生チョコ専門店が手掛ける、カカオ料理のフルコース!鎌倉・銀行跡地の金庫室で味わう「ROBB」体験レポート

鎌倉「ROBB」でカカオ料理のフルコース!銀行跡地の金庫室で、生チョコ専門店が提供する味わいを堪能しよう

チョコレートの原材料であるカカオ。
とはいえ、カカオそのものを間近で見たり、食べたりする機会はなかなかありませんよね。実は鎌倉に、カカオを丸ごと使った料理を体験できるレストランがあるんです。そこは銀行だった場所をリノベーションした不思議な空間。実際にお邪魔してきました!

【hitotema編集部注】
営業時間やコース料金は取材時から変更になっています。訪問の際は、最新情報のご確認をお願い致します。記事内のお料理と価格は、2021年2月の取材当時の税別価格です。(2022年1月)

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「MAISON CACAO」が銀行跡地に作ったチョコレート・ショップ

外観

鎌倉駅西口を出て御成通りを進むとすぐ右に、レンガづくりが印象的なお店「CHOCOLATE BANK」が見えてきます。東日本銀行の跡地を改装したこちらは、チョコレートブランド「MAISON CACAO」が手掛けるコンセプトショップ。

内観1

日本各地のフルーツを使った「アロマ生チョコレート」を主力に、「リッチ生チョコタルト」や「生チョコクッキー」などを展開する同社。「アロマ生チョコレート」と「ガトーショコラ」は即位の礼のお手土産にも選ばれています。

遥か昔は、貨幣として使われていたこともあるカカオ豆。銀行とも密接な関係があり、「MAISON CACAO」代表の石原氏はかねてより『銀行跡地に店を作りたい』との想いがあったそう。「CHOCOLATE BANK」では、『チョコレートと魔法の世界へ』というコンセプトのもと、新たな楽しみ方を提案しています。

ゴリラ

入口ではカラフルなゴリラがお出迎え!「カカオを発見したのはゴリラ」との説から、同店のキャラクターになっているとか。

内観2

築50年以上は経っているという建物に入ると、ゆったりとした空間が広がっています。中央テーブルの緑は、季節ごとにテーマが変わるそう。取材日はお正月明けだったため、壁にはスタッフさんたちの書き初めも飾られていました。

こちらのスペースでは、チョコレートを使ったドリンクやクロワッサン、ガトーショコラなどがいただけます。

カカオ商品

そのほか、カカオを使ったコスメやギフト用商品も展開されています。さて、カカオ料理が食べられるレストランはいったいどこにあるのでしょう?

金庫室

案内された場所は……、最奥の金庫室!
カカオを楽しむガストロノミーレストラン「ROBB」の入口です。

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完全予約制の個室空間

金庫室内

分厚い金庫室の扉を開けた先は、全6席の完全な個室空間。

Bank robber(バンクローバー:銀行強盗の意)から名付けられた「ROBB(ロブ)」は、2019年6月に1日4組限定の予約制レストランとしてオープン。昼はカカオを楽しむレストラン、夜はバーとして営業していました。

その後、2020年9月にリニューアル。コロナ禍によりバーは現在休業中ですが、レストランは1日1組限定となり、メニューもバージョンアップしています。

メニュー

メニューは、前菜からデザートまで全6品(5,000円)。季節ごとに変わります。そのほか、「ピティヴィエ」というパイ包みも+2,000円で追加できます。
ドリンクはアルコールとソフトドリンクのペアリングあり。ハーフ(2杯/1,500円)、フル(5杯/3,000円)から選べます。

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素材を引き立てる、カカオ尽くしのコース

今回は「ピティヴィエ」を追加した全7品と、ソフトドリンクのハーフペアリングを注文しました。

【テイスティング】カカオからチョコレートへ、五感で体験

テイスティング

料理を待つ間は、カカオ豆とカカオビネガーのテイスティング・タイム。

コロンビアに自社農園をもつ「MAISON CACAO」。カカオの栽培からクーベルチュールへの加工までをコロンビアで行い、日本に運んでから各商品の製造を行っています。その方が、豆から運ぶより風味が保てるのだとか。

カカオ食べ比べ

右から、カカオ豆を発酵~乾燥させたもの、カカオ豆の皮(カカオシェル)、細かくした豆(カカオニブ)、カカオパウダー、カカオバター、カカオ分70%のクーベルチュール(加工前の製菓チョコレート)。
どれもコロンビア産のもの。現地での工程順に並べられています。

触ったり、香りを嗅いだり、実際に食べたり。カカオ豆の皮はそのまま食べることはありませんが、カカオティーにすると意外なおいしさが発見できるそう。

カカオビネガーはカカオ豆の果肉部分(カカオパルプ)を醸造して作られたもの。パルプジュースで割ってあり、とても飲みやすい!りんご酢のようにフルーティーな味わいです。

【マッシュルームのスープ】

マッシュルームスープ1

1品目は季節のスープ。この日はカカオバターで炒めたマッシュルームを使ったポタージュです。仕上げに100%チョコレートの塊を削ってかけるのが「ROBB」ならでは。

マッシュルームスープ2

濃厚でコクたっぷり。マッシュルームの旨味をカカオバターが引き出しています。昨夏は、ピュアホワイトという希少なとうもろこしを使った冷製スープを提供していたそう。そちらも気になります……!

【鎌倉野菜のサラダ カカオビネガーのドレッシングで】

鎌倉野菜のサラダ カカオビネガーのドレッシングで

2品目は「鎌倉野菜のサラダ カカオビネガーのドレッシングで」。
ビーツ、紅心大根、紫大根、紅くるり大根、黄人参とパクチーで、花束のような見た目です。カカオビネガーやオレンジが入ったドレッシングはとてもフルーティー。隠し味でパルメザンチーズも加えられています。

トップにはカカオニブで作ったキャラメル・チュイール。パリパリッと割って、野菜にくるんでいただきます。それぞれ食感が異なり、食べていて楽しい一品。チュイールが香ばしさをプラスしていました。

カカオビネガーソーダ

ソフトドリンクのペアリング、1杯目はカカオビネガー・ソーダ。ドレッシングの甘酸っぱさとは少し異なり、炭酸割りでスッキリ爽やかな飲み心地。食が進みます!

【鎌倉産米ナスのフムス添え】

鎌倉産米ナスのフムス添え

メインは、5cmはあろうかという分厚い米ナス料理。カカオバターでじっくり焼いた米ナスに、カカオシェルやカカオニブを合わせた「ブリューイング」を振りかけ、カカオビネガーをかけています。

細かく切れ目が入れられた米ナスは、ジューシーで甘く、とろけるような食感です。さらに驚いたのが、横に添えられているひよこ豆のペースト「フムス」。カカオとともにクミンやカルダモン、コリアンダーで風味付けされていて、エキゾチックな味わいに一瞬で変わります。先ほどテイスティングしたすべての材料が入っている逸品。
「このナスをまた食べたくて来ました」というお客様もいるそう。納得のおいしさです。

ホットカカオディー

米ナスと合わせる2杯目は、カカオシェルとカカオニブを煮出したホットカカオティー。和三盆を加えて、ほんのり甘味を出しています。紅茶のような風味がありつつ、後味はふわっとカカオの香り。ほっとする味わいです。

【自家製ラビオリ】

自家製ラビオリ1

続いては、卵黄をたっぷり使った自家製の黄色いラビオリです。中には、牛乳とカカオビネガーで作ったリコッタチーズ。カツオと鶏出汁を組み合わせたスープと一緒にいただきます。

自家製ラビオリ2

あっさりしているかと思いきや、濃厚なスープで予想以上にパンチのある味わい。リコッタチーズは一般的にレモン汁やお酢で作られますが、こちらではカカオビネガーが使われているため、フルーティーな酸味とともにカカオの香りがほんのりと鼻へ抜けていきます。
ラビオリはイタリア料理ですが、中東料理にありそうな雰囲気が感じられました。

ボリューム満点!男性人気の高い【ピティヴィエ】

ピティヴィエ1

追加注文した「ピティヴィエ」。こぶしほどの大きさがあるパイ包みでインパクト抜群!
お皿に敷かれたソースは、カカオニブとカカオパウダーを使ったチョコ・バルサミコソースと、甘みのあるポートワインで作られたソースの2種。さらに、カカオビネガーとりんごのピューレが添えられています。

ピティヴィエ2

パイの中にはフォアグラとレア感のある鴨肉がたっぷり。豚と鶏を合わせたミンチ肉も入っており、ボリューム満点です。

コロンビアなどの中南米では肉料理にチョコレートを合わせることも多く、そこから着想を得て生まれた逸品。今回のリニューアルから新たに加わりましたが、男性人気が高いのだとか。

【グラニテ】

グラニテ1

口直しにと提供されたのがグラニテ(氷菓)。カカオパウダーを液体状にして凍らせ、薄く削った、繊細なかき氷です。

グラニテ2

中には、広島の梶谷農園のフレッシュなタイムを使ったクリーミーなバニラアイスが入っています。

新雪のようにふわふわでやわらかいかき氷は甘さ控えめ。口の中でシュッと溶けて、濃厚なチョコレートが余韻に残ります。米ナスやピティヴィエのような濃い料理のあとなので、口の中がスッキリ。

【選べるデザート】フルーツをかたどった季節のムース

ルレクチェ1

デザートは2種類から選べます。今回は取材のため、特別にどちらもいただけることに。こちらは「季節のムース」。この日は新潟の希少な洋梨「ル・レクチェ」を使ったムースです。

見た目がまるで洋梨そのもの、みずみずしさまで表現されていて面白いですね!
まわりはカカオバターから作った薄いホワイトチョコレートで出来ていて、パリッと割って食べます。

ルレクチェ2

中身はバニラビーンズたっぷりの、ホワイトチョコレート・ムース。中央はル・レクチェのジュレ。フルーツは季節で変わります。これまでにライムや日向夏を使ったムースも提供されています。

【選べるデザート】開けた瞬間にあふれ出す、フォンダンショコラ

フォンダン1

「ROBB」オープン当初から提供しているシグネチャーメニュー「フォンダンショコラ」。
最初にテイスティングした、カカオ成分70%の「ベジャビスタ・チョコレート」で作られています。
ガナッシュ生地を流し込み、表面だけが焼き上がった瞬間に型から出しているため、中はほぼレアの状態。スタッフさん曰く「立っているのがやっとの状態」で、そっと目の前に運ばれてきます。

フォンダン2

アツアツのうちに割ると、中からガナッシュがあふれ出してきました!香りづけとして敷かれた山椒パウダーに、奥にはライムと山椒のジュレソースと、ホワイトチョコレートソース。
山椒×チョコレート、どちらも力強さがありますが、打ち消し合うのではなく引き立て合っていて、思わずうなるほどのおいしさでした。

どちらも魅力的なデザート2種。スタッフさんにお聞きすると、実際に迷われるお客さんも多いそう。
「華やかさやフルーツ感がお好みなら『季節のムース』を、しっかりと濃厚なチョコレートがお好みなら『フォンダンショコラ』がおすすめです」とのこと。
選ぶ際の参考にしてみてくださいね。

多彩な顔を持つカカオの魅力。「ROBB」でたっぷり味わえます

まとめ

フルーツのような味わいに、スパイスのような刺激的な風味。時には香ばしさやコクもあり。「ROBB」では、さまざまな姿形に変化し、幅広い食材とバランス良く引き立て合うカカオの魅力と出会えました。
銀行の金庫室という特別な空間で、チョコレートではない“カカオ”としての味わいをぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。

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ROBBの基本情報

住所:神奈川県鎌倉市御成町11-8 CHOCOLATE BANK金庫室
予約電話: 0467-50-0192
公式サイト:http://robb.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/robb.kamakura/
MAISON CACAO ブランドサイト:https://maisoncacao.com/

【当取材記事につきまして】
ライター田窪綾さんが企画・取材依頼し、記事を作成しました。

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