前回の「エネルギー補給におすすめのMCTオイルとは?」から引き続きMCTオイルについて2回目をお送りします。中鎖脂肪酸がどういう油なのかは前回の記事でご確認くださいね。
MCTオイルをご存じですか?アスリートの方のCMなどでご覧になったことがあるかもしれませんね。またダイエットのためにMCTオイルコーヒーを飲んでいる方もいらっしゃるでしょう。 MCTとはMedium Chain Triglyceri[…]
目次
MCTオイルの種類と選び方

MCTオイルは様々なものが販売されています。
原料
MCTオイルの原料はココナッツ(ココやし)やパーム核(あぶらやし)です。パーム油はパームの果肉を搾りますが、パーム核は種の部分のみを搾るもので、脂肪酸組成がココナッツオイルに似ています。
どちらの原料でも中鎖脂肪酸としての機能は変わりありませんが、環境の問題や微量成分等を気にする方はココナッツ由来のものを選ぶことが多いようです。パーム由来のものの方が、価格は安価な傾向があります。
原料がオーガニックか、製造工場の安全性認証をチェックポイントにするのもいいでしょう。

<ココウェルオーガニックココナッツMCTオイル>
ココナッツの栽培からオイル充填まで有機認証取得の農園、工場で生産されたもの。冷やして固まる脂肪酸を取り除く非加熱自然製法。カプリル酸44%、カプリン酸38%、ラウリン酸13%、優しいココナッツの甘い香り
製法
原料油の中鎖脂肪酸のみを取り出しますので、原油をグリセリンと脂肪酸に加水分解後、再エステル化する手法などが取られますが、自然分留のみのナチュラル製法にこだわったものもあります。
成分
自然製法だと完全抽出は難しいので、ラウリン酸(性質は長鎖脂肪酸寄り)も含むものが多いです。
ラベルの中鎖脂肪酸量の記載をチェックしてみてください。
カプリル酸(C8)とカプリン酸(C10)が99~100%のもの、95%以上のもの、またカプリル酸(C8)のみのオイルもあります。
- カプリル酸(C8)→ケトン体生産効率が高い
- カプリン酸(C10)→エネルギー代謝が早い
- ラウリン酸(C12)→抗菌、抗炎症作用
という特徴もあるので、目的に応じて選ぶのもいいですね。
テクスチャー、香り
透明で無味無臭、さらりとしたものが多いのですが、ココナッツの香りが残っているものもありますので確認しましょう。コーヒーにはココナッツの香りのあるもの、料理には無臭のものを使い分けるのもおすすめです。
【番外編】パウダータイプもあり
どうしても油が苦手の方はMCTパウダーもあります。また外出時やスポーツ時に手軽に補給できるような小袋やゼリータイプなども販売されています。
パウダーはメーカーにより溶けやすさなどに差がありますが、飲み物などに使いやすいです。

MCTオイル使用時の注意点
さぁ実際に摂ってみましょう。ただし以下のことに注意してください。
最初は、小さじ1杯から
MCTオイルは他の油と違って胃で分解され消化吸収スピードが速いオイルです。
そのため胃がむかむかしたり、腹痛やお腹がゆるくなるといった症状が出ることがあります。
全く平気な方もいますが、はじめての方は小さじ1程度からはじめることをおすすめします。
またそのまま飲むより、料理にかけたりヨーグルトやスムージーによく混ぜて摂るといいでしょう。
特に胃腸の弱い方は空腹時に飲むのも注意です。
どうしても慣れない方は、レシチンという乳化作用のあるサプリメントをMCTオイル摂取前に飲むと刺激が少なくなります。
少しずつ増やして慣れてきたら1日に大さじ1~2くらい摂っても大丈夫です。
ただ薬ではないので決まった量はありません。
※インスリン治療中の糖尿病の方は低血糖になる場合がありますので主治医にご相談ください
加熱調理には不向き
MCTオイルは発煙点が低いので揚げる炒めるの加熱調理には向きません。
基本的に料理の仕上げやドレッシング、和え物などにお使いください。熱いものにかけるのは問題ありません。
またカップラーメンなどに加えるとポリスチレン容器を変質させる可能性があるので器を移し替えた方がいいです。
MCTオイルはどんな時におすすめ?
MCTオイルがおすすめなシチュエーションはこんな時です。
ライフスタイルと目的によって様々な人が活用できますよ。
●スポーツマンに 特に持久戦前は◎
引用元:金田油店
●食の細い方へのエネルギー補給に
●疲れやすい人、元気が出ない人に
●つい食べ過ぎてしまう人に→ダイエットに
●糖質制限時のエネルギー補給に
●頭をすっきりさせたい、脳の活性化に
思い当たることがありましたか?
習慣化して継続的に摂っていくことで、代謝が改善され疲れにくくなる、夕方のだるさが軽減される、過食がなくなってダイエットに繋がる、マラソンでバテにくくなるなど効果を実感する方も多いようです。
私は夕方小腹が空いた時にナッツを食べながらMCTオイル入りコーヒーを飲むことが多いです。
MCTオイルの使い方
では実際の使い方例です。
飲み物
飲み物なら、コーヒー、紅茶、スムージー、ボーンブロススープ、甘酒、プロテインなど。
飲み物にオイルを入れると当然上に浮きます。スプーンで混ぜる程度では乳化しないのでシェイカーで振ったり、小さな電動泡だて器でよく混ぜたり、生クリームなどを加えたりするとクリーミーで舌触りの良い仕上がりになります。
ちなみにMCTオイルは糖分のあるものと摂ってもエネルギー源となるケトン体を生み出せますが、糖分がない方がケトン体生産効率は上がりますよ。
料理
無臭タイプなら和食にもOK。
味噌汁やお粥、スープ、納豆、サラダや和え物、炒め物、卵かけご飯、スクランブルエッグなどにかけてどうぞ。朝食のオートミールやヨーグルトと合わせても。
ココナッツの香りがあるものは、カレーやココナッツミルクを使ったもの、スパイス、ハーブを使ったエスニック料理に合わせるといいですよ。

MCTオイルはさらりとしているので、料理にかけたりドレッシングにするとお皿に残ってしまうことがあります。うまく絡まるような食材を使ったり、マヨネーズを作る、ヨーグルトや崩した豆腐をソースに混ぜるなどするとしっかり摂れますね。
話題の機能性オイル、ぜひ取り入れてみてくださいね。
豚しゃぶサラダの納豆MCTオイルだれのレシピ

油っぽさを全く感じずに、MCTオイルを野菜とお肉に全部絡めていただけるボリューム満点のサラダです。野菜と一緒に動物性、植物性たんぱく質もしっかり摂れるヘルシーレシピ、お好みの野菜でどうぞ。
材料(3人分)

豚ロース肉(薄切り) 200g
水菜、スプラウト、ピーマン、トマトなど 適量
<タレ>
- ひきわり納豆 2パック
- ポン酢 大さじ3
- MCTオイル 大さじ1
- 生姜(すりおろし) 小さじ1
【今回使用したオイル】
Nature’s Way, オーガニックMCTオイル
https://jp.iherb.com/pr/nature-s-way-organic-mct-oil-16-fl-oz-480-ml/66202
作り方
1野菜を食べやすく切ってお皿に盛りつける。
2お肉は70~80度の湯に少量ずつくぐらせ、白くなったらざるにあげ粗熱を取り野菜の上に盛る。
3タレの材料をよく混ぜ、2にかける。あれば胡麻(分量外)を振る。
ポイント
沸騰したお湯でなく70度くらいのお湯でしゃぶしゃぶすると、お肉が柔らかく仕上がります。また氷水に取ると脂身が固まるので、そのままか常温の水がおすすめ。
水気を切った熱いお肉を野菜にのせてしんなりさせるのも食べやすくて美味しいですよ。
大きめの器で、食べる時はしっかり全体を混ぜてタレを絡ませてどうぞ。