今やイタリアみやげの定番としても知られているカントゥッチ。名前は知らなくとも見かけたことのある方は多いでしょう。
目次
カントゥッチとは?
イギリスではビスケット、フランスではビスキュイ、そしてイタリアではビスコッティ、そう呼ばれているのはいずれも“2度焼いた”という意味を持つ焼き菓子です。その中でも、イタリア中で愛されているビスコッティといえば、カントゥッチ!トスカーナみやげでも有名な、アーモンドが入ったものです。
カントゥッチの歴史は19世紀に遡りますが、その原型は古代ローマ時代にすでに存在していたそう。アニス風味のトーストしたパン、カンテラスとして知られ、2度焼きすることにより長期保存を可能にし、軍事作戦中の軍隊の食料として重要な役割を果たしていたようです。
口にした時のカリッとした音がかわいらしい歌を連想させたことから「小さな歌」という名がつけられたカントゥッチ。今日はその美味しさを最大限に引き出したレシピをご紹介していきます。
カントゥッチのレシピ
一言でカントゥッチと言っても、実はさまざまなレシピが存在しています。今日は私のオリジナルレシピをご紹介していきます。ポイントはオレンジで風味付けをすること。ただし、果汁を入れることにより形成が少し困難になりがちですので、不安な方は最初はオレンジの皮だけでもかまいません。
材料(約30個分)
- 薄力粉 260g〜
- 砂糖 100g
- 卵(Sサイズ) 2個(1.5個は生地用、残りは照り用)
- オレンジ 1個(皮1個分、果汁1/2個分を使用)
- アーモンド 70g
- バニラエッセンス 少々
- ベーキングパウダー 8g
- 蜂蜜 小さじ2
- 塩 少々
下準備
アーモンドの半量をあらみじん切りにしておく。
作り方
それではいよいよ作っていきましょう。これからの時期、小瓶に入れてリボンをするだけでちょっとしたクリスマスプレゼントとしても大活躍しますよ。
1大きめのボウルに卵(1.5個分)と砂糖を入れ、ハンドミキサーで白っぽくなるまでしっかりと混ぜ合わせる。
2蜂蜜、バニラエッセンス、オレンジの皮(1個分)と果汁(1/2個分)、塩を加え混ぜ合わせる。
3薄力粉260gとベーキングパウダーを軽く混ぜ合わせ、3回に分けて2に加える。生地が柔らかすぎる場合、形成ができる状態になるまで薄力粉を追加する。
4アーモンドを加えしっかりと混ぜる。
5打ち粉(分量外)をした台の上に生地を乗せ、棒状に伸ばしたのち、2本に分ける。
6天板にクッキングシートをしき、5を並べる。
7ハケで卵液(0.5個分)をぬり、190度のオーブンで20分焼く。
8きれいに焼き色が付いた状態で一度取り出し、熱いうちに1cm幅に切る。
9切った面が上になるように再度天板に並べ、180度のオーブンで10分焼く。
Profumi e colori “イタリアからの香り”
イタリアでは数日前から冬時間となりました(この原稿を書いている今は、まだ11月3日です)。この時期になると街も少しずつクリスマスを意識し始めます。そしてイタリア人たちはクリスマスメニューやクリスマスプレゼントを考え始めるのです。
長年暮らしていると、このメニューやプレゼントの考案もなかなか大変なものとなっていきます。毎年同じメニューやプレゼントという訳にはいかないので当然といえば当然ですよね。
実はクリスマスだけに関わらず、イタリア人のおもてなしに欠かせないメニューのひとつに「アフェッターティ」というものがあります。「アフェッターティ」は前菜のひとつで、薄切りされたものという意味になります。
おもに生ハムやサラミなどがメインですが、お皿に盛り付けるだけという気軽さも手伝い、大抵どこの家庭に行っても出てくる定番メニューのひとつです。
昨日は死者を弔う祝日だったイタリア。ミラノに転勤になった友人家族が久しぶりに遊びに来てくれたので、ちょっとしたおもてなしをしていた我が家でしたが、もちろん「アフェッターティ」も食卓を飾っていました。
生ハムはグリッシーニに巻くだけでちょっとおしゃれになりますし、とても食べやすくなります。ターキーの薄切りやオリーブも添えて。そして忘れてはいけないのがパンです。イタリア人「アフェッターティ」をパンに添えて食べる習慣があるので、必ず脇にパンバスケットを添えてあげます。