子どもの歯並びが悪くなる原因は?乳歯のうちにできること

子どもの歯並びが悪くなる原因は?乳歯のうちにできること #歯科衛生士の教室

できれば、矯正治療せずにキレイな歯並びになるといいですよね。大人になってからの矯正治療は時間も費用もかかりがちです。でも乳歯のうちから対処することで、将来の矯正費用を抑えられたり、矯正治療が必要なくなったりする可能性もあります。
そこで今回は、子どもの歯並びが悪くなる原因と早めにできる対策について解説します。

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歯並びが悪くなる原因

乳歯のうちにできる対策
(画像出典)PIXTA

子どもの歯並びが悪くなる原因は主に次の3つです。

遺伝

目や鼻が親に似るように、歯並びも遺伝します。しかし遺伝が原因で歯並びが悪くなるのは全体の約3割と言われていて、成長過程での生活習慣の方が歯並びへの影響は大きいとされています。

環境・習慣

歯並びは日々の生活環境や習慣によって悪くなります。例えば、いわゆる「出っ歯」は、舌が通常の位置より前に出ていることや前歯を舌で押す癖などが原因になります。また、柔らかいものばかり食べていると、奥歯ではなく前歯で噛む癖が付いて前歯が出てしまうこともあります。

また、以下のような姿勢も悪影響です。

  • 猫背…猫背の状態では奥歯でしっかり噛めないので、顎が発達しません。また、猫背では自然と下顎が後ろに引っ張られるため、出っ歯にもなりやすいです。
  • うつぶせ寝…数kgある頭の重さがそのまま顔面にかかるため、奥歯の噛み合わせが逆になったり、顎の関節が痛くなったりします。

現代は柔らかい食べ物が多いですし、スマートフォンやタブレットを見る時に猫背になりやすく、環境や習慣の影響を受けやすい条件が揃っています。

乳歯の虫歯

虫歯になっている範囲が大きいと、隣の歯が傾いてきます。歯が傾くと、噛み合わせが悪くなる→正しい位置で噛めなくなる→傾いた歯だけではなく他の歯にも影響が出る、という悪循環になり、全体的に歯並びが悪くなることがあります。

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乳歯のうちにできる対策

歯並びが悪くなる原因
(画像出典)PIXTA

子どもの歯や顎は柔らかく動きやすい性質があるので、次の4つの対策を行うことで歯並びの悪化予防や、改善につながる可能性があります。

奥歯でよく噛む

よく噛むことは、顎や骨の発達に欠かせません。柔らかすぎる食べ物(カレー・ハンバーグ・スパゲッティなど)はしっかり噛む必要がないため、子どもの顎は成長せず小さいままになりがちです。また噛む回数が少ないと舌の筋肉の発達も悪くなり、噛む力も育ちません。乳歯が生え揃ったら、少しずつかたさのある食材を取り入れ、顎や舌の発達を促すことが大切です。

姿勢を正す

食事をする時は背筋をピンと伸ばし、指先がしっかりと床に付いているか確認してください(猫背だとかかとが重心になって指先が浮きます)。ダイニングの椅子が高くて足がつかない場合は、足が乗る高さの段ボール箱を置いたり、ステップ付きの子ども椅子を使ったりするといいでしょう。
椅子を使わない場合は、あぐらではなく正座にすると猫背になりにくいです。

もちろん食事中だけでなく、勉強中やスマートフォンを使用している時も背中が丸まらないように注意してください。睡眠時のうつぶせ寝も、気づいたら仰向けにして少しずつ仰向け寝の習慣をつけていきましょう。

癖を止める

歯並びの悪さにつながる子どもの癖は、主に次のような行動です。

  • 指を吸う
  • 頬杖を付く
  • 唇を噛む
  • 口呼吸

上記のような癖が乳歯の生え揃った段階でも頻繁に続くようであれば、歯並びが悪くなる可能性があります。とはいえ、「今から指を吸うのは禁止!」というのも、子ども自身はもちろん保護者にとってもハードルが高すぎます。

まずは、子どもに癖を続けると歯並びがどうなるかを説明することから始めましょう。また、どういった状況の時に癖が出るのかを観察し、さりげなく直す方向に導いてあげてください。

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歯医者さんでできる治療はある?

歯医者さんでできる対策
(画像出典)PIXTA

自宅で子どもの癖を改善するのは、限界もあります。そこで、歯医者さんではMFT(oral Myon Functional Therapy)という取り組みを行っています。

MFTとは、口腔筋機能療法のこと。
咀嚼・呼吸・発声といった基本的な動きの際に舌や唇を正しく機能させることで、口周りの筋肉を発達させて口のバランスを整えていく方法です。

例えばリップエクササイズでは、糸にボタンを付けた道具を使います。ボタンの部分を口に含んだまま糸を引っ張って唇の閉じる力や口周りの筋肉を鍛えます。その他にも多くの訓練方法があり、歯並びや顎の状態によって行うエクササイズが違います。
MFTの訓練によって、歯並びが悪くなるのを防いだり、改善できたりする可能性を高くできます。どの歯科でも受けられるとは限りませんが、お近くの矯正歯科や小児歯科で相談してみてください。

乳歯での対策が永久歯の歯並びに繋がる

乳歯での対策が永久歯の歯並びに繋がる
(画像出典)PIXTA

歯や顎の骨が柔らかく移動しやすい乳歯のうちから対策することで、永久歯の歯並びがキレイになる場合があります。しかし、子どもの癖や環境を変えるのは簡単なことではありませんし、遺伝要素が強い子どももいます。まずは、歯医者さんで歯並びの相談をして、子どもに合った方法で少しずつ対処していきましょう。

記事監修:林 徹(歯科医、はやし歯科医院院長)

林徹先生

三重県津市高茶屋小森町356-2林歯科ビル1F
059-234-0118
https://hayashi-dentalclinic.net/
小さなお子様からお年寄りまで、幅広い層の患者さまに信頼していただける医療を提供することを心がけています。

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