歯周病のサイン、見逃してない?予防や治療についても解説

歯周病のサイン、見逃してない?予防や治療についても解説 #歯科衛生士の教室

「歯茎から血が出ているけど、そのうち治るでしょう」と思っていませんか?
あるいは、「歯周病かもしれない……どうしよう」と悩みながらも放置していませんか?

もしかすると、今の症状は歯周病が進行するサインかも知れません。とはいえ、具体的にどういった症状が危険なのかわからないと、対処できませんよね。

そこで今回は、進行別に歯周病のサインについて解説していきます。さらに後半では、歯周病の対処法や予防方法についても詳しく説明しているので、是非、参考にしてくださいね。

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歯周病はどんな病気?

歯周病はどんな病気?
(画像出典)PIXTA

歯周病は読んで字のごとく、歯の周りの組織が病気になることです。歯周病には、次の3つの特徴があります。

国民的な病気

歯周病は、世界で最も患者数が多い感染症として、ギネスにも登録されている病気。日本でも、成人の約8割が歯周病であることが報告されているほど身近で国民的な病気です。

知らないうちに進行する病気

歯周病は別名サイレントディジーズ(沈黙の病気)と呼ばれていて、痛みがほとんどなく、歯がグラグラしている、食べ物が噛めないといった症状が出てから自覚することがほとんどです。しかし、自覚する頃にはかなり進行していることが多いので、抜歯をする可能性も高くなります。

他の病気にかかりやすくなる病気

歯周病になると他の病気になりやすくなります。
まず、歯周病は糖尿病を引き起こす確率が高くなると報告されています。歯周病菌は毒素を出しながら、歯茎の中の血管から全身に回っていきます。この時に身体を守ろうとする細胞が歯周病菌と戦って出す物質が血糖値を下げる働きを抑制するため、糖尿病が発症しやすくなるのです。
他にも、歯周病が脳梗塞や心筋梗塞を発症させる原因の1つと言われています。

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進行別、歯周病のサイン

歯周病は大きく3つの段階に分けられます。症状は段階によって変わってくるので、自分の口の状態がどの段階になるのかを確認しておきましょう。

軽度歯周病

軽度歯周病
(画像出典)PIXTA

軽度歯周病とは歯茎に炎症があって、歯を支えている骨が溶け始めている状態のことです。この状態の時には、歯茎が赤く腫れて、歯磨きをしていると出血する症状が出てきます。

中度歯周病

中度歯周病
(画像出典)PIXTA

中度歯周病は、軽度歯周病よりさらに進行した状態です。歯の表面に付いている汚れや歯石が多く、歯茎の中まで汚れが入り込んでいるため、歯ブラシで汚れを掻き出すのが難しくなります。その結果、歯の根っこに歯石が溜まりやすく、細菌が増えやすい環境になっています。

中度歯周病の場合には、次のような症状が出ることが多いです。

  • 歯茎から血や膿が出る
  • 歯が長く見える
  • 口臭が気になる
  • 少しグラグラと動く歯がある

重度歯周病

重度歯周病
(画像出典)PIXTA

重度歯周病は歯茎の炎症も強く、歯を支えている骨が多く溶かされている状態です。重度のまま放置していると、さらに組織や骨が溶けて、歯が自然に抜ける可能性があります。他にも、歯のグラつきが中度歯周病より大きいのが特徴です。重度歯周病の主な症状は、次の通りです。

  • 歯茎から血や膿が出る
  • 歯が長く見える
  • 歯茎の腫れが強い
  • 口臭が強い
  • 歯並びが悪い
  • 歯がグラグラしていて食事がしにくい
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歯周病の対処・予防方法

歯周病の対処・予防方法
(画像出典)PIXTA

歯周病の効果的な対処法や予防方法は、次の3つになります。

正しい歯磨きの仕方を学ぶ

歯周病になる最大の原因は、歯垢(プラーク)が歯に付着していることです。歯垢は細菌の塊なので、長期間歯に付いていると歯や歯茎に影響がでます。

歯垢を落とすには歯磨きが効果的です。しかし、正しい歯磨きの仕方でないと、歯垢を効率的に落とすことができません。例えば「バス法」という磨き方は、汚れが溜まりやすい歯茎と歯の境目をしっかりと磨くことができる方法なので、細菌が歯茎の中に入るのを防ぐ効果があります。

このように歯磨きのやり方はいくつかあり、歯並びや口の状態によって、適した歯磨きの仕方は変わってくるため、かかりつけの歯科医院で正しい歯磨きの仕方を学ぶことで、歯周病予防に効果がある歯磨きができるようになります。

※バス法… 毛先を歯と歯ぐきの間に45度の角度であて、歯ブラシの柄を細かく振動させて磨く方法です。

生活習慣を見直す

歯周病になる要素は、日常生活の中にも潜んでいます。特にタバコ、ストレスの2つは歯周病を発症させる原因になることが多いです。

例えば、タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があるので、歯茎の血管も収縮させます。その結果、十分な酸素が行き渡らなくなって、硬くてゴツゴツした歯茎になり、歯周病菌が定着しやすい環境を作り出してしまうのです。

また、ストレスは身体の免疫力を下げます。身体の免疫力が下がると、逆に歯周病菌が活発になるので、歯周病の進行を早めてしまうのです。口の中だけではなく、生活習慣が歯周病を引き起こす原因になっていないか、自身の生活を見直すことが大切です。

定期検診に通う

歯磨きだけで歯周病を防ぐことは、なかなかできません。特に奥歯は歯ブラシが届きにくくて、汚れが残りやすい部分です。そこで、プロの出番です。歯磨きでは磨けない部分や落とせない汚れを歯科医院で除去してもらいましょう。さらに、定期的に口の中を診てもらうことで小さな変化にも気づけて、歯周病がひどくなる前に最小限の治療で済む場合が多くなります。

少しでも気になったら歯科医院で確認してもらおう

歯周病は自覚しづらく、気づきにくい病気です。歯茎から普段はない出血があったり、赤くなったりする症状は、歯茎からのSOSのサインである可能性が高いです。進行してしまう前に、少しでも変だなと感じたら歯科医院で診てもらうことをお勧めします。

記事監修:林 徹(歯科医、はやし歯科医院院長)

林徹先生

三重県津市 高茶屋小森町356-2林歯科ビル1F
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https://hayashi-dentalclinic.net/
小さなお子様からお年寄りまで、幅広い層の患者さまに信頼していただける医療を提供することを心がけています。

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