疲れたとき、くたびれたとき。
「ちょっと甘いものがほしいなあ……」と思うこと、ありませんか。私は40歳をこえて、そう感じることが増えました。仕事が続いて、気が休まらないときに甘いものをつまむとフワーッとしばし気持ちが解放されるというか。大げさなようですけど、なんか「救われる感じ」があるんです。
ただ量がむずかしくて。たとえばケーキ1個だと多すぎる。大福や、ハーゲンダッツのミニカップ1つでもやや重い。いや、しっかりと休憩したいときはいいんです。仕事は止めたくないけど、ちょっと甘いものをつまみたいってときの話で。
そんなときに活躍してくれて、ほどよい「憩い」を与えてくれる甘味。きょうは、私が気に入っているもの2つをご紹介させてください。

さあ、手前の箱から開けましょうか。

愛知県・名古屋の菓子店『両口屋是清』(りょうぐちやこれきよ)さんの、「二人静」(ににんしずか)というお菓子。有名なお店なので、ご存じの方も多いかもですね。

紅白で対になった干菓子(ひがし)です。
和三盆(わさんぼん)という昔ながらの、手づくりの砂糖をかためたもので、ひとつが薬指の先ぐらいの大きさ。
口どけがね、素晴らしいんだ。ぜひ体験してみてほしいです。このきれいな、きれいな口どけを。ス―――――――ッと流れ星が空の向こうに消えるような、あるいは花一輪が川に流れて見えなくなっていったかのような。
良い砂糖って、こんなにもくどさ、べとつきのないものなんですね。原稿がうまくいかないとき、「二人静」に手を伸ばして口に入れると、いらつきや迷いが甘みと一緒にス―――――――ッと消えて無くなっていく。それがね、気持ちよくて。長いことお世話になっています。常備菜ならぬ、私の常備糖。
■公式オンラインショップ
https://www.ryoguchiya-korekiyo.co.jp/products/nininsizuka/
1箱(二人静20個) 928円(税込)

さてもうひとつ、埼玉県・浦和市の『菓匠 花見』の「白鷺宝」(はくろほう)というお菓子。こちらはひとつが親指大ぐらいはありますかね。

白あんをミルクコーティングしたものなんですが、甘さがなんとも穏やかで、はかなげで。あんがもったりせず、こちらもまた口中での消えていきかたがきれいなんですよ。
ひと粒で満足感はあれど、重さや強さとは無縁で、軽やかで。だるさが体から消えないとき、いろいろ億劫なとき、私は「白鷺宝」が恋しくなります。
■公式オンラインショップ
https://www.kasho-hanami.co.jp/order/
詰合せ1箱(白鷺宝6個、他6個) 1,545円(税込)
「二人静」と「白鷺宝」、どちらも口どけがよく、歯に詰まったり、口の中の水分を持っていきすぎたりせず、食べやすいのも特徴。お皿やフォークなども要らないので、洗いものが出ないのもうれしい。私は手みやげにもよく利用しています。
【当記事につきまして】
ライター白央篤司さんがおすすめ商品を選定し、掲載許可を得て記事を作成しました。