灼熱の太陽も、まもなく。冷やりと光る、夏の麺たち。 #加藤紀子のおいしい畑

ヒヤリと光る、夏の麺。 #加藤紀子のおいしい畑

「ああ…ついにその時が来ちゃった…」
6月の初め、テレビから「梅雨入り」を知らせるニュースを耳にした瞬間、毎年のことながら「ああ…」と遠い目に。

ホヤホヤの緑色の香りがする春の始まりから、ムンと漂う色濃い緑の香りに変わり、
穏やかに気持ちのいい気候を「最高っ!」と喜んだのも束の間、ふう…そうでしたよね…梅雨。
といっても、雨が落ち始めた時にアスファルトが濡れる香りは好きだし、雨に打たれて葉が揺れる姿だって美しく思うし、優しい彩りの紫陽花だってもちろん大好き。
ショートかロングかを出かける前にと悩む長靴が履けるのも楽しいし、畑の野菜だって、成長するためのありがたい水分だと喜んでいるはず。

では一体なぜ「ついに…」と思ってしまうのかというと、梅雨の次にやってくる逃れられない猛烈な暑さと、心地よい眠りを一瞬にして奪う蚊の登場など、“夏を受け入れるための覚悟”を必要とする時期が来ちゃったな…を意味する「ああ…」。

仕事として出向く私の現場は、スタジオで行われるものと、ロケとして朝から夜まで一日中外で収録するものがあり、「太陽が眩しいから」だなんて、畑のようにつばの広い帽子や日傘など使用するわけにもいかず(顔が隠れてしまうという理由も含む)、代わりに日焼け止めは何度も塗り直さなくてはいけないし、虫刺され体質すぎて(一晩で32箇所刺された経験あり)、虫除けを付けるのもエンドレス。

色々なものが進化している中、まだ温度と匂いは画面から出てくれないので、「羨ましい場所で美味しそうなもの食べてる〜!」と、思って頂けるのは何よりも幸せなことだけど、「実は背中も膝裏も、滝汗っす…」な現実がいっぱい。

それでも夏の楽しみが全くないかと言われれば、全くそういう訳ではなく、夏を取り巻く環境さえ覚悟してしまえば、仕事終わりに飲む生ビールは、どの季節よりも一層美味しく感じられるし、そこに合わせて頬張りたい枝豆は、畑で絶賛成長中!

大きな音に驚いて見上げた瞬間にきらめく花火には、いくつになっても心躍らされてしまうし、洋服の薄さのおかげで、旅行時の荷物が軽くなるのも嬉しいところ。「暑い〜」と火照った顔で入るスーパーでは、ばっちり効いているエアコンのおかげで、欲しい食材だけでなく涼まで感じてお得な気がするし、何より日々の食事のなかで、どれだけ暑く、蝉の鳴き声から逃げたくなるような日でも、冷やりと光るコレさえあれば、「夏、最高!」とつい喜んでしまう、ありがたき存在が!
そう、それは…麺!!

「この暑さだからこそ!」と、畑の夏野菜と一緒に頂きます!

ナス炒めとそうめん

お素麺に、炒めた茄子と豚肉と麺つゆを合わせるアレンジは、永遠に食べ続けられそうな、大好きな食べ方。合わせるは、きゅうりの糠漬けと、枝豆のスープ。

ひやむぎにしらすとネギと卵

ひやむぎにしらすとネギと卵を乗せただけ、ローカロリー工程麺。

姜葱醬

「食べたいけど、暑すぎてアレンジ方法すら思いつかない」
そんな気だるい日には業務スーパーで見つけた姜葱醬が美味しい味方に。こちらの商品は陳列棚から姿を消すことがあるほど人気で、あらゆる調理に使える優秀アイテム!

お素麺との相性ももちろんぴったりで、黒酢、しろたまり(愛知県三河にある醸造所“日東醸造さんのしろたまり”。数年前、ご縁あって工場見学としろたまりのワークショップを開いていただきました)と混ぜて、自分好みの味にカスタマイズ。

空芯菜と卵炒め

合わせたのは、空芯菜と卵炒め。

ある日は、お素麺をカッペリーニのようにと思ったかどうだったか、トマトとツナの夏色素麺。大根ときゅうりの糠漬け、キャベツとピーマンのサラダ、自家製味噌のお味噌汁。

お素麺をカッペリーニのように

子供の頃「今日のお昼は素麺」と聞くと、妙にがっかりしていた記憶。
テンションが下がっている私を見て父は、「麺つゆにマヨネーズを入れると美味い!」と大好物のマヨネーズで私を釣り、母手作りの麺つゆに遠慮なくマヨネーズを入れちゃっていた(そしてまんまとたくさん食べた)けれど、今となれば、暑い日に家族分の麺を茹で、麺つゆを作るエネルギーって相当大変で、とてもありがたい事だったのだと大きく反省。

麺の、鰹出汁の、マヨネーズの美味しさそれぞれを、もっと丁寧に味わえば良かったなあ。ちなみに私の子供時代は、家の冷蔵庫には手作り麺つゆが麦茶と並んで入れてあり、間違って「うっかり麺つゆを飲んじゃった!」“あるある”があちこちから聞こえてきました。

うんと時が経ち、今や大好物となったお素麺達ですが、今年はこちらの麺も仲間に入れて、美味しく乗り切ろう計画。

もちもち全粒麺

長崎県南塩原にある「島原そだち本舗 伊崎洋明商店」さんの“もちもち全粒麺”。
販売しているお店の方と「美味しいですよね〜」なんて語り合うほど、食べるごとにしみじみ唸らされる最高の逸品は、熟成にしっかり時間をかけ、丁寧に時間をかけて延ばしていく製法だそう。

袋に書かれた指示に沿って麺を茹でて火を止め、1~2分蒸してから(きっとこれが更なるおいしさポイント)お湯切り。麺はプリプリでムチムチで、ごま油とお醤油だけをまわしかけただけで、しっかり十分な美味しさ到着。
食べれば食べるほど、胃から「もっともっと!」そんな声が聞こえるようでした。

菜花と鰹節トッピング

(この日は菜花と鰹節トッピング)

ジメジメとした空模様の日々、そして灼熱の太陽が間もなく全力で向かって来る気配もすぐそこに。

それでもお家で楽しむ美味しい麺を味方に、受け入れ、味わって過ごせたら、かいた汗も虫刺されによる痒みも「まあ、夏だし仕方ないか!」なんて思えるような。

うっかり間違って、「夏バテしちゃって食欲が出ない…」みたいなことになりませんよう!!
どなたもしっかり食べて、きっちり休んで、楽しい夏をお過ごしくださいませ!!

【関連リンク】
業務スーパー:https://www.gyomusuper.jp
日東醸造(足助仕込三河しろたまり):https://nitto-j.com/shopping/shopping-1218/
島原そだち本舗 伊崎洋明商店:https://www.instagram.com/izaki_men/

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