MCTオイルとケトン体について  #世界のオイルを巡るレシピと油活のススメ

MCTオイルはおすすめ?中鎖脂肪酸を知ろう #世界のオイルを巡るレシピと油活のススメ   

MCTオイルをご存じですか?
アスリートの方のCMなどでご覧になったことがあるかもしれませんね。
またダイエットのためにMCTオイルコーヒーを飲んでいる方もいらっしゃるでしょう。

MCTとはMedium Chain Triglycerideの頭文字、ずばり中鎖脂肪酸のことです。ココナッツやパーム核から採れる油です。

今注目を集めているMCTオイルとはどんな油なのか、使い方や注意点など何回かに分けてお届けしますね。

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MCTオイルとは?~脂肪酸についておさらい~

バターコーヒー
MCTオイル入りバターコーヒー (画像出典)PIXTA

中鎖脂肪酸について説明する前に、まずは少しおさらい。

脂肪酸とは油を構成するものですが、今まで代表的なものをいくつか紹介してきましたね。
常温で液状の不飽和脂肪酸では、

  • オメガ9のオレイン酸
  • オメガ6のリノール酸
  • オメガ3のα-リノレン酸

そして、常温で固形のものは飽和脂肪酸が多いこと。

脂肪酸は炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の原子で構成されていて、鎖状につながった炭素数の違いでも分類されます。
炭素数が6以下のものを短鎖脂肪酸、8~10のものを中鎖脂肪酸、そして12以上のものを長鎖脂肪酸といいます。

ちなみに飽和と不飽和の違いは、炭素のつなぎ目の二重結合によるもので、二重結合がなければ飽和脂肪酸、1つあると一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)、2つ以上あると多価不飽和脂肪酸(α-リノレン酸、リノール酸、EPAなど)となります。二重結合の数が多いほど酸化しやすい性質があります。

言葉だけだと少し難しいかもしれませんね。

下の表をご覧ください。
普段料理で使うようなほとんどの油、サラダ油、オリーブオイル、大豆油などは長鎖脂肪酸であることが分かりますね。

脂肪酸分類表
脂肪酸分類表 (画像出典)金田油店

中鎖脂肪酸は炭素数が8のカプリル酸と炭素数10のカプリン酸です。(濃い黄色部分)
MCTオイルとはこの2つの脂肪酸を指します。

※炭素数12のラウリン酸も中鎖脂肪酸とすることがありますが、代謝経路は長鎖脂肪酸と同様です。

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MCTオイルは吸収が早くたまりにくい

脂肪酸構造イメージ
脂肪酸構造イメージ (画像出典)金田油店

さて、油によって炭素の鎖の長さが違うことが分かりましたね。
構造イメージを見ても、MCTオイル(中鎖脂肪酸)は鎖の長さが長鎖の半分程度です。

上のカプリル酸は中鎖脂肪酸で炭素数が8。
下はオリーブオイルなどに含まれるオレイン酸で炭素数が18、二重結合が1つあります。
オレイン酸はオメガ9系とも言われますが、二重結合が酸素(O)の結合していない方(上の図だと右端)から数えて9番目に出てくることから来ています。

難しいところはこれくらいにしましょう。
中鎖脂肪酸、MCTオイルのすごいところは何と言っても吸収が早いこと。

通常の油は、胃ではほとんど消化されません。十二指腸で胆汁によって乳化し、消化酵素リパーゼで分解され腸管、リンパ管を経てようやく全身に巡ります。
エネルギーとして使うには細胞内のミトコンドリアに運ぶ必要がありますが、カルニチンがないとうまく取り込めません。

それに比べてMCTオイルは胃で速やかに加水分解され、血管から門脈、肝臓へ運ばれすぐにエネルギーとして代謝されます。代謝にカルニチンも要りません。
他の油より4倍も吸収が早いので、身体にたまりにくい油と言われます。

元々は医療機関で脂質代謝異常の方や未熟児のエネルギー補給、てんかん治療などに使われて来た油です。
速やかにエネルギーになり身体にたまりにくい。また血糖値を上げないので健康的なエネルギー源と言われています。

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ケトン体とは?

MCTオイルを摂るなら知っておいた方がいいキーワード「ケトン体」についてみてみましょう。

私達は普段食事から摂り入れる糖質や、筋肉・肝臓にためているグリコーゲンをエネルギーとしています(解糖系回路)。貯蔵がなくなると糖新生といって、たんぱく質などから糖を作ったり、脂肪をエネルギーとして使うようになります。

脂肪酸を使う時、肝臓で生成されるのがケトン体で、ブドウ糖の代わりに脳や身体のエネルギーになります。ケトン体はブドウ糖がうまく使えないアルツハイマー病の方の脳のエネルギー源になったり、てんかん発作を抑える治療での活用法が有名ですが、それ以外にも抗炎症や神経保護作用、ミトコンドリア活性化や抗がん、アンチエイジング、認知機能改善と様々な分野で研究が進んでいる今大注目のエネルギーです。

ただ激しい運動量のアスリートは別にして、普通の生活で食事もきちんと摂っていると十分糖があるのでなかなかこのケトン体回路のスイッチは入らないものです。
例えば遭難などで何日も食べずに生き残った人は、このケトン体回路が働いたということですね。

でもMCTオイルは、体内に糖があっても効率的にケトン体を生み出せることが分かっています。脂肪燃焼スイッチを入れやすくするイメージです。

ちなみにC8のカプリル酸とC10のカプリン酸では、カプリル酸の方がケトン体産生効率が高いということで、C8のみのMCTオイルというのも販売されています。

左からココウェルオーガニックココナッツMCTオイル、ネイチャーズウェイオーガニックMCTオイル、B.B.CoCo C8ハイパーMCTオイル

次回はMCTオイルの種類や使い方、注意点を取り上げますね。

MCTオイル入りズッキーニとツナのサラダのレシピ

マヨネーズではなくMCTオイルと豆乳ヨーグルトで、暑い日もさっぱりエネルギー補給ができて、低糖質なサラダです。ココナッツの風味と相性のいいライムとハーブで爽やかに仕上げました。

材料(3人分)

  • ズッキーニ 1本
  • ツナ(ノンオイル)  1缶
  • 紫玉ねぎ 1/6個
  • 豆乳ヨーグルト(普通のヨーグルトでも可) 大さじ2
  • MCTオイル 大さじ1
  • ライム汁 小さじ1
  • 塩 小さじ1/2
  • コショウ 適量
  • バジルまたはミントの葉 適量

商品情報

ココウェル 有機ココナッツMCTオイル
https://www.abura-ya.jp/SHOP/LN_f004.html

作り方

紫玉ねぎはみじん切りにして、ライムをしぼりかけておく。

ズッキーニはさいの目切りにしてボウルに入れる。

にツナとMCTオイル、豆乳ヨーグルト、の紫玉ねぎ、塩コショウ、ちぎったバジルかミントの葉を入れて和え、馴染ませる。

ポイント

優しい味なので、コショウやハーブはたっぷり入れると美味しいです。酸味と塩気は味を見ながらお好みに仕上げてくださいね。
お肉料理の付け合わせなどにもおすすめです。

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