予防歯科ってどんな治療内容なの?#歯科衛生士の教室

予防歯科ってどんな治療内容なの?#歯科衛生士の教室

最近は、虫歯や歯周病の予防意識が高まっていて、「予防歯科」をメインにしている歯科医院も増えてきています。ですが、

予防歯科では、何をしてくれるの?

と、疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
虫歯や歯周病になっていないのに、歯科医院に行ってもやることがないのでは……?とも考えてしまいますよね。

そこで今回は、予防歯科の治療内容について解説していきます。

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予防歯科とは?

予防歯科は、虫歯や歯周病などのトラブルが起きないよう、健康な状態を維持することに重きをおくケア及びその考え方のことです。

従来は「痛みが出た」「被せ物が取れた」などのトラブルが起きてから歯科医院に行くのが一般的でした。しかしそれでは、歯を失うリスクが高くなったり、歯の寿命が短くなったりする原因になりやすく、生涯を通して自分の歯を使い続けるのが難しくなります。

つまり予防歯科は、より長く自身の歯で食事や会話などを楽しむことができるように口の健康をサポートすることを目的としているのです。

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予防歯科の治療内容

予防歯科では、主に次のような流れで治療をするのが基本です。
悪いところがないのに「治療」というのは違和感があるかもしれませんが、予防歯科での処置は「予防治療」と呼ばれます。

診査・診断

口の状態を観察してから検査を行っていくのが、診査・診断です。

観察・把握

診査の時には、口の中をよく観察することが大切です。
口の中には、さまざまな情報がつまっていて、しっかり観察することで口の問題だけでなく、体の健康状態についてもわかるケースがあるからです。
例えば、患者さんが定期的に同じ場所に口内炎ができると訴えたときは、八重歯が粘膜に擦れていたり、入れ歯に付いている金属のバネ(クラスプ)が当たったりするのが原因である場合があります。
また、口内炎が場所に関係なくできる時には、「ヘルペスができていて睡眠不足やストレスから体力が落ちているのかな?」と推測でき、最近の生活について質問ができます。

このように口の中の状態は、体の健康に左右される場合があるため、しっかりと観察して生活習慣を把握することが大事なのです。

口腔内写真撮影

口の中の状態を記録するのが、口腔内写真です。口腔内写真で継続的に記録を残すことで、症状の変化がわかりやすく理解しやすくなります。また、自分の口に興味を持つきっかけにもなりやすいです。

レントゲン写真撮影

レントゲンの撮影方法には、次の2種類があります。

パノラマX線撮影
撮影装置が頭の周りを回りながら口全体を撮影します。虫歯や歯周病の有無、歯の本数などを確認できます。

フィルム撮影
小さいフィルムを口の中に入れて、外の装置からX線を照射して撮影します。歯の根や顎の骨などの状態を鮮明に確認できます。

最近では、パノラマX線写真を撮影した後に、全ての歯をフィルム撮影して隠れた虫歯や歯周病がないかをチェックする歯科医院も増えています。

歯周組織検査

歯周組織検査は、歯周病の有無や歯茎の状態を検査します。検査では、先の細いプローブという器具を歯と歯茎の間にある歯肉溝(しにくこう)に入れて、歯周病の進行がないかをチェックします。

唾液検査

唾液検査では、唾液の量や質、細菌の種類を調べます。その結果、虫歯や歯周病のリスクや自分に適した予防方法がわかります。

結果・説明

ここまで検査してきた情報をもとに、説明や指導を行います。

説明

現在の口の状態や今後予測される症状などについて説明します。

虫歯や歯周病の治療が必要な状態か
将来的にどんなリスクがあるのか

などを説明した後に、患者さんに適した予防プランを計画していきます。

ブラッシング指導

虫歯や歯周病を予防するためには、毎日の歯磨き(ホームケア)が欠かせません。
予防歯科では、患者さんそれぞれに合った歯磨き指導を行います。
歯科医師や歯科衛生士が、歯ブラシの動かし方や磨き残しが多い部分の磨き方などを教えてくれるため、効率よく歯磨きできるようになります。

クリーニング

ホームケアでは落とし切れない汚れを、歯科医師や歯科衛生士がキレイに清掃していきます。

PMTC

PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略で、歯の専門家が専用の機器で歯をキレイにすることです。歯磨きでは取れない、細かな歯垢や歯石などを除去できます。
また、プロによるクリーニングは、細菌の住処になるバイオフィルムや着色まで落とせるので、本来の歯の白さを取り戻していく効果もあります。

フッ素塗布

フッ素は、虫歯になりにくいように歯質を強くする効果があります。特に歯科医院で使用しているフッ素は、歯磨き粉に含まれているフッ素より濃度が高いので、定期的に塗布することで虫歯予防に効果を発揮します。

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予防歯科にかかる費用は?

保険治療は虫歯や歯周病といった病気を治すための制度であるため、歯や歯茎の健康維持を目的とした予防歯科は原則として自費診療です。その場合、1回の検診で5,000円〜10,000円の費用が一般的です。
ただ、歯周病と診断されて治療が必要になったケースでは、1ヶ月に1回、保険診療で予防歯科を受診できます。保険治療の場合、治療費は3,000円〜3,500円です。

予防歯科で口腔内の健康を維持しよう

予防歯科は、健康な口の状態を維持して長く自分の歯を使い続けることを目標にしています。入れ歯やブリッジ、インプラントといった治療法もありますが、自分の歯に勝るものはありません。
毎日のホームケアと定期的なプロケアで口の環境を整えることは、歯の寿命を長くすることにも繋がります。またプロのクリーニングは、口の中がスッキリして気分転換にもなりますよ。長くお付き合いできる予防歯科を見つけて、口の健康を守っていきましょう。

記事監修:林 徹(歯科医、はやし歯科医院院長)

林徹先生

三重県津市 高茶屋小森町356-2林歯科ビル1F
059-234-0118
https://hayashi-dentalclinic.net/
小さなお子様からお年寄りまで、幅広い層の患者さまに信頼していただける医療を提供することを心がけています。

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