初夏にぴったり!ポルトガルの爽やかな微発泡ワイン「ヴィーニョヴェルデ」とは?おすすめをソムリエが紹介

初夏にぴったり!ポルトガルの爽やかな微発泡ワイン「ヴィーニョヴェルデ」とは?おすすめをソムリエが紹介

ポルトガルで造られる、爽やかな飲み口が特徴の「ヴィーニョヴェルデ(Vinho Verde)」を知っていますか?
一般的にアルコール度数も低く、さまざまな料理に合わせやすいので、普段ワインに親しみがない方にもおすすめのワインです。

今回は、梅雨の時期や夏の暑い時期にもさらりと楽しめるヴィーニョヴェルデについて、ソムリエが解説。ヴィーニョヴェルデの基礎知識から、おすすめのペアリング料理、おすすめのヴィーニョヴェルデを3本厳選してご紹介します。

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ヴィーニョヴェルデとは

ヴィーニョヴェルデとは
(画像出典)shutterstock


ポルトガル語で「ヴィーニョ(Vinho)=ワイン」 「ヴェルデ(Verde)=緑」という通り、ヴィーニョヴェルデは直訳で「緑のワイン」という意味を持ちます。ただ、ロゼワインやオレンジワインのようにワインの色味から名付けられたわけではなく、この「緑」は「完熟前のぶどうを使う=若い」というニュアンスで使われています。

完熟する前に収穫されたフレッシュなぶどう(熟して糖度が上がりきる前のぶどう)を使うため、アルコール度数はやや低めに仕上がります。
また、発酵途中で発生する気泡が瓶内に残りやすいため、わずかにプチプチした発泡感を感じることができます。
ヴィーニョヴェルデは、白、ロゼ、赤と3種類ありますが、最も代表的なのは白ワインです。特徴はずばり「微発泡でフレッシュ」。

ヴィーニョヴェルデに使われる代表的なぶどうの品種はアルバリーニョやロウレイロ。その他、トラジャドゥーラ、パデイロ、エスパデイロなど、45種類の品種が使われています。そのほとんどはポルトガルならではの土着品種で、数種類ブレンドしてワインを造ることが多いです。

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ヴィーニョヴェルデが人気の理由

ヴィーニョヴェルデが人気の理由
(画像出典)shutterstock

もともとヴィーニョヴェルデは、現地のポルトガルではビールの代用品のように飲まれているカジュアルな飲み物です。

筆者もポルトガルに行った時は毎日のように飲んでいましたが、きちんとしたワイングラスに入れておしゃれに楽しむというよりは、家にあるようなコップに氷を入れて飲むスタイルを多く見かけました。日常生活に溶け込むようなまさに「水のように飲む」ワインでした。かしこまって姿勢を正して飲むようなスタイルではないのも、人気になった理由の一つといえます。

ヴィーニョヴェルデは通常のワインよりもアルコール度数が低めで微発泡なので、口当たりが軽やかなのが特徴です。爽やかな味わいで暑い季節にも飲みやすく、さまざまなシーンで楽しめます。また、ヴィーニョヴェルデは現地で消費されることが多く、熟成させずに早飲みするため、比較的リーズナブルな価格で手に入れられることも魅力です。

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ヴィーニョヴェルデに合う料理

ヴィーニョヴェルデに合う料理
(画像出典)shutterstock

フレッシュな飲み口と爽やかな微発泡が特徴のヴィーニョヴェルデは、さまざまな料理とのペアリングが楽しめます。ポイントは「魚介類、和食、エスニック」です。以下でヴィーニョヴェルデに合わせたい具体的な料理を紹介します。

ヴィーニョヴェルデ×魚介類

ヴィーニョヴェルデが造られるミーニョ地方は、ポルトガルの北西部。漁業が盛んな海岸沿いに多くの栽培地があります。現地ではタコやイカを使った前菜や海老の塩焼き、白身魚のカルパッチョなどとよく楽しまれています。
また、海老や貝を使ったセビーチェ(魚介類のマリネ)や、レモンやライムを搾った柑橘類をアクセントにした料理との相性は抜群です。フィッシュアンドチップスなどの揚げ物にもおすすめです。

ヴィーニョヴェルデ×和食

ヴィーニョヴェルデはクセがなくさっぱりとした飲み口なので、和食との相性も良いです。塩でいただく寿司やかっぱ巻き、天ぷら、焼き鳥にもよく合います。また、ヴィーニョヴェルデの中にはわずかに塩味のニュアンスが感じられるワインもあり、白身魚の塩焼きや鶏肉を使った塩レモン鍋などとのペアリングも良いでしょう。

ヴィーニョヴェルデ×エスニック料理

ヴィーニョヴェルデのロゼやほのかな甘味ときれいな酸があるタイプの白は、タイ料理やベトナム料理といったアジア系の料理との相性も良いです。海老の生春巻き、フランスパンで挟んだバインミー、レモンをかけていただくカオマンガイともよく合います。

【ソムリエ厳選】おすすめのヴィーニョヴェルデ3選

ヴィーニョヴェルデはどうしても「微発泡、白、辛口、軽め」といったイメージがあり、画一的な味わいだと思われがちです。でも実はヴィーニョヴェルデといえど種類もさまざま。

そこで今回は

  • ピクニックランチに最適な、爽やかな味わいのヴィーニョヴェルデ
  • デイリーに楽しめる、晩酌に最適なヴィーニョヴェルデ・ロゼ
  • イメージが変わる、長期熟成型のリッチな味わいのヴィーニョヴェルデ

とそれぞれ全く違った個性のあるヴィーニョヴェルデをソムリエが厳選して紹介します。

昼飲みにはこれ!飲みきりサイズが嬉しい爽やかなヴィーニョヴェルデ

昼飲みにはこれ!飲みきりサイズが嬉しい爽やかなヴィーニョヴェルデ

可愛らしい猫のエチケットが印象的。レモンや青リンゴのような爽やかなニュアンスがあり、フレッシュな酸が食欲をそそります。1缶250mlの飲みきりサイズなので、ずばり晴れた日にテラスや景色の良い公園で飲みたい1本です。

筆者はよくピクニックに持参するのですが、コッペパンにツナきゅうりを挟んだり、エビとブロッコリーのマリネを合わせたりします。ポイントは「魚介+緑の野菜」を組み合わせること!グラスに氷を入れたり、レモンやライムを差して即席サングリア風にしたりして楽しむのもおすすめです。

 商品名:GATAO CAN NV
 品種:アザール、ペデルナン、トラジャドゥーラ、アヴェッソ、ロウレイロ
 産地:ポルトガル ミーニョ地方
 アルコール度数:9%
 内容量:250ml (※750mlのフルボトルもあり)

チャーミングな色味が◎!ヴィーニョヴェルデの万能ロゼ

チャーミングな色味が◎!ヴィーニョヴェルデの万能ロゼ

筆者が毎年夏になるとまとめ買いをするヴィーニョヴェルデのロゼワイン。心地よい微発泡で辛口の仕上がりですが、ベリー系のアロマとほのかに残る甘酸っぱいニュアンスのバランスがとれた1本です。

サーモンのカナッペ、生ハムなどの定番おつまみのほか、ローストチキン、豚肉の冷しゃぶといったお肉料理との相性は抜群。そのほか、餃子や唐揚げといったオイリーな料理にも合わせやすく、デイリーに楽しめる万能ロゼワインです。
スーパーでの取扱いもあり、良心的な価格も嬉しいポイント。

 商品名:アンジョス・デ・ポルトガル・ヴィーニョヴェルデ・ロゼ
 品種:エスパデイロ60%、トゥーリガ・ナシオナル40%
 産地:ポルトガル ミーニョ地方
 アルコール度数:10.5%
 内容量:750ml

早飲みだけじゃない!長期熟成型のアロマティックなヴィーニョヴェルデ

早飲みだけじゃない!長期熟成型のアロマティックなヴィーニョヴェルデ

「ヴィーニョヴェルデ=早飲み」という定説をくつがえすようなアロマティックかつふくよかな味わいを持つヴィーニョヴェルデです。透き通ったゴールドイエローの色調で、アルコール度数は13.5%。ヴィーニョヴェルデらしいフレッシュさや発泡感はなく、むしろ高級感のあるリッチな飲み口に驚きます。

こちらは冷蔵庫で冷やした後、15~30分ほど置いて少し温度が上がったくらい(10〜12度前後)でいただくのがおすすめ。サーモンのムニエルや、パエリア、バターを使った白身魚のソテーなどと相性が良いです。

「微発泡でフレッシュなヴィーニョヴェルデ」から一歩踏み出した、より玄人向けな1本です。近年はこういった微発泡でないリッチな味わいのヴィーニョヴェルデも出ているので、ぜひ一度試してみてください。

 商品名:モノロゴ・マルヴァジア
 品種:マルヴァジア・フィナ
 産地:ポルトガル ミーニョ地方
 アルコール度数:13.5%
 内容量:750ml
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初夏にぴったりのヴィーニョヴェルデを楽しもう!

初夏にぴったりのヴィーニョヴェルデを楽しもう!
(画像出典)shutterstock

フレッシュで爽やかな風味が特徴のヴィーニョヴェルデは、これからの暑い季節にぴったり。じめじめした暑い日本の夏も目前。ヴィーニョヴェルデで爽やかに乗り切りましょう。肩肘張らずにカジュアルに楽しめるヴィーニョヴェルデをぜひ試してみてください。
(できればよく晴れた日に、屋外で楽しんでみて!)

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