皆様はじめまして、油売りエマこと青木絵麻です。
「油を変えれば料理も変わる」をモットーに、楽しく美味しくヘルシーな油活をおススメして参りますのでよろしくお願いします。今回は初回なのでまずは油の基本から。
目次
脂質と油脂
さて、油ってなんでしょうか?
よく聞く脂質や油脂はどちらも油ですね。
脂質とは?
脂質はタンパク質、炭水化物(糖質)と並ぶ三大栄養素のひとつで、中性脂肪、コレステロール、リン脂質などの総称です。身体にとって今や臓器と言えるほど大切なもので、活動のエネルギー源になったり、細胞膜やホルモン、情報伝達物質の原料となり私たちの身体を動かしています。
実は脳組織の65%は油!食欲も油から作られるホルモンがコントロールしていることをご存知ですか?どんな油をどれくら摂るかは思っている以上に体やメンタルの健康を左右しているんですよ。
油脂とは?

では、私たちが口にする油はどんなものがあるでしょう?
うちのキッチンの油を少し紹介してみますね。左からギー、ココナッツオイル、山葵油、柚子オリーブオイル、ベルガモットオリーブオイル、マカダミアナッツ油、えごま油、エキストラバージンオリーブオイル2種、山椒香味油、サチャインチオイル、落花生油、レッドパーム油、ひまわり油。
写真にはありませんが、ほかに米油、グレープシードオイル、なたね油、胡麻油やバターなどもあります。
私たちが毎日口にするこれらの油は「脂質」の中でも「油脂(脂肪酸とグリセロールが結合したトリグリセリド)」と呼ばれ、 常温で液状のものを「油」、固形のものを「脂」と書きます。
また原料によって「植物性」と「動物性」に分けられ、写真のものだとギーが牛乳由来なので動物性、他は全て原則植物の種子を搾ったものになります。ただオリーブとアボカドとパームだけは、種ではなく果肉を搾り油をとります。
とにかく油は大事でおもしろい!
さて、油脂を構成する脂肪酸については次回にして、まずはとにかく油は大事でおもしろい、身体も料理も変えるということを意識していただければ嬉しいです。これから毎月いろいろな油と簡単レシピ、使い方のポイントなどをご紹介していきますのでお楽しみに。
今月のオイルレシピ
今月はクリスマスやお正月におすすめのスペシャルソースの簡単ローストビーフと、香りオイルだけで雰囲気が変わる春菊のサラダです。
ローストビーフのブラックソース/パンプキンシードオイル

メインディッシュは、パンプキンシードオイルのソースを使ったローストビーフです。
パンプキンシードオイルとは?

数ある油の中でもインパクト大な黒緑色のオイル。その名の通りかぼちゃの種から搾る油です。
品種はペポかぼちゃでオーストリアの伝統オイルですが、ドイツやクロアチア、今は北海道などでも作られています。
オレイン酸とリノール酸がメインですがトコフェロール(ビタミンe)や植物ステロールも含まれ、前立腺治療や皮膚、爪の再生などに関わるジャンルのサプリメント原料にも使われています。
一時期アイスクリームにかけると黒蜜みたいで美味しいと大人気になりました。パーティーの手土産にバニラやチョコレートアイスと持ち込むのもおすすめです。
味は芳ばしいナッツの風味、どこか懐かしい森を感じさせるテイスト。
ポタージュやプリン、タルト、焼きりんごなどの甘いもの、シナモンやナツメグなど温かみのあるスパイスを使ったもの、キノコ類、ローストした野菜や豆の煮込み系、鴨や鹿肉などジビエにもよく合います。
マッシュポテトに混ぜると緑色になるし、今回ご紹介するブラックソースはハロウィンメニューにも使えます。
材料(2人分)
<ローストビーフ>
- 牛もも肉(塊) 200g
- 塩 3g
- 胡椒 少々
<ブラックソース>
- パンプキンシードオイル 大さじ1
- バルサミコ酢 大さじ2→半量程度まで煮詰める
- 塩 ひとつまみ
- 醤油 少々
<付け合せサラダ>
- ベビーリーフミックス 1パック
- アンディーブ(チコリ)1/2個
- 紫玉ねぎ 1/6個
- ホワイトマッシュルーム 4個
- 冷凍ベリーミックス 一掴み
- ザクロ 大さじ2
作り方
1 牛肉は室温に戻しておいてからペーパーで拭き、塩と胡椒を全体にすりこむ。
2 キッチン袋に入れ空気をしっかり抜いて密閉し、58度の湯に1時間浸ける。(お肉のグラムにより調整)
3 表面をフライパンで焼き焦げめをつけ、少し休ませてから薄くスライスする。
4 バルサミコ酢はとろりとする程度に小鍋で煮詰め、塩と醤油とあわせパンプキンシードオイルと混ぜる。
5 紫玉ねぎとマッシュルームは薄切り、アンディーブは一口大に切りサラダの材料を全て混ぜお肉と盛り付ける。
6 4 のソースを縁から注ぐ。
ポイント

ローストビーフは、硬くなりがちな赤身肉を低温調理でしっとり柔らかく仕上げ、芳ばしいオイルソースに絡めていただく新感覚のもの。煮詰めたバルサミコ酢とあわせてあるので、思ったよりオイリーな感じはありません。添えるサラダも同じソースですが、酸味のあるフルーツを加えることでよりさっぱりいただけます。
今回は200g程度のタスマニアビーフを保温鍋「シャトルシェフ」を使って作りましたが500gくらいの塊の方が作りやすいかもしれません。しっかり室温に戻し塩はお肉の重量の1~1.5%、加熱は3時間を目安にして、慣れるまではお肉の中心温度を測り55~57度を目指すといいと思います。
焼いた後もすぐ切らずに休ませると肉汁が落ち着きます。
ポイントを掴むとローストビーフはお家でも簡単。低温調理よりは火が入りやすいけどフライパンでじっくり焼くだけでも作れますよ。
残ったら薄く切ってサンドイッチにも。ひと味違うクリスマスメニューにいかがですか?
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