山形で続くご縁で、7年目のお味噌作り #加藤紀子のおいしい畑

山形で続くご縁で、7年目のお味噌作り #加藤紀子のおいしい畑

この方との出会いがなかったら、作ってなかっただろうな…と思うのが、味噌。
子供の頃からお味噌汁は大好きなのに、いざ作るとなると具材を何にするかばかりに意識がいき、三重県で幼い頃から慣れ親しんできた赤味噌か、夫の故郷の味である麦味噌か、特に深く考えることなく、お味噌汁を作り、お椀によそってきていました。

そんな8年前の私に、山形県内を巡るというレギュラー番組をいただく機会が訪れました。
これまで触れることのなかった山形の様々な文化は、見るもの全てにときめきがいっぱいで、ロケに行くのが毎回待ち遠しくなるほどでした。

夏のある日、長井市にある農家レストランの“なごみ庵”さんに取材へ伺いました。

農家レストランという響きだけでも、畑で野菜を育て始めていた私には興味深く、どんなものを育ててらっしゃるのかと、ワクワクしてお邪魔すると、店主の菅野さんは「昔ながらの農家の暮らしを楽しんでもらいたい」という想いから、ご自身が育てたお野菜や手作りこんにゃく、お豆腐などを使ったお料理でゲストをおもてなしするこの空間を、なんと60歳の時にオープンさせたとのこと!

実際、頂いたお料理はどれも手が込んでいて美味しく、建物全体の佇まいもまた居心地がよく、「丁寧に人や食事や人生と向き合う、なんて素敵な方なんだ!」と深く感動し、そんな菅野さんに再びお会い出来るチャンスはないものか…と思っていると、
「冬にはよ、味噌作り体験っていうのもやっていて、カトさん良かったら」
とおっしゃる!
「そ、そ、それだー!!!」
番組スタッフとオリジナル味噌作りをさせて頂くことを約束し、雪が降りしきる2月、待ちに待ったその時を迎えました。

「昨日のうちから大豆を水に浸けて、朝から炊いておいたから」
つやつやでふっくらと炊き上げられた大豆を一粒も残さぬようすくい上げ、冷まし、ほぐしておいた米麹と塩を混ぜて、混ぜて、混ぜて…。
イメージの中では機械がコネコネと混ぜてくれるのかも…なんて思っていたので、鼻歌を歌う余裕すらない、ガチ仕事にびっくり!

時々「??」となる、菅野さんの山形弁に戸惑い爆笑しながらも、初めての味噌作り体験は進み、最後に味噌間の空気をしっかりと抜き、重しとなる塩を乗せて作業は終了!

実際やってみると、なんだって手軽に買える時代の中で、こうしていちいち作る、わざわざ手作りすることで、頭と心が納得し、しみじみ味わう喜びに繋がるのかもと思えた、貴重でありがたい、学びの時間。

(囲炉裏端でお茶をすすり、足を温めるというのも、初めての経験でした)

ここから毎年、冬になると、前年作ったお味噌との再会を果たしつつ、翌年分を仕込みに行くという、山形でのお味噌作りが続いています。
菅野さんのおかげで、毎日食べても食べ飽きない、お出汁いらずのお味噌汁として、今日も存分にお腹を満たしてくれました(最初に野菜を蒸してからお湯を注ぎ、そこへお味噌を溶くと、野菜の旨味とお味噌のコクで十分満足出来る味に)!

(写真左が2019年、右が2020年作の味噌。熟成発酵して色も味も育っていく姿もまた、手前味噌ながら愛おしくて美味しいのです!)

少しはスムーズに作業出来るようになった7年目の2021年仕込みはどんな味になるのかを楽しみに、三重、鹿児島、そして自家製味噌ライフ、これからも堪能しようと思います!

菅野さん、最強のスタッフ高橋さん、ありがとうございました!
(さらにはこれまで最初からお味噌作りを一緒に続けてきた仲間に誕生したベビーの応援でなお、美味しいお味噌になりそうな予感!!)

なごみ庵:https://www.nagomian.net/

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