ネトルというハーブをご存知ですか?ハーブに興味のある方は聞いたことがあると思いますが、和名は、西洋イラクサというハーブです。
紀元前3000年ごろからネトルは生活に密着して使われていたことがわかっています。長い歴史を経て現在も使われているということは、それだけ私たちの生活や健康維持にも役立ってきたということですね。
今回はそのネトルをご紹介しましょう。
目次
ネトルとは?
ネトルはイラクサ科の植物で、学名は、Urtica dioica。「Urtica」がイラクサで、「燃やす」というラテン語の語源に由来します。
なぜ燃やすという意味がつけられたのか?それは、イラクサ科の植物には細かく鋭いトゲがたくさんあり、皮膚に触れた箇所は灼熱感とピリピリした痛みが長続きするからだといわれています。
イラクサが自分自身の身を守るために、トゲから植物独自の化合物を分泌するためですが、ドライハーブにしたり、茹でたりすることでそのトゲも問題なく使えるようになります。
ネトルは天然のマルチビタミン!
ネトルにはトゲがありますが、ハーブとして重宝されているのは、人間にとって有効な成分をたくさん秘めているから!
ビタミンやミネラルが豊富に含まれているので、天然のマルチビタミンとも言われています。クロロフィルも多いので、造血作用、貧血予防にもいいですね。
抗ヒスタミン作用があることからアレルギーによるかゆみやくしゃみにも良いとされており、近年は花粉症対策にもなるとして話題になっています。
ネトルの摂り方は?
ネトルの可食部は、葉と茎。見た目はシソ科の青シソやレモンバームの葉に似ていますが、風味は全く違います。
主にハーブティーとして使われることが多いのですが、海苔のような風味とほうれん草のような食感もあり、ヨーロッパでは料理にも使われています。スープにしたり、パン生地やスコーンに練りこんだり、ペーストにしてパスタにも!
ネトルの育て方は?
ネトルはもともと勢力旺盛なハーブですが、日本の高温多湿が苦手で、夏は軒下や木陰に移して栽培することをおすすめします。
ハーブのガーデニングとしてはあまり栽培されていないのは、夏の気候もそうですが、トゲがあるのもひとつの理由かもしれません。
日本のイラクサとは違う?
日本には、野生種としてのイラクサがあります。古くから山菜や野草として食したり、繊維としても使われていたそうで、ミヤマイラクサが比較的知られています。こちらは学名がLaportea cuspidata なので、西洋イラクサであるネトルとは全く違うものです。
レシピ
今回は、とっても簡単なネトルのふりかけを作ってみましょう。ご飯に振りかけるだけでなく、いろいろな応用も可能です。
材料(出来上がり約35g分)
- ネトル(ドライハーブ) 大さじ3
- 炒りごま 大さじ2
- 乾燥小えび 大さじ1
- しそふりかけ 小さじ1
- 青のり 小さじ1
- ごま油 小さじ1
作り方
1乾燥小えびは、ミルサーかすり鉢で細かくしておく。
2炒りごまは、すっておく。
3フライパンにネトルと乾燥小えびを入れて煎る。次に炒りごま、しそふりかけ、最後に青のりを入れて更に弱火で煎る。
4ごま油を入れて固まりがなく、さらさらになるまで全体に馴染ませたら火を止めて皿などに移して広げて冷ます。
5冷めたら密閉容器で保存する。
保存期間は、約1ヶ月。湿気や空気に触れることで香りや風味が徐々に損なわれてきます。保存状態がよければ、もう少し長持ちしますよ。
ふりかけの使い方
ご飯にふりかけたり、おにぎりに混ぜたりするだけでなく、スープにもおすすめ。スープに使うときは、ネトルのふりかけ適量を味噌汁椀に入れてお湯で溶き、醤油を少し垂らしたりしてお好みの味に調整してみてください。
ネトルはどこで買える?
スーパーにはなかなか売っていませんが、通信販売で購入できます。パウダーやお茶もありますが、今回使ったのはネトルの乾燥リーフです。