脂肪酸を知れば油がわかる #世界のオイルを巡るレシピと油活のススメ

脂肪酸を知れば油がわかる #世界のオイルを巡るレシピと油活のススメ

皆様、新しい年を迎えましたね。身体が錆びつかないように大事な油をしっかり差して参りましょう。
今回は油の基本である「脂肪酸」を解説します。

ささみ鍋のレシピはこちら

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脂肪酸は油の基本

私たちが日々口にする油は、様々な種類の脂肪酸とグリセロール(グリセリン)があわさった形で、トリグリセリドと呼ばれます。ですので代表的な脂肪酸の種類をざっくりと押さえることで、普段使っている油がどんな特徴を持つのかが分かるようになりますよ。

脂肪酸の分類

脂肪酸の分類
(画像出典)
青木 絵麻(著), 守口 徹 (監修)
「からだを活性化させる魔法の油!オメガ3レシピ」(講談社

※表中のオメガ6系に紅花油も記載されていますが、今はハイオレイックタイプというオレイン酸がオリーブオイルと同量程度入っている紅花油も多くなっています。
※こめ油もオレイン酸が一番多いオイルにはなりますが、含有量は42%前後です。

言葉が少し難しいので、表を参照しながら続きをお読みください。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられ、飽和は常温で固体、不飽和は常温で液状です。

また飽和脂肪酸は構造上、どんな不飽和脂肪酸より酸化に強いのが特長。油は熱や空気、光により酸化すると過酸化脂質に変わり、摂る量によっては胃のむかつきや下痢、細胞への悪影響を起こします。もちろん個人差もありますし体内でのリセット機能もありますが、酸化した油は摂らないに越したことはありません。加熱調理には、加熱に強い脂肪酸の油を使いましょう。

一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は一価と多価に分かれます。
一価不飽和脂肪酸はオメガ9系と呼ばれ、オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸がこちらのグループに入ります。
オレイン酸は、血中コレステロールを下げたり、整腸作用などでもよく知られています

多価不飽和脂肪酸はオメガ6系(リノール酸)とオメガ3系(α-リノレン酸など)の2つのグループのことですが、私たちが体内で合成できない「必須脂肪酸」であることを覚えておいてください。

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脂肪酸が分かると優先順位が見えてくる

「常温で固形である飽和脂肪酸は酸化に強い」と知っているだけで、「とんかつはラードで揚げて正解」なことがお分かりいただけますね?
このように、脂肪酸の知識があると、油を上手に選べるようになるのです。

ラードを常備している家庭は少ないでしょうが、飽和脂肪酸の次に酸化に強いのは一価不飽和脂肪酸です。なので、オリーブオイルや紅花油などで揚げ焼きや炒め物をするのも正解、となります。

ここで重要ポイント。脂肪酸は種類によって「体内での使われ方」が違います。

体内で作れる脂肪酸

飽和と一価不飽和脂肪酸は、主に体を動かすエネルギー源として使われ過剰なものはたまっていきます。そして必要な分は体で作ることができます。

体内で作れない脂肪酸(必須脂肪酸)

多価不飽和脂肪酸は身体の生理機能を保つために日々使われている不可欠な油ですが、体内では作れません。つまり、食べて補う必要があるということです。

さぁ、もうダイエット中でも抜いてはいけない油が分かりましたね?

しかし、必須脂肪酸でもほとんどの植物油や加工食品にも含まれるオメガ6系のリノール酸が欠乏することはまずありません。
意識して摂るべきは、圧倒的に不足している人が多いオメガ3系の油です。
えごま油やあまに油が比較的有名ですが、魚の油であるEPAやDHAも入りますよ。

オメガ3については来月詳しくご説明するとして、今回のレシピにまいりましょう。
オメガ3系油の代表格、えごま油を使っています。オメガ3であるα-リノレン酸量は58~69%程度、原料により少し 違いがあります。

次ページ:ぽん酢とえごま油で食べるささみ鍋のレシピ

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