「LPガス」という言葉は知っていても、LPガスがどんなものかよく知らないという方も多いかもしれません。
「そもそもLPガスの『LP』って何?」と、考え出すと気になってきますよね。
この記事では、「LP」の意味をはじめ、LPガスの特徴やメリット、LPガス関連用語など、LPガスの基本情報をまとめてお伝えします。
さらに、LPガスに関するお得な情報もご紹介!
LPガスを利用している方はこの機会にいろいろな知識を身につけて、LPガスを便利にお得に利用しましょう。
目次
LPガスとは?「LP」の意味は?
LPガス(LPG)は「Liquefied Petroleum Gas」の略。日本語の正式名称「液化石油ガス」は、Liquefied(液化)、Petroleum(石油)、Gas(ガス)の直訳です。
LPガスの主成分は、プロパンまたはブタン。いずれも炭化水素(炭素原子と水素原子だけでできた化合物)です。
ガスとして使用されるときは気体ですが、一定の温度まで冷却したり、圧力を加えたりすることで、液体へと変化します。この時、体積が約250分の1まで小さくなるため、LPガスの輸送や保管は液体の状態で行われます。つまり、ガスボンベの中では液体の状態で、実際にガスを使う際に気体へ戻す、という仕組みです。
LPガスとプロパンガスは同じ意味
ガス関連の記事やニュースを読んでいると、LPガスのほかに「プロパンガス」という言葉もよく登場します。ここで覚えておきたいのが、LPガスとプロパンガスは同じ意味で使われている、ということ。プロパンガスはLPガスの別称です。
先ほどお伝えしたように、LPガスの主成分はプロパンとブタンです。家庭用のLPガスはプロパンを主成分としたものが多いことから、「プロパンガス」という別称が生まれました。あくまで主成分でプロパン以外も含むため、プロパンガスと呼ばれながらもプロパン100%ではありません。この記事では「LPガス」の呼び方で統一して話を進めていきます。
なお、「都市ガス」は、LPガス(プロパンガス)とは別物です。主成分はメタンで、LPガスがガスボンベで供給されるのに対して、都市ガスは地下のガス導管を通じて供給されます。
LPガスの特徴やメリットを知ろう
「都市ガスよりも高い!」と、料金ばかりが注目されがちなLPガスですが、都市ガスにはないメリットがいくつもあります。
ここでは、そんなLPガスの特徴や、優れているポイントをご紹介します。
【メリット】ボンベで供給されるため、災害に強い
LPガスの大きなメリットとして、災害時の復旧が比較的早いことが挙げられます。LPガスは、ボンベまたはタンクを利用して各家庭へ個別に供給される仕組みです。そのため、もし災害によってガスの供給に影響が出た場合でも、個別に調査、点検を行い問題がなければ、すぐに復旧させられます。
また、可搬性に優れており、設置しやすいことから、避難所や仮設住宅を準備する際にもLPガスが選ばれます。
LPガスが災害に強いことは、過去の震災でも証明されており、災害に強い分散型エネルギーとして高く評価されています。
【メリット】熱効率が良く、強火力
LPガスの燃焼時の発熱量は、都市ガスの約2.23倍です。強火力なので、中華料理店をはじめとする飲食店では都市ガスエリアでもLPガスがよく選ばれています。
ただ、一般家庭用のガスコンロは都市ガスもLPガスも同等の火力になるようガス穴(ガスの出る量)が調整されています。
【メリット】地球環境にやさしい
LPガスは、地球環境にやさしいクリーンエネルギーとしても大きく注目されています。地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)の排出が少なく、大気汚染物質の窒素化合物や硫黄化合物もほとんど含まれていないためです。
環境問題は年々深刻さを増し、私たち全人類の課題となっています。環境にやさしいLPガスの利用は、身近な環境貢献活動です。
【特徴】無色無臭で空気より重い
LPガスは本来、無色無臭ですが、万が一ガス漏れしたときに分かりやすいように、玉ねぎの腐ったような臭いが付けてあります。空気より重い性質を持ち、ガス漏れした場合は低いところに滞留するのが特徴です。そのため、LPガスのガス漏れ警報器は、床付近の低い位置に取り付けられています。
ちなみに、都市ガスはLPガスとは反対に、空気より軽いのが特徴。ガス漏れすると空気中で上昇し、天井付近に滞留します。
LPガス関連の用語一覧|言葉の意味をチェック!
LPガス関連の記事を読んでいるときに、見慣れない言葉や略語に遭遇して「どんな意味なのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか? ここでは、LPガス関連の話題でよく出てくる用語をいくつかピックアップしてご紹介します。
「LPG」
LPGは「Liquefied Petroleum Gas」の略で、つまり「LPガス」。最初にも説明しましたが、日本語の正式名称は液化石油ガスです。
「LNG」
LNGは「Liquefied Natural Gas」の略。日本語に訳すと液化天然ガスとなります。液化天然ガスは都市ガスの原料として利用されています。
「バルク」
バルクは本来、大きさ、容量などの意味を持つ言葉ですが、LPガス業界では、大容量のLPガスを充填できるタンクを指します。移動させられるものを「バルク容器」、固定されて動かせないものを「バルク貯槽」と呼びます。
「マイコンメーター」
マイコンメーターとは、ガス遮断装置付きのガスメーターのことで、LPガス用と都市ガス用があります。いずれも大きな地震やガス管の異常を感知すると、自動でガスを遮断したり、警告を発したりする機能を備えています。消し忘れなどで時間オーバーしたときにも自動で止めてくれます。
「エネファーム」
エネファームの正式名称は、「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」。LPガスや都市ガスから取り出された水素と空気中の酸素を反応させることによって発電を行い、この時発生する熱を利用してお湯を沸かす仕組みです。
エネファームという言葉は、「エネルギー」と「ファーム(農場)」の2語を組み合わせた造語です。企業の商標のようにも思えますが、2008年に燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)が企業に関係なく決定した統一名称です。
LPガス会社は自由に切り替えられる
LPガスの小売りは都市ガスよりも前から自由化されており、消費者は契約するLPガス会社を自由に選べます※。
また、販売業者が自由に料金を決められる「自由料金制」です(意外に感じるかもしれませんが、料金決定に政府や自治体がかかわらないのでLPガスは「公共料金」ではありません)。
つまり販売業者によって料金の差が大きく、標準的な料金プランを提供する会社がある一方で、相場よりかなり高額な料金設定の会社もあります。
※集合住宅は建物全体でLPガス会社を1社に決めるので、自由な変更はできません。戸建てでも、借家や中古住宅で無償貸与契約期間中の場合は変更が難しいことがあります。無償貸与契約とは、一定期間その会社がガスを供給するという条件でガス配管工事や給湯器などの設備費用をガス会社が負担する契約のことです。
LPガス会社を切り替えるタイミングはいつでもいいので、LPガス料金が高いと感じたら、相場と比べてどうなのか、他にもっといいガス会社がないか、一度確認してみるといいでしょう。
以下に、LPガス会社を比較検討する際のポイントをまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
- 居住地域の料金相場と比較する
- 料金の仕組みが明確な信頼できるガス会社を選ぶ
- 保安体制やサポートが充実しているかチェックする
- 解約金や違約金の条件を確認する
- お得なセット割やサービスに注目する
新しいガス会社と契約する際は、契約書の内容をしっかり確認することが大切です。特に解約金や違約金についてはトラブルの原因になりやすいので、少しでも気になる点があれば問い合わせましょう。
災害にも強く、生活を豊かにしてくれるLPガス
この記事では、LPガスをもっと詳しく知りたい方のために、LPガスの「LP」の意味をはじめ、LPガスの特徴&メリット、LPガス関連用語など、LPガスに関するさまざまな情報をお伝えしました。
LPガスには、災害に強い、地球環境にやさしいといったメリットもあり、私たちの生活をより豊かにしてくれることが期待されます。また、ご説明してきたようにLPガス会社は自由に選べますので、LPガスを使っている方はこの機会に料金相場を調べ、安くなりそうであれば切り替えも検討してみてください。