チーズプロフェッショナル推薦!秋に食べたい特別なチーズ5選

チーズプロフェッショナル推薦!秋に食べたい特別なチーズ5選

本当に暑く厳しかった今年の夏が終わり、過ごしやすい秋の到来。そろそろ濃厚なチーズが食べたくなってきませんか?
去年の冬から始まったおすすめチーズを紹介するこのシリーズ、最後は秋のチーズです。秋から冬にかけてはまさにチーズの季節。王道中の王道、偉大なチーズが揃いました。

今回のチーズたち、1年中楽しめるものばかりですが、年始から春先の羊の出産時期~春夏の牛の放牧時期~熟成を経てちょうど秋以降に食べごろを迎えます。栗やカボチャのようなホクホクとした風味や濃厚な味わいのチーズも秋冬の定番と言えるでしょう。

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ロックフォール

ロックフォール
(画像提供)フェルミエ

ロックフォールは、羊乳から作られるフランスのブルーチーズ。イギリスのスティルトン、イタリアのゴルゴンゾーラと並ぶ世界三大ブルーチーズのひとつです。

産地と歴史

ロックフォール村
ロックフォール・シュール・スールゾン村
(画像出典)shutterstock

フランス南部、ロックフォール・シュール・スールゾン村のコンバルー山の洞窟の中でチーズを熟成させます。洞窟は一年中チーズ熟成に最適な温度と湿度が保たれ、フルリーヌと呼ばれる自然の風が通り抜ける天然のカーヴ(熟成庫)。ロックフォールを作る7つのメーカーが区画を設けて使っています。

その歴史は2,000年以上、フランス最古のチーズのひとつと言われています。
昔々、羊飼いがパンとチーズを洞窟に置き忘れたまま通りかかった美女を追いかけ、後日戻るとチーズに青いかびが生えていて、食べると美味しかった――これがロックフォールの起源だとする伝説があります。伝説のようにロックフォールの製造に使う青かびは今もライ麦のパンを使って採取しています。

風味

羊のミルク特有のコクと甘味、ピリリとした青かびの塩味、旨味もあり余韻が長い。初めてなら「臭っ!」と思わずのけぞる人もいるかもしれませんがそれで食わず嫌いはもったいない。その美味しさを知るともう逃れられません(笑)。

昔ロックフォールに近い地域に滞在した時、マダムがこのチーズを出してくれました。チーズに馴染みがないであろう日本人(筆者)にそれは自慢げに(笑)。強烈なにおいと味わいに驚きつつも美味しくて感動した瞬間でした。土地のテロワール(風土…気候、土、餌、微生物等)をしっかり閉じ込めたこんなにも美味しいチーズ、自慢するのも無理はありません。

美味しい食べ方

味に強さを感じる場合は蜂蜜を少し添えてみて。レーズンのパンや焼き芋と相性◎、サラダのトッピングやパスタソース、肉料理のソースにもキリっとした味わいがポイントになります。

エポワス

エポワス(牛乳/フランス)
(画像提供)フェルミエ

エポワスは、牛乳から作られるフランスのウォッシュチーズ。ウォッシュチーズは、形成したチーズの表皮を真水や塩やお酒を含んだ水でこすりながら何度も洗い熟成させて作ります。

産地と歴史

ブルゴーニュ地方
ブルゴーニュ地方のワイン畑
(画像出典)shutterstock

エポワスはブルゴーニュ地方の村の名前。エポワスはこの土地の地酒「マール・ド・ブルゴーニュ」で表皮を洗っています。ナポレオンも好んだと言われる、ウォッシュチーズの王様です。

風味

リネンス菌(納豆菌の仲間)で覆われた表皮は強い刺激臭が特徴。ブルーチーズ同様に世界を代表する臭い食べ物のように言われるこのチーズ、“足のにおい”と表現されることもあり、筆者も初めて食べた時「これ大丈夫?」と失礼なことを言ったことがありました。

しかし一口食べるとトロリとした食感とミルクのコク、個性的な味わい、その魅力にすぐに取りつかれました。今では悪臭どころか美味しさを増幅させる魅力的な香りだと感じますが、どうしてもキツいと感じるなら表皮を取り除いて中身だけ食べてみましょう。

美味しい食べ方

そのままが一番ですが、ライ麦のパンやパンデピス(スパイス入りのパン)と一緒に、また魚料理のソースにも合います。

オッソーイラティ

オッソーイラティ
(画像提供)フェルミエ

オッソーイラティは、羊乳から作られるフランスのチーズです。

産地と歴史

オッソーの谷の羊
オッソーの谷の羊
(画像出典)shutterstock

スペインとの国境近く、フランス南西部ベアルン地方の「オッソーの谷」、バスク地方の「イラティの森」から名づけられました。酪農や農業がさかんな温暖な地で、中世から作られているチーズです。大きさが2種類あり、いずれも直径18~25cm、2~5kgの中型です。名産の唐辛子パウダーを表皮につけながら熟成させるため、外観はオレンジに近い茶色。

風味

大自然の中でたくましく育った羊のミルクのチーズはコク深く、上品な甘味とわずかな酸味、ナッティな香ばしさがあります。噛めば噛むほど味わい深く旨味もあり、珍味のようなチーズです。羊乳チーズ=癖がある、と思ってる方に是非おススメします。とっても食べやすくて美味しいチーズです。

美味しい食べ方

そのまま薄くスライスするのが一番ですが、現地ではサンドイッチに使ったり、名産のブラックチェリーのジャムを添えていただくのが定番。羊乳は牛乳より脂肪分が高く、スライスしたチーズをしばらく置いておくとすぐに表面に汗をかいてしまいます。食べる時はあまり長い時間置かないように注意してくださいね。

ボルドーやカオール等しっかりめの赤ワイン、ルビーポート、日本酒など相性の良い飲み物が多く、包容力のあるチーズです。

ボーフォール

ボーフォール
(画像提供)フェルミエ

ボーフォールは、牛乳から作られるフランスのチーズです。

産地と歴史

高山植物を食むタリーヌ種の牛
高山植物を食むサヴォワ地方の牛

スイス国境に近いサヴォワの山岳地帯で作られています。平均40kgの大型で側面の湾曲したカーブがかっこいい、チーズ界のプリンス!チーズが作られている谷の名前が由来です。ボーフォールという名称は1865年になって現れますが、中世の頃から食べていた形跡があります。

側面を窪ませた特徴的な形は昔、馬に乗せて運びやすいようにしたからだと言われています。チーズの品質を保つために、牛の搾乳量を厳しく制限しています。

風味

一年中楽しめるチーズですが、夏作りの「エテ(été=夏)」は特に美味しく、夏の標高1500m以上の山小屋(シャレー)で造る「シャレーダルパージュ」は更にグレードの高いものとされ、数量限定で秋以降に市場に出てきます。

青い牧草と香り豊かな高山植物を食べた牛のミルクから作られるため、爽やかな花やハーブの香り、蜂蜜のようなミルクのコクが楽しめます。「芳醇なチーズ」という言葉がぴったりの力強い味わいです。

美味しい食べ方

高品質なこのチーズ、是非そのまま薄くスライスして切りたての香りを楽しみながら食べてみてください。現地では同郷のエメンタールと混ぜて贅沢にチーズフォンデュにも使います。
ワインはもちろん、日本酒とのマリアージュもおすすめです。

テット・ド・モアンヌ

テット・ド・モアンヌ
(画像出典)shutterstock

牛乳から作られる、スイスのチーズです。

産地と歴史

12世紀に、ベルレイ修道院の修道士によって作られていたという記録が残っています。その後近隣の住民にチーズ作りが引き継がれました。
フランス語でテット=頭、モアンヌ=修道士で「修道士の頭」という意味です。このユニークな名で呼ばれるようになったのは修道士の髪型がチーズの断面に似てるから、あるいは昔ナイフで削って食べていたのでその行為が修道士の剃髪に似ているからという説と、修道院の土地を借りている農民が修道士の頭数だけチーズを税金として納めていたからという説があります。

テットドモアンヌ外装
(画像提供)フロマージュリーFIL

パッケージに描かれた修道士の頭部を確認。ジロールをぐるぐる回していると真ん中はすっきりと、外皮の削りカスが外周に溜まってきて……似てなくもない。

風味

小型の円柱形のチーズで、専用の削り器で花びらのように薄く削って食べる、楽しくおしゃれなチーズ。この花びらのような形がジロール茸に似ていることからこの道具は「ジロール」と言います。最近は「フローラルカッター」とも呼ばれています。80年代に生まれたこの道具がこのチーズを一層有名にしました。
濃厚でホクホクとした甘味があり、どっしりとした味わいは薄くふわっと削るのが香りも広がってちょうどいい。

美味しい食べ方

パーティー用のチーズの盛り合わせを作る時はこの花びらをちょっと添えてみたり、たくさんの花びらでお花を作ったり、花びらの縁に色付きのパウダー(パプリカパウダー等)を付けてみたり……一気に華やかになります。ご家庭でジロールなしで楽しむ場合はスライサーやピーラーで薄くカットして食べてくださいね。

まとめ

好きなチーズは何ですか?
何回聞かれても1つに絞れません(笑)。それでもどうにか3つくらいに絞った時には、必ずロックフォールとオッソーイラティが入ります。満を持してご紹介しました!

行楽・パーティーシーズンを迎えますが、今年は多くのイベントが縮小や中止。ご自宅でご自分のセレクトで楽しむ方も多いのではないでしょうか。チーズ選びの参考にしてくださいね。

<協力店舗>
株式会社 フェルミエ
https://fermier.co.jp/
フロマージュリーFIL(宇都宮市)
https://f-fil.com/

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