フリマアプリは経済をどう変えた?モノの価値を生かすサスティナブルな社会を目指して

フリマアプリは経済をどう変えた?モノの価値を生かすサスティナブルな社会を目指して #FPの家計塾

今年の春、世界規模で拡大した感染症によって、私たちの生活は大きく変わりました。「自粛要請」を受けて私たちは初めて外出を制限されて、通勤も通学もナシ、大人も子どもも自宅待機です。

このため、私たちは否が応でも、居住スペースに目を向けることになりました。片付けや部屋の模様替えの結果、断捨離したモノを売る人が増え、フリマアプリの利用はさらに広がりました。

ところで数年前から活用されているフリマアプリ、日本の経済や生活をどう変えたのでしょうか?今回はファイナンシャルプランナーの視点でお話してみようと思います。主要なフリマアプリの特徴や手数料等についても説明しますね。

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モノは溜め込まず、不用品は売る時代へ

モノは溜め込まず、不用品は売る時代へ
(画像出典)PIXTA

キッチンを掃除すれば、使っていない道具が出てくる。クローゼットには、着用していないけれど、気に入っているから高かったから、と処分できない服が場所を占領している。私には少なからず心当たりがあります。みなさんはいかがでしょうか。

そんなとき、昔は「捨てる」「誰かにあげる」くらいしか手放す方法がありませんでした。新品であればバザーやリサイクルショップという方法もありましたが、貰い手の見つからないこまごまとした中古品は「まだ使えるのに捨てるのはもったいない」と溜め込まれることになっていたのです。

しかしそこに、「インターネットで欲しい人に直接売る」という新たな選択肢が登場しました。

  • モノは使われてこそ、価値が生かされる。
  • 本当にもったいないのは、モノを捨てることよりも使っていないこと。

オークションサイトやフリマアプリの登場によって、そんな新たな価値観を持つ人が増えてきています。

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フリマアプリがもたらす経済効果って?

フリマアプリがもたらす経済効果って?
(画像出典)PIXTA

以前は一部の人だけがオークションサイトを使っていましたが、スマホで簡単に使えるフリマアプリはITに疎い人たちにも利用が広がりました。そんなフリマアプリの活用、日本の経済にどれほど貢献しているか見てみましょう。

実は、フリマアプリでの売買が活況になっても、日本の経済成長を測る指標のGDP(国内総生産)の数字には反映されません。中古品によって、新しくモノの価値が生まれるわけではないからです。

しかし、フリマアプリによって中古品売買が活発になったことで、周辺業界は大変賑わっています。メルカリの調査によると、出品する商品の価値を高めるために

  • リペアショップで修理に出す。
  • 衣類をクリーニングに出す。
  • 衣類をお直しに出す。

などのサービスを受ける人が多くなったそうです。さらに売れたものを発送するにあたって、

  • 梱包材を100円ショップで購入する。
  • 発送のために郵便局、コンビニ、宅配業者を利用する。

ということも増えました。

2018年7月にメルカリが発表した調査結果によると、周辺業界において、年間最大752億円の経済効果があるとのことです。消費者同士が中古品を売りあっていては経済が回らないのではないか……と思うかもしれませんが、実は私たちがどんどんフリマアプリを活用していることで、経済全体に変化をもたらしているのです。

【参考】フリマアプリの経済効果752億円 メルカリ調査(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33627300R30C18A7000000/

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家に居ながら気軽にできるフリマアプリ

家に居ながら気軽にできるフリマアプリ
(画像出典)PIXTA

フリマアプリは、

  • 商品をたくさん用意しなければならない。
  • 出店手続きが煩雑。
  • 準備や片づけ、搬入が大変。
  • 長時間拘束される。

という、リアルのフリーマーケットのマイナスの面をすべて解決してくれました。
スマホひとつあれば、準備完了です。一点から出品できる。出品手続きは簡単。時間の拘束がない。さらに匿名で売買でき、決済も簡単。良くできているシステムです。

私もフリマアプリのメルカリに、書籍やバッグ、服、iPhone付属のイヤホンなどを出品して、5万円ほど売上げができました。すべて自分にとっては不用となった、今までなら捨てていたモノたちです。不用品が5万円になるのです。欲しいと思う人が、世の中には居るのです。

ほとんどのフリマアプリは、出品にはお金がかからず、売買成立したときに売上額の一部を手数料として徴収されるシステムです。メルカリが有名ですが、フリマアプリには種類があり、利用者の傾向もあります。出品内容に合わせてアプリを選ぶとより高値で売れるかもしれませんよ。いくつかご紹介します。

総合型フリマアプリ

ノンジャンルでいろいろなモノを出品したい人は、総合型が便利です。

メルカリ

利用者が多いため、売れやすいのがまず魅力。また、バーコード出品など簡単に出品できるシステムも好評です。
手数料は、売上額の10%です。
https://www.mercari.com/jp/

ラクマ

楽天系のフリマアプリで、手数料が3.5%とメルカリよりもかなり安いです。
高額商品はまずラクマで出してみて、売れなければメルカリへ、という方法にしてもいいでしょう。
https://fril.jp/

PayPayフリマ

売上金をPayPayにチャージできるので、キャッシュレス決済でPayPayを使っている人には使い勝手がいいですね。
手数料10%ですが、PayPayでキャッシュバックや還元のあるキャンペーンがよく行われています。
https://paypayfleamarket.yahoo.co.jp/

ジャンル特化型フリマアプリ

特定のジャンルに特化したフリマアプリは、出品するジャンルが決まっている方やマニア受けするようなコレクションを持っている方におすすめです。

ファッション特化型「フリマjp」

洋服、服飾雑貨に特化したフリマアプリです。売れた代金は月2回の振込日がありますが、平日申請すれば、毎日振込可能で、すぐにお金が欲しいときも便利です。手数料は8%です。
https://furimajp.com/

チケットを無駄にしない「チケジャム」

チケジャムは行けなくなったチケットを売る、手に入らなかったチケットを買うことができるチケットアプリです。
手数料は購入者負担で、出品者には登録料も販売手数料もかかりません。なお、不正転売禁止法により転売目的で入手したチケットの売買は禁止です。
https://ticketjam.jp/

アニメグッズに特化した「オタマート」

オタマートはアニメグッズに特化したフリマアプリです。出品されるのは、コミックやDVD、フィギュアの他、コスプレ衣装などもあるそうです。
出品者は購入者を選ぶことができ、入金確認後に発送できるので安心です。手数料は10%です。
https://otamart.com/

フリマアプリの活用がもたらす、これからの時代

フリマアプリの活用がもたらす、これからの時代
(画像出典)PIXTA

一度、販売できてお金が入ってくると、今度は何を売ろうかなという気持ちが芽生えてきます。使わないけどもったいなくて捨てられない、というものは、どんどん手放していくことができるのではないでしょうか。

フリマアプリの活用によって

  • 家は必要なものだけが残り、すっきり!
  • 不用品を活用できる先へ渡すことで、モノの価値が生かされる。
  • 販売代金が手に入る。

という3つの良いことが起こります。

自分にとっては不要になってしまったモノたちが、ほかの人にとっては価値を持って利用される。これは、サスティナブルな動き、つまり環境を乱すことなく継続可能な経済活動です。これからの時代に即していると思います。
フリマアプリによる、モノとお金の循環は、地球にもやさしく、私たちのスタンダードな生活として浸透しつつあります。上手に活用していきましょう。

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