高知県 葉ニンニクのぬた #日本おつまみ漫遊記 vol.14

高知県 葉ニンニクのぬた #日本おつまみ漫遊記 vol.14

長引くコロナ禍、「漫遊」なんて言葉も使いづらい世が続いております。私の出張仕事も、当然のごとく各地でひとり黙食の日々。先日は高知県を訪ねてきました。

最初の写真は高知駅前で撮ったもの。坂本龍馬、中岡慎太郎、武市半平太の三志士像が朝日に輝いて「これぞ土佐!」って感じでしたねえ。
ちなみに高知は台風上陸の多い土地、この三像も強風で破損の恐れなどがあるときは一時的に撤去されるんです。そう、リムーバブル龍馬。以前ちょうど台風襲来のタイミングで訪ねて、前夜に見たはずの三像が翌朝には撤去されてて「あれっ、ない⁉」と驚きました。

それはともかく、今回ご紹介したいのがこちらの野菜。一見ネギのようですが、実はニンニクなんです。高知では「葉ニンニク」とよばれるもの。下のちょっと膨らんでいる部分が成長してニンニクになりますが、青い部分の葉も高知では食されています。その食べ方が面白い。

ブリぬた

刺身に添えられているペースト状のもの、分かります?葉ニンニクを細かく刻んでからすって、白味噌、砂糖、酢でのばしたもの。酢味噌和え、いわゆる「ぬた」ですね。葉ニンニク入りのぬたは高知の郷土料理のひとつ、ずーっと食べてみたかったんですよ。今回念願かなって初体験。高知県四万十町の『美馬旅館』さんでいただきました。

いやはや、好みの味わいでした。面白いなあ……ニンニクらしい野趣と香りが甘い白味噌とあわさって、実にユニークな風味に。まろやかなんだけど、ほんのり刺激的で。ブリのお刺身と合わせることが多いよう。

うん、確かに脂ののったブリとの相性、すばらしい。ブリと白味噌、こってり&甘みのある食材同士でくどくなりそうなのに、全然ならないもんだな。葉ニンニクのちょっとワイルドな感じが、いいバランスを作るんですねえ。

葉ニンニクを手に入れることができたので、自分でもぬた作りに挑戦してみました。わ、すりつぶすの結構大変だぞ!力がいるもんだな……ひと束分すったら、もうヘトヘト。それでもなめらかにならないので、白味噌を入れてブレンダーを使いましたよ。

ひと束に対して私は白味噌大さじ3、みりん大さじ3、お酢大さじ1ぐらいを入れてみました。

いいブリがなかったので、イカを代用にしてみたら、なかなかいい相性。ねっとりしたイカの食感が葉ニンニクの風味と口の中でからみ合って、うまいぞッ。大好きな高知の日本酒『文佳人』を開けますかね。

ちなみに高知だと「どろめ」と呼ばれる、生のしらすと一緒にぬたにすることも多いのだそう。ああ、これも食べてみたいんだ。今回は残念ながらチャンスに恵まれず。

葉ニンニク、刻んでるそばから香り立つんですよ。ニラよりも匂いは強く、それでいて野菜の甘みもしっかりあって。もっと全国で買えるといいのになあ。炒めものや鍋にも使ってみたい。中国だと麻婆豆腐にも入れますね。

ちなみに葉ニンニクは寒い時期のもの。春からは育ったニンニクをスライスにして、初ガツオと一緒にいただくわけです。ああ、高知の旬はめぐる。酒好きが多いところでね、大好きなんだな高知。他にもいろいろ面白いものあるのですが、今回はここまで。

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