契約のことです。
建売住宅の場合は、購入を決めた時点で無償貸与契約が決まっていることもあり、その場合はガス会社を選べません。
中古物件
中古物件に入居する場合、前の住人が使っていたガス器具が残っていることがあります。ガス会社を変更する場合は、元の業者に撤去を依頼しましょう。
フルリノベーションした再生住宅の場合は、新築の建売住宅同様に無償貸与契約が決まっていることもあります。
なお、借家の場合は大家さんの許可があればガス会社の変更が可能です。
集合住宅
分譲、賃貸にかかわらず、集合住宅の場合は基本的にガス会社は選べません。
LPガスは建物ごとにガスボンベを設置するので、多数の世帯が入居する集合住宅で、個々にLPガス会社を選ぶのが現実的でないことは想像がつくと思います。
但し、相場よりも高すぎると感じる場合は、大家さんや管理会社に相談してみるのもいいかもしれません。
シーン別、LPガス契約時の連絡先
引越しによりLPガス会社を契約する場合と、会社の乗り換えにより契約する場合では、連絡先が違うので注意してください。
引越しの場合
解約するガス会社・新しく契約するガス会社の両方に連絡し、手続きを進めます。
ガス会社を乗り換える場合（引越し以外）
引越しを伴わない乗り換えの際は、一般的には新しく契約するガス会社への連絡のみでOK。新しいガス会社が解約関係の手続きを代行してくれるためです。
LPガス会社を選ぶ際のチェックポイント
LPガスは自由料金制で料金を公開する義務がないため、インターネットで簡単に料金を比較することができません。居住地域内のガス会社に個別に問い合わせることになるのですが、その際にチェックすべきポイントがあります。
ガス料金
まずはやはり、料金ですよね。どんなプランがあり、どれくらいのガス料金になるのかを見積もりましょう。
安いか高いかを判断する際は、プロパンガス料金消費者協会が発表している「適正価格」をチェックしてください。「平均価格」のみを強調してくるガス会社もありますが、平均はあくまでも平均。適正価格との比較検討が重要です（同じ都道府県内でも地域差がありますので、必ずしも適正価格まで下がるとは限りません）。
契約内容
- 一定期間内の解約の場合に違約金が発生する
- 使用量によっては割高になる
- 原油価格や為替レートによってガス料金が上がることがある
など、プランによっては注意すべき条件が盛り込まれている場合があります。
これらの条件は決して悪質なわけではなく、
- 割安なプランだから一定期間の契約を約束する
- 使用量によっては、逆に割安になることもある
- 原油価格や為替レートによってはガス料金が下がることもある
といった、お得な条件とのトレードオフです。
往々にしてお得な面が強調されて紹介されますので、きちんと契約内容を理解しましょう。
また、戸建てを購入する場合は、さきほど説明した無償貸与契約（設備費・工事費が無料になる代わりに一定期間の契約を約束すること）についても確認が必要です。
保安サービスの内容
現代のガス器具には高性能な安全装置が付いているため、ガス漏れや危険な事故の心配はほとんどありません。でも、ガス器具の故障や災害時などに、手厚いサポートがあると安心。
監視体制や災害時のネットワークなども、チェックしておきたいポイントです。
LPガス会社と契約する際の手順
LPガス会社と契約する際の流れは、以下のとおりです。
１新しく契約するガス会社を探す
２候補のガス会社にプランの説明や見積もりを依頼する
３新しく契約するガス会社に連絡する
４ガス供給設備の設置・切り替え工事の日程調整
５設置工事後、安全点検を経て使用開始
引越しを伴う場合は、３のタイミングで現在使っているガス会社に解約の連絡をしてください。現在使っているガス会社の請求書や検針票があれば、お客様番号や使用量がわかるのでスムーズです。
無意識に捨ててしまう習慣がある方は、保管しておくようにしましょう。
LPガスの契約は、簡単！
今回は、LPガスの契約の流れや準備するもの、契約時の注意点や新しく契約するガス会社を選ぶポイントについて解説しました。家のタイプによって違うという点は少しややこしく感じますが、手続き自体はガス会社が教えてくれるので問題ありません。
LPガス会社を選ぶ場合は、料金や契約内容をしっかり精査するようにしてください。
