新潟県 鮭の焼き漬け #日本おつまみ漫遊記 vol.21

新潟県 鮭の焼き漬け #日本おつまみ漫遊記 vol.21

ちょうど新米の収穫まっ盛りの時期に、日本一の米どころである新潟県を訪ねました。国道を車で走れば、左も右も黄金色。稲穂が揺れる波の中を、ゆっくりと進むコンバイン。空にはたくさんのトンボが飛び、その上を時折トンビが雄大に旋回するさまが見えて。ああ……仕事じゃなかったら車を止めて、田んぼを前に思いっきり深呼吸したかった! 

新潟は米の作付面積、収穫量ともに日本一。お米は各地で育てられていますが、新潟産といえば人気もひときわですね。みなさんは新米、もう召し上がりましたか?

さてこの連載はごはんではなく、おつまみの話。
写真は新潟県の長岡駅です。長岡市といえば、人口規模でいくと新潟市についで県内第2の都市。用あって長岡をウロウロしていたのですが、私が旅して必ずやることといえば、スーパーマーケットのチェック。

地元ならではのもの、他地域では見られないものを発見すると、「ああ……私は今〇〇にいるんだなあ」と実感するわけです。

新潟で感じ入ったのが、こちら。「鮭の焼漬け」とありますね。
新潟の郷土料理のひとつで、私も大好物なんですよ。

鮭の焼き漬けは、もともと県中南部の長岡市ではなくて、県北部・村上市の名物料理。村上は昔から鮭漁で名高く、市のシンボル的な存在にもなっているところです。

焼き漬けという名前のとおり、鮭を焼いて、醤油、酒、みりんを1:1:1の割合で合わせ、煮切っておいた汁に漬けるというごくごくシンプルな料理。
※漬け汁の割合は作る人によっても様々です

これがね、うまいんだわ……。私は生鮭の切り身が安いとき、しょっちゅうこの焼き漬けを作っています。

今回長岡のスーパーを歩いてパウチ入りの焼き漬けを発見したとき、「おおー、村上からずいぶん離れているけれど、売られているもんだなあ」と感じ入りました。焼き漬けのおいしさを知ると、人気の広さも納得なんですけどね。

2~3日ほど、じっくり漬けたのがうまいんです。上の写真はまさに3日漬けのもの。燗酒とやるとね、たまらんのですよ……。

そうそうこれ、冷たいまま食べるもの。冷たい鮭と燗酒、ふたつが重なり合うとうま味がまあ膨らむ膨らむ。あるいは熱々のごはんでおかずにしたときの多幸感たるや! 

ああ、体験してみてほしいなあ。

私は鮭を少量の油で皮目からじっくりフライパンで中火で焼いて、ほどよくパリッとしたら返して2分ぐらい。本当は先に漬け汁を仕込んでおくのですが、面倒なので(汗)フライパンに酒、みりん、醤油を入れて一緒に沸かしてしまいます(これじゃ焼き煮なんだよな、と思いつつも……)。

その後に保存容器に移して、冷蔵庫でじっくり漬ければOK。3日も漬けるのは面倒という方は最短で3時間ぐらいでも構いません。ジッパー付き保存袋などを使うと、漬け汁も少量で済みますよ。

さて、きょうのお酒は何にしようかな?
せっかくだからひとつ、新潟のお酒をご紹介。

新潟は米どころでも酒どころでもあり。
いいお酒、好きなお酒がいーっぱいあります!ひとつを挙げるのも難しいけれど、県の一番西側・糸魚川(いといがわ)市にある池田屋酒造さんの『謙信』は、飲み屋さんにあると必ず頼んでしまうもののひとつ。

上杉謙信が川中島の合戦の折、敵である武田信玄に塩を送った、なんてエピソードがありますよね。あの塩が運ばれたとされる「塩の道」千国街道沿いに蔵があることから名づけられたと聞きます。

『謙信』、味わいがやさしくて飲み口がきれいで、簡単にいうと飲みやすいんだ。それでいて米のうま味とまろやかさがしっかりあって、華やかで……。
好みド真ん中の一本! もし見かけたら、ぜひお試しください。そしてその日のアテはぜひ、鮭の焼き漬けで。

それではまた来月、お目にかかりましょう。どんどん年末が近づきますねえ、早く忘年会を気持ちよく楽しめる世の中になりますように。

【当記事につきまして】
ライター白央篤司さんが企画し、記事を作成しました。

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