茹でて楽しむ秋の“だっきしょ”、生落花生は旬の味 #加藤紀子のおいしい畑

鹿児島で出会った“だっきしょ”、しっとり潤う茹で落花生 #加藤紀子のおいしい畑

この連載、好きなもののことを書いていたら、7月には枝豆を、9月には豆腐をと、無意識に“豆”について、熱く綴っていました。
そして今回「あ、このおいしい話を!」と、キラリ思いついたのが、奇跡というか偶然というかやっぱりというか…。
今回は“落花生”のお話、書かせてください!

とは言っても落花生、数年前まで特別に興味のある食べ物ではありませんでした。“落花生”と“ピーナッツ”の違いにすら、意識を置いたこともありませんでした(殻に入った状態を“落花生”、殻の中の実を“ピーナッツ”と呼ぶことを知ったのもずっと後のこと)。

そんな落花生になぜ興味を抱き、見かけると「!!」と嬉しくなるようになったかというと、夫の故郷、鹿児島から東京へ帰る飛行機に乗る前に立ち寄った、空港内のレストラン“大空食堂”で、食事をしようとした時、夫がメニューを見ながら「お!だっきしょ!!」と、聞き慣れない単語を発したことがきっかけ。

「…だっきしょ…?」、どこにもそんな単語は載っていないし、何を言っているんだろう…?謎に思って尋ねると、鹿児島では落花生、ピーナッツのことを“だっきしょ”と呼ぶらしく、改めてメニューに目をやると、おつまみのコーナーのページに「塩ゆで落花生 380円」との表示。
日本各地、その土地に根付いた呼び方を知れるのは楽しいし、夫の思い出味ともなっている物を知れるのは嬉しいので、頼んでみることに。

しばらくすると“だっきしょ”、到着。

落花生
奇跡的に撮っていた、2014年鹿児島空港“大空食堂”での写真

シットリ潤いある触り心地の茹で落花生、これをどんな風に食べれば良いのか、“だっきしょ先輩”の夫を観察してみると、殻を指で割って豆を取り出すというより、「歯で軽く殻を割る→一旦手に戻し、避けた部分から割って中を開き、殻の茹で汁がこぼれないようピーナッツと共にサッと口へ。そのあと焼酎を一口飲めば、ああ至福!」な様子。
空港レストランにおける、ゆるぎなきおつまみページに鎮座するこのメニュー、私も見よう見まねで早速、カッと割って、サッと開いて、チュッて入れて、グラスにある焼酎をゴクッと飲むと、なるほど納得!
かすかに感じる塩味と程よい豆のホクホク感は、おつまみとして絶妙な寄り添い方をすることが判明!
「もう一個食べていい?もう一個!」
軽く食事を取るために立ち寄った鹿児島の空港で、新たな好物が生まれた瞬間となりました。

「落花生ってどう育てて、いつ収穫するんだろう?」
枝豆、そら豆、うりずん豆、インゲンを育て収穫した経験はあるものの、落花生に関しては全くの無知識。食べるだけではなく、育ててみるのも面白いかなあ…なんてことを考えていた去年9月、長野県伊那市の産直でついに生の落花生発見!
「この時期に出回るのかー!」、ようやくの出会いが嬉しく、迷わず手を伸ばすと、パンパンに詰められた落花生の袋に薄い水滴が。
それは調べて納得、枝豆やソラマメ、インゲンなどは地上で成長していくタイプなのに対し、落花生はサツマイモや芋のように地中で実を膨らませ、育っていくタイプ。
熱い土から収穫したばかりだからこそ感じられる、落花生の汗!

これまで乾燥した姿しか知らなかったけど、想像以上にふくよかで立派な姿なことに感動。

生落花生

見つめるだけ見つめ、目が納得したら、次は胃へと。グラグラ揺れるお湯の中に一つかみの塩、茹でて程良く冷ましてから食べてみると…
「だっきしょ、最高!!」
初めて空港で食べた、冷えだっきしょも美味しかったけれど、茹でたてホヤホヤのだっきしょはまた格段に美味しく、「もう一個、もう一個!」、あの日同様、食べる手が止まらなくなりました。

そして今年、すっかり茹で落花生の魅力にハマった我が家、どちらかが見つけると迷いなく購入するようになり、私は仕事で出かけた先で!

袋入りの生落花生

夫は親切な八百屋さんが、入荷したら電話を下さるシステムで!

八百屋さんの落花生

旬が短いからこそ、一瞬の出会いを無駄にせず。

だっきしょをしょちゅんしょうけいすっ

『だっきしょをしょちゅんしょうけいすっ』(“落花生を焼酎のつまみにする”の意味の鹿児島弁とのこと、鹿児島弁ネット辞典より)、こんな言葉もあるぐらいだし、お気に入りの芋焼酎“だいやめ”のお湯割とだっきしょで晩酌…最高だなあ♡

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