大阪との県境に位置する、兵庫県尼崎市。ダウンタウンの出身地としても知られる市街地ですが、意外と農業もさかんで、最近は「あまやさい(尼崎野菜)」として注目されています。
都市部に近い(輸送に時間がかからない)という立地の良さを生かし、主に栽培されているのは鮮度が重要な葉物野菜。なかでも最大の作付面積を誇るのが小松菜で、その小松菜をより広くPRしようと開発されたのが「小松菜のやみつきオイル」です。
今回は「小松菜のやみつきオイル」のストーリーと美味しい食べ方に迫ります。あまやさいの加工品シリーズの新作も、紹介しますよ。
目次
「小松菜のやみつきオイル」とは
「小松菜のやみつきオイル」は、あまやさいPRのために2018年に発売された商品。「食べるラー油」的な万能調味料で、出汁がとれるほど濃い小松菜のうま味が生かされています。
パッケージも特徴的で、瓶ではなくパウチされた封筒状。印象に残るだけでなく、軽くかさばらないので尼崎土産としても重宝しそうですね。
オリーブオイルベースのイタリアンテイストながら、隠し味は味噌。イタリア料理定番のアンチョビを使うよりも風味がまろやかになり、ごはんや冷奴など和食にも合う味に仕上げられています。
商品開発の裏に、尼崎を愛する3人の仕掛け人
「小松菜のやみつきオイル」誕生の裏には、尼崎愛にあふれるメンバーがいます。それぞれ、ご紹介していきましょう。
JA兵庫六甲 池田聖弥さん
尼崎野菜をPRできる名物を作りたい!
規格外野菜の廃棄を減らしたい!
「小松菜のやみつきオイル」誕生の最初のきっかけは、JA兵庫六甲に勤める池田聖弥さんのそんな想い。JA兵庫六甲は尼崎だけでなく近郊都市も網羅しており、池田さんは他地域での特産品開発もしていらっしゃるそうです。
最近のイチオシは阪神地区のトマトを使った「ピリッとトマト」だそうですよ。辛さのバリエーションもあって、こちらも美味しそうですね。
シェフ 田中孝治さん
レシピ開発を担当したのは、尼崎出身でイタリア料理店「ベルドゥーラ」を営むシェフの田中孝治さん。ベルドゥーラはイタリア語で「野菜」を意味し、しかも田中シェフは野菜ソムリエの資格持ち。以前より料理教室の開催などでJAとの関係性も深く、まさに適任だったというわけです。
加工する野菜は、尼崎を代表する野菜であり、収穫直後から栄養が減っていってしまう小松菜に決定しました。つまり「小松菜のやみつきオイル」は、新鮮な小松菜の栄養と美味しさをぎゅっと詰め込んだ商品なのです。
プロデューサー 高瀬光一さん
小松菜で加工品を作ろうという気持ちとレシピだけでは、商品化はできません。
パッケージは?生産ラインは?販路開拓は?
そんな実務のあれこれを請け負っているのが、田中シェフの同級生でもある高瀬光一さん。尼崎の地で創業50年を超える「高瀬味噌販売」の代表取締役で、尼崎をはじめ関西近郊のさまざまな企画で暗躍(?)しているプロデューサーです。
「小松菜のやみつきオイル」は、高瀬味噌販売のオンラインショップでも購入できますよ。
https://takase-miso.com/?pid=153427793
「小松菜のやみつきオイル」の美味しい食べ方
「小松菜のやみつきオイル」には嬉しいことにレシピが同封されているのですが、使い勝手のいい万能調味料なので「アレにも合いそう!コレにも合いそう!」とアイデアがどんどん浮かびます。
その魅力と可能性を追求すべく、いろいろ試してみました。
ごはんにのせて
まずはやっぱり、白いごはん。より美味しくいただきたくて、炊きたての土鍋ごはんを用意しました。
いやもう、間違いなく美味しい!
ただ、「食べるラー油」系の商品としては優しい味わいで塩気も控えめなので、ごはんをガツガツ食べたくなるというより、一口ずつしみじみ味わいたくなる感じです。
ちなみに納豆にも入れてみたのですが、美味しかったものの納豆の味が勝ってしまいました。白ごはんや冷奴など、淡白な素材のほうがよさそうです。
万願寺唐辛子にのせて
トースターでグリルした万願寺唐辛子との相性も抜群でした。
さつまいもやかぼちゃのような甘い野菜は想像がつきませんが、一般的な野菜なら基本、なんでも美味しいと思います。
パスタにまぜて
パッケージにも記載されている定番の食べ方が、パスタ。
もちろん美味しかったのですが、ネギとしめじを入れたのでかさが増え、オイルの消費量が増えてしまいました。ちょっともったいなかったです……。シラスもちょっと添えています。
ポテトサラダにまぜて
取材時に田中シェフにおすすめしていただいたのが、ポテトサラダ。混ぜるだけです。普通のポテトサラダが一気に味の深みを増し、プロ仕様の味に変わりました。混ぜるだけで簡単に美味しい料理ができる調味料が家にあるってありがたい!
里芋にのせて
ポテトサラダでわかった通りじゃがいもによく合うのですが、「小松菜のやみつきオイル」のまろやかな味わいは里芋のねっとりしたうま味にも合うはず……と思い、試してみました。思ったとおり、素揚げによく合う!
ピザトーストにのせて
パスタで使ったシラスがいいアクセントだったので、シラスが主役のピザトーストも作ってみました。チーズが溶けるまで焼いたあと、シラスと「小松菜のやみつきオイル」を乗せて再度軽く加熱。抜群に合う!
白身魚フライにのせて
白身魚フライには、タルタルソースと混ぜてトッピング。このほかお刺身でも試しましたが、淡白な魚介系はどれも絶品でした。ヤリイカのマリネなんかも美味しそう!
辛くないので子どもの口にも合い、パスタ・里芋・ピザトースト・白身魚フライは特に大人気でした。ほとんど食べられてしまい、味見程度しか口に入りませんでした……。
新発売「一寸そらまめ やみつきオイル漬け」
2020年、小松菜に続く「やみつきシリーズ」の第二弾が誕生しました。尼崎の伝統野菜である「一寸そらまめ」のオイル漬けです。そらまめは旬が短く大量生産できないため今年は地元での販売のみだそうですが、今回は取材のため特別に送っていただきました!(感謝)
アヒージョっぽい感じで唐辛子やニンニクのパンチを楽しむのかな?と思っていたのですが、一寸そらまめの風味とローズマリーの香りでシンプルかつ優しい味。「小松菜のやみつきオイル」に通じるものがあり、田中シェフの素材を生かすという信条が伝わる一品です。
まずはブルスケッタ風に、バゲットに乗せてパルミジャーノチーズを削っていただきました。そらまめと相性の良いハムを敷いたのは、バゲットの気泡からオイルが漏れるのを防止するためでもあります。
間違いなく、ワインに合います!
皮ごと食べられますが、トッピング的に使うなら刻むほうが食べやすいです。
でもこのオイルを味わえば味わうほど、なぜか「チーズオムレツで食べたい」という気持ちが抑えられなくなりました。とろとろの卵、とろけるチーズ、そして一寸そらまめの風味が移ったオイルが、三位一体となって最高でした。オムレツを焼くときだけでなく、仕上げにもたっぷり!
チーズオムレツにするとローズマリーの風味が弱くなるかなと思い、卵液にドライローズマリーを混ぜましたが、ここはお好みで。
もちろん、パスタも美味しかったです。来年の再販が待ち遠しい!
これからも「あまやさい」に注目!
大阪のすぐ隣の市街地――、そんなイメージを持っていた尼崎が実は農業もさかんで、オシャレな特産品も販売されていたとは全然知りませんでした。
輸送コストを抑えて新鮮な野菜を口にするためには、地産地消がいちばん。尼崎で作られる「あまやさい」の注目度と需要は、今後さらに高まっていくでしょう。関西にお住まいの方は、スーパーや直売所で野菜を手に取る際、産地を気にしてみてくださいね。
ちょっと遠いという方は、ぜひ通販の「小松菜やみつきオイル」であまやさいに触れてみてください。スマートレター対応なので、送料気にせずに気軽に買えますよ。
関連リンク
小松菜のやみつきオイル販売ページ:https://takase-miso.com/?pid=153427793
JA兵庫六甲:https://www.jarokko.or.jp/
イタリア食堂ベルドゥーラ:https://verdura2003.com/
高瀬味噌販売株式会社:https://takase-miso.com/
【当取材記事につきまして】
hitotema編集部が企画・取材依頼し、試食させていただいて記事を作成しました。