子どもの歯と歯の間のケアはいつから?#歯科衛生士の歯の教室

子どもの歯間ケアはいつから? #歯科衛生士の教室

歯と歯の間のケアは子どもでも必要です。ケアしないと、歯と歯の間が虫歯になってしまう可能性があるからです。
歯磨きだけでも大変なのに、歯間ケアなんて…!
と思うかもしれませんが、やはり知識は大切ですし、知識があれば少しずつでも始められます。そこで、今回は子どもの歯間ケアについて解説していきます。

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子どもの歯間ケアを始める目安

歯と歯の間のケアを始める目安
(画像出典)PIXTA

子どもの歯間ケアを始める時の目安は、次の通りです。

歯並びの状態

乳歯の歯並びは、隙間が空いているのが一般的です。乳歯よりも大きな永久歯が正しい位置に生えるよう、乳歯ではスペースが空いているのです。しかし、乳歯が隙間なく並んで生えてくる子どももいます。そうなると、歯と歯の間に汚れが残って虫歯になりやすいです。歯が生え揃う前の段階でも、歯並びが窮屈そうであれば、歯間ケアを始めるタイミングになります。

奥歯の生え始め

乳歯の一番外側の奥歯が生えてくる時期は、2~3歳頃です。その手前の奥歯は、1歳頃に生えてきています。この奥歯と奥歯の間は、虫歯になりやすい部分です。歯磨きが十分に出来なかったり、きちんと磨けているか確認しづらかったりして、虫歯の発見が遅れてしまうこともあります。そのため、外側の奥歯が生えてきたら、歯の間のケアを始めましょう。

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子どもに適した清掃用品

子どもに適した清掃用品
(画像出典)PIXTA

子どもの口に合った清掃用品はデンタルフロスで、次の2種類があります。

ハンドルフロス

ハンドルフロスは、短い糸に持ち手を付けた道具で、「Y字タイプ」と「F字タイプ」があります。Y字タイプは握りやすく、奥歯に入れやすいのが特徴です。力が弱い子どもでもしっかり握って動かせます。一方でF字タイプは、薄くて小さい形で、口の小さい子どもでも無理なく入れて動かせます。また、前歯でも奥歯でも使いやすいように設計されているので、子どもでも扱いやすいのが特徴です。

ロールタイプ

ロールタイプのデンタルフロスは、糸を指に巻き付けて使用する道具になります。狭い歯と歯の間の汚れをしっかりと掻き出すことが可能です。幼い子どもがロールタイプを使いこなすのは難しいので、保護者の方が行うようにしましょう。

大人用の清掃用品を子どもが使ってもいいの?

デンタルフロスに関しては、大人用を子どもに使っても大きな問題はありません。ただ、大人用は大きめに作られているので、子どもの小さい口には合わないことがあります。

例えばハンドルフロスでは、子どもが大きく口を開けないと奥歯に入らなかったり、糸が付いている部分の幅が広いため口を引っ張ってしまったりして、不快に感じる可能性もあります。
最近では、歯科医院やドラッグストアで子ども用のハンドルフロスを購入できるので、乳歯のうちは子ども専用のフロスの方が操作性や安全面が安心です。

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歯と歯の間のケア方法

歯と歯の間のケア方法
(画像出典)PIXTA

ここでは、ロールタイプとハンドルフロスで共通する注意点を紹介していきます。

前歯から始める

初めて歯と歯の間の清掃をする時には、前歯から始めましょう。特に、下の前歯は保護者の方もやりやすい部分です。いきなり奥歯から始めると、子どもがビックリして噛んだり、動いたりして危険です。また、上の前歯の間にフロスを入れる時には、歯茎に指を当てて上唇小帯に当てないようにしましょう。上唇小帯とは、上唇の裏側にあるヒダのことです。ハンドルフロスの場合にはプラスチックの部分が当たると痛いので、注意してくださいね。

ゆっくり動かす

子どもは長くジッとできないので、「早く終わらせないと!」と焦ってしまいがちです。しかし、汚れが取れていないと意味がありません。初めは、歯に擦り付けるようにゆっくり動かしましょう。フロスが入らないからといって強く押すと、歯茎を傷つける原因になります。また、初めから全部の歯の間を掃除するのは、子どもにとって退屈です。初めの頃は、「今日は上の前歯」「明日は上の右側」というように部分的に分けて行うと、子どもも慣れやすく、保護者の方も操作の感覚を掴みやすいでしょう。

歯茎に押し込まない

大人の場合は、歯茎の中に糸を少し入れて汚れを出すことで、歯周病予防になります。ただ、子どもは痛みや感覚が敏感です。歯茎の中に押し込んで痛みを感じたら、フロスを嫌がるようになる可能性が高いです。歯茎の炎症がない時には、フロスを歯茎に押し込まないで歯の側面だけを掃除しましょう。

歯間ケアを習慣化していくのが大事

「フロスは毎日しないといけませんか?」とよく聞かれます。理想を言えば毎日がベストです。しかし子育ては歯磨きだけでなく、ご飯の準備やお風呂などやることが多いので、つい忘れてしまったり、面倒になったりすることもあるはずです。そんな時は無理せず、できる時で大丈夫です。習慣になるように、少しずつ生活に取り入れていきましょう。

記事監修:林 徹(歯科医、はやし歯科医院院長)

林徹先生

三重県津市 高茶屋小森町356-2林歯科ビル1F
059-234-0118
https://hayashi-dentalclinic.net/
小さなお子様からお年寄りまで、幅広い層の患者さまに信頼していただける医療を提供することを心がけています。

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