LPガス(プロパンガス)用のホースの種類と選び方|ガス栓別の接続方法も紹介!

LPガス(プロパンガス)用のホースの種類と選び方|ガス栓別の接続方法も紹介!

ガスコンロやガスストーブなどのガス機器を使用するには、機器とガス栓をつなぐガスホースが必要です。
ガスホースには家庭用/業務用、LPガス用/都市ガス用/兼用といくつかの種類があり、ガスの種類やガス機器に対応したものを選ばなければなりません。

一般の人が自分で交換・接続するホースとしては兼用の「ガスコード」が選ばれることも増えてきていますが、LPガスか都市ガスかを意識しないといけないガスソフトコード(ゴム管)もあります。

この記事では、ガスホースの種類や選び方を詳しく解説! ガスホースの取り付け方・取り外し方、交換時期などもご紹介します。
ガスホース選びでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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「LPガス」と「都市ガス」ではガス機器の種類が違う!

プロパンガス
(画像出典)写真AC

一般的に家庭で使われるガスは、「LPガス(プロパンガス)」と「都市ガス」の2種類。発熱量が大きく異なるため(LPガスは都市ガスの約2.23倍)、同じガス器具は使えません。もちろんガスホースも、それぞれに対応した専用品を使う必要があります。

間違ったホースを使用すると事故につながるおそれがあるため、ガス器具やホースの購入の際は、今使っているガスがどちらの種類なのかを再確認することが大切です。
自宅で使用しているガスがLPガスか都市ガスかは、ガス契約時の書類のほか、下記の方法でも確認できます。

ガスホースの色

事故を防止するため、ガスの種類によってホース(ガスソフトコード)の色が決められています。LPガスのホースはオレンジ色です。都市ガスのホースは薄いベージュ(薄いピンク)のような色をしています。
但し、LPガスと都市ガスで共用できる「ガスコード」は色の違いがありません。ガスコードを使用している場合は、他の方法で確かめてください。

【補足】青ゴム管に注意

ちなみに以前、都市ガスでは青いホース(青ゴム管)が使われていましたが、1996年からは耐久性が向上した現在のガスソフトコードのみが販売されています。青ゴム管の耐久年数は約3年で、劣化するとガス漏れの原因にもなるので、もし青ゴム管を使用しているなら早急に取り替えましょう。

ガス漏れ警報器の設置場所

ガス漏れ警報器が、床付近の低い位置に設置されている場合はLPガス、天井付近の高い場所に設置されている場合は都市ガスと判断できます。LPガスは空気より重く、都市ガスは空気より軽いという性質があるためです。

ガス機器に貼られているシールの表記

ガスメーターやガスコンロには、LPガスと都市ガスのどちらに対応しているかが分かるようにシールが貼られています。シールに「LPG」と表記があればLPガス、「12A」「13A」などの表記があれば都市ガスです。「プロパンガス用」「都市ガス用」と分かりやすく表記されている場合もあります。

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ガス栓の種類も確認しよう

ガス栓
(画像出典)写真AC

自宅で使っているガスがLPガス(プロパンガス)か都市ガスなのかを確認したら、次はガス栓の種類をチェックしましょう。基本的にガス栓は、「ホースエンド型」「コンセント型」の2種類となります。

ホースエンド型は、ガス栓の接続口付近(根元側)に赤い線が入っているのが特徴です。一方、コンセント型には線など目印になるものがありません。

また、横から見たときの形状にも違いがあり、接続部が丸みを帯びているのがホースエンド型、やや角ばったような形をしているのがコンセント型と見分けることができます。
ガスホースを選ぶときにガス栓の種類を知っておく必要があるので、こちらも事前にしっかりチェックしておきましょう。

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LPガスのガスホースの種類と選び方

コンロの火
(画像出典)写真AC

ガスの種類とガス栓の形状を確認したら、いよいよガスホース選びです。ここでは、LPガス(プロパンガス)利用者向けに説明します。主にどんなガス機器に使われるかなど、用途も含めてお伝えします。

ガスコード

ガスコードは、両端がコンセント式になっているのが特徴で、コンセント型のガス栓やガス機器に接続して使用します。簡単かつ確実に着脱できるのがメリットです。ホースガス栓用プラグを取り付けることで、ホースエンド型のガス栓にも接続できます。
ガスコードは、ガスコンロをはじめ、ガス炊飯器、ガスファンヒーター、ガスストーブ、ガス衣類乾燥機など、さまざまなガス機器の接続に用いられています。

ガスコードを選ぶときに知っておいてほしいのが、長さに関するルールです。ガスコードの長さは、ガス機器が消費するガスの量によって定められています。例えば、ガス機器のガス消費量が最大で6.4kW (5.500kcal/h以下)の場合、コードの長さは3mまでとなります。以下に、ガスコードの適切な長さを一覧にまとめました。

11.0kW(9,500kcal/h以下)/0.5m
9.3kW(8,000kcal/h以下)/1m
7.7kW(6,500kcal/h以下)/2m
6.4kW(5,500kcal/h以下)/3m
5.8kW(5,000kcal/h以下)/4m
4.7kW(4,000kcal/h以下)/5m

ガス消費量については、ガス機器に貼られているシールや説明書に記載されています。きちんと確認したうえでガスコードを選ぶようにしましょう。
なお、ガスコードはLPガス・都市ガス兼用なので購入の際にその点での考慮は不要です。

オレンジ色のガスソフトコード(ゴム管)

ガスソフトコード(ゴム管)は、おもにホースエンド型のガス栓とガス機器に接続して使用します。ゴム管用ソケットやホースガス栓用プラグを取り付けると、ワンタッチで簡単に着脱できるようになり便利です。ゴム管用ソケットを利用すれば、コンセント型のガス栓にも接続できます。
LPガスか都市ガスかで色が違うので、LPガスの場合はオレンジ色を選んでください。

近年では安全面の観点から、接続にガスコードが推奨されることが多く、ガスソフトコードを使用する機会は減ってきているようです。用途としては、テーブルコンロやガス炊飯器のほか、鋳物コンロや焼き鳥機といった移動設置型のガス機器などが挙げられます。長さに明確な決まりはありませんが、安全を考慮して3m以内のガスソフトコードを選びましょう。ガスコンロの下を這うような状態にならないようにしてください。

その他のガスホース

家庭用ガス器具のためのホースを選ぶなら、ガスコードかガスソフトコードのいずれかだと思いますが、ガスホースにはほかにも種類があります。参考までに、簡単に説明しておきます。

燃焼器用ホース

燃焼器用ホースは、ガス給湯器や風呂釜、ビルトイン、大型ストーブのほか、業務用の調理機器などに用いられています。

高圧ホース

高圧ホースは、主にLPガスのガスボンベと圧力調整機(自動切替式調整器)の接続に使用します。
地震や事故などの衝撃でガスボンベが転倒した際に、ガスの放出を止める機能を備えた「ガス放出防止型高圧ホース」もあります。

低圧ホース

低圧ホースはLPガスボンベの圧力調整器(単段式調整器)とガスメーターの入口管の接続などに使用するホースです。ホース部分がじゃばら状になったフレキシブルホースなどがあります。

ガスホース(ガスソフトコード)の取り付け&取り外し方法

ステップ
(画像出典)写真AC

ここでは、ガス栓とガスホース(ガスソフトコード)の取り付け方、取り外し方をご紹介します。
ポイントさえおさえれば簡単ですが、安全面にはくれぐれも配慮してください。

ガスホースの取り付け方法|ガス栓の種類別

ガスホースの取り付け方法を、ホースエンド型とコンセント型に分けて説明していきます。LPガス(プロパンガス)だけでなく都市ガスでも同じです。

ホースエンド型の取り付け方法

ガス栓の接続口付近にくっきりと赤い線が入っているのがホースエンド型です。ガスソフトコード(ゴム管)を使った接続では、ガスホース1本と2個のゴム管止めが必要になります(ガスホースとゴム管止めがセットで売られていることが多いです)。
接続の手順は以下のとおりです。

ガスホースに2個のゴム管止めを通す。
ガスホースをガス栓の赤い線までしっかり差し込む。
接続部分をゴム管止めで固定する。
同様の方法で反対側もガス機器に接続する。

新品のホースは固いので、ガス栓の接続口に差し込みにくいことがあります。そんな場合は、ホースの縁に水や石鹸水を付けるとはまりやすくなります。

コンセント型の取り付け方法

コンセント型のガス栓にガスソフトコードを取り付ける際は、ガスホース1本、ゴム管用ソケット1個、ゴム管止め2個が必要です。接続の手順は以下のとおりです。

ガスホースに2個のゴム管止めを通す。
ガスホースの先端をゴム管用ソケットにしっかり差し込む。
接続部がずれないよう、ゴム管止めで固定する。
ガス栓の接続口にソケットを差し込む。カチッと音がすればOK。
ガスホースの反対側をガス機器にしっかり差し込む。
接続部分をもう1個のゴム管止めで固定する。

【補足】ガスコードはもっと簡単!

今回はガスソフトコードで接続する方法をご紹介しましたが、ガスコードはもっと簡単です。ガスコードは接続口にただ差し込むだけでよく、安全性も高いので、使用できる環境であればガスソフトコードよりもおすすめです。

ガスホースの取り外し方法|引っ越しやガス機器の買い替え時に

引っ越しやガス機器の買い替え、古くなったガスホースの交換などの理由で、ガスホースの取り外しが必要になることもあります。ガスホースを安全に取り外す方法を以下にまとめました。

ガス機器の電源を切る。
ガスの元栓を閉める(※)。
ホースエンド型の場合は、ゴム管止めの固定を解いてホースを取り外す。コンセント型の場合は、ソケットを手前に引いて取り外す。
ゴム管止めの固定を解いて、ガス機器から取り外す。
※ガス栓本体に安全機能がついていて、従来のような開閉ツマミがないガス栓もあります。

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ガスホースを使用する際の注意点

ポイント
(画像出典)写真AC

言うまでもないことですが、ガス栓とガス機器をつなぐガスホースは非常に重要です。
最近はガス栓やガスホースの安全性が高くなっているので滅多に事故は起きないものの、ガスの種類やガス器具に合わないガスホースを選んでしまったり、接続部が緩んでいたりすると、思わぬ事故が起きる可能性もあります。

購入前には「契約しているガスの種類(LPガス/都市ガス)」「ガス栓の形状(ホースエンド型/コンセント型)」「適切なホースの長さ」を記憶に頼らず書類や実物で確認し、取り付け作業を行う前にガス機器の説明書をきちんと読んでください。そして作業時は確実に元栓を閉め、ガスホースとガス栓/ガスホースとガス器具の接続部に緩みがないかしっかり最終確認を!

ガスホースの交換時期を知っておこう

カレンダー
(画像出典)写真AC

ガス機器を長く使っていると、ガスホースも劣化してきます。
汚れて傷んできたり、ひび割れができたりしたら、使用年数にかかわらずすぐに交換してください。キッチンのコンロ付近は油はねなどで特に汚れやすく、劣化が早いので注意が必要です。

耐用年数は、ガスコードは7年、ガスソフトコードは都市ガス用で7年、LPガス用で3年が目安です。
見た目に異常がなくても、ガス機器を買い替えるときは一緒に交換してください。

警報機の確認も忘れずに。LPガスは汚れにも注意

ガスホースと同じように、ガス警報器にも有効期限があります。
都市ガスは製品によりますが、警報機を設置してから5年または10年。LPガスは、警報機の製造から5年です。

なお、LPガス警報機は床付近に設置するため、ほこりが溜まったり、汚れがついたりしやすいです。ガス漏れの際にきちんと作動しなくては意味がないので、清潔な状態を保つようにしましょう。

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こんな時どうすれば良いの? ガスホースに関するQ&A

Q&A
(画像出典)写真AC

LPガス(プロパンガス)用のガスホースの購入や交換について、よくある質問とその回答をまとめました。困ったときの参考にしてみてください。

LPガス用のホースはどこで買えるの?

ガスソフトコードもガスコードも、家電量販店やホームセンターなど身近な場所で購入できます。Amazonや楽天といったECサイトでも購入可能です。ガス会社で取り扱っている場合も多いので、契約しているガス会社に問い合わせてみるのも良いでしょう。
ガスソフトコードの場合、LPガス用はオレンジ色ですので間違えないでください。

ガスホースの取り付け中や取り付け後に変な臭いがする

ガスが漏れている可能性があります。LPガスは本来無臭ですが、ガス漏れしたときに分かりやすいよう、玉ねぎの腐ったような独特の臭いがつけられています。この場合、火の出るものは絶対に使用せず、窓を開けて換気を行いましょう。ガスの元栓も閉めてください。
これまで異常がなかったのであれば、原因はガスホースの取り付けミスだと考えられます。説明書を読み直して再度慎重に試してみてもよいですが、解決しないようなら契約しているガス会社に連絡してください。ガス機器も新しいのであれば、機器のメーカーに問い合わせてみてもよいでしょう。

ガスホースの取り付けが不安

ガスホースの選び方が分からない、自分で取り付けるのが不安、というような場合は、業者に依頼するのも一つの方法です。ガス会社で請け負っている場合もあるので、まずは契約中のガス会社に問い合わせてみると良いでしょう。ガスホースの取り付けや交換を依頼する場合は、ガス栓周りを掃除し、作業しやすいように片付けておきましょう。

LPガスのホース選びや交換は慎重に

この記事では、LPガス(プロパンガス)用のホースの種類や選び方、取り付ける際の注意点などをご紹介しました。ガスホースには種類があり、ガスの種類、ガス栓の形状、ガス機器に対応したものを選ぶ必要があります。
間違った商品を選んだり、接続方法を誤ったりすると事故につながるおそれもあるので、事前にしっかり確認を行うことが大切です。

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