日本ではイベント的意味合いの強いクリスマス。
一方カトリック教徒のイタリア人にとって、クリスマスは一年で一二を争う大切な日となります。
意外に思われるかもしれませんが、日本では盛り上がるクリスマスイブには、体を清める意味合いを込めてお肉は一切口にしません。お肉を食べるのは、クリスマス当日と翌祝日の二日間、マンマが作ったイタリア料理を食べながら、家族みんなでお祝いをします。
美味しい食事をしながら、大事な人と過ごす時間を大切にする。
それがイタリア式のクリスマスなのです。
目次
クリスマスにいただくプリモといえば、やはりラザニア!
宗教的にも社会的にも重要なクリスマスシーズン、イタリア人はいったい何を口にするのでしょう?
もちろん家庭によりメニューはさまざまです。
しかしなんと言ってもやはり圧倒的な人気を誇るのは、こちら。
ラザニアです。
ラザニアは、イタリアにおけるおもてなし料理として、不動の人気を誇ります。
今日ご紹介するのは、その中でもラザニアの王道。
もっともシンプルでクラシックなラザニアで、今年のクリスマスの食卓を彩っていきましょう。
ラグーソース、ベシャメルソース、ラザニアの仕上げの順に説明します。
ラグーソースのレシピ
基本のラグーソースの作り方からご紹介していきましょう。
本場では牛ひき肉と一緒にサルシッチャと呼ばれるイタリアンソーセージを入れます。
日本では調達が難しいので、サルシッチャはもちろんなくても大丈夫。
サルシッチャの代わりに鶏レバーをいれてもコクが出ますが、豚挽肉で代用可能です。
材料
- 牛ひき肉 200g
- サルシッチャ 1本(100g) →豚ひき肉で代用可
- トマト缶(皮なしのホール) 400g
- にんじん 小1 (100g)
- セロリ 1/2本 (100g)
- タマネギ 小1個(100g)
- ニンニク 1片
- 白ワイン(赤ワインでも可) 100ml
- 肉だし(水でも可) 100ml
- オリーブオイル 大さじ2
- 塩 小さじ1
- 赤唐辛子 適量
下準備
- にんじん、セロリ、タマネギはみじん切りにする。
- サルシッチャを使用する場合、皮から取り出し、牛ひき肉と混ぜ合わせる。
作り方
1鍋にオリーブオイル、ニンニク、赤唐辛子を入れ、弱火でじっくりと加熱する。
2ニンニクの良い香りがしてきたら、にんじん、セロリ、タマネギを入れ、タマネギの色が半透明になるまで弱火で焦がさないようにじっくりと炒める。
3オリーブオイル少々と肉類を加え、中火でしっかりとほぐす。
4鍋底に焦げ目がつき始めたら白ワインを加え、強火でアルコール分を飛ばす。
5鍋底がオリーブオイルだけになったらトマト缶と肉だしを加え、水分がなくなるまで弱火で煮込む。
6塩、こしょうで味をととのえる。
ベシャメルソースのレシピ
次はベシャメルソースです。
ラグーソースを煮込んでいる間にベシャメルソースも作っていきましょう!
小麦粉とバターはできるだけ最小限にし、シンプルな味になるように仕上げていきます。少しゆるいくらいに仕上げるのがポイントです。
材料
- 小麦粉 30g
- バター 30g
- 牛乳 300ml
- 塩 適量
- ナツメグ 適量
作り方
1鍋にバターを入れて弱火で溶かし、小麦粉をふるいながら入れる。
2木べらを使って混ぜ合わせながら、焦がさないように注意して5分ほど加熱する。
3牛乳を少しずつ入れ、とろみがつくまで加熱する。
4塩、こしょう、ナツメグで味をととのえる。
ラザニアの仕上げ
ラグーソースとベシャメルソースができたら、いよいよ仕上げです。
容積にして2Lの耐熱皿で、4~5人分になるサイズです。
材料(24cm×17cm×5cmの耐熱皿1台分)
- ラザニア生地(パスタ) 器に合わせて3層分
- ラグーソース 上記で作った量
- ベシャメルソース 上記で作った量
- パルミジャーノチーズ 大さじ3〜
- モッツァレラチーズ 1個
下準備
- モッツァレラチーズを細かくカットする。
- ラザニア生地を下茹でする(必要な場合)。
- オーブンを180℃に予熱しておく。
【補足】ラザニア生地について
手打ちパスタを使用する場合は、容器の大きさに合わせて3枚ご用意ください。
市販品を使用する場合には、メーカーにより大きさが異なります。ご自身の使用する器に合わせて、3層になるよう、パスタ生地をご準備ください。パスタ生地と器のサイズが合わない場合は、器に合わせてカットしたり、つぎはぎしたりしてサイズ調整していきましょう。
また、パスタの種類によって、下茹でが必要なものと不要なものがあります。可能であれば、下茹でが必要なタイプを使用してみてください。こちらの方が形成もしやすく、ふんわりと柔らかなラザニアに仕上がります。
下茹でしたパスタは、乾燥や生地同士の付着を防ぐ必要があります。乾いたキッチンタオルで重ならないように包んでおくか、刷毛などでオリーブオイル(分量外)を塗っておきましょう。
作り方
1耐熱皿の底をぬらすようにベシャメルソースをサッと敷く。
2パスタ、ラグーソース、ベシャメルソース、パルミジャーノチーズ、モッツァレッラチーズの順に層を作る。
3これを3度繰り返す。
4180℃のオーブンで30分、きれいな焼き色がつくまで焼く。
赤タマネギのトルタサラータのレシピ
こうしてできあがったラザニア。これだけでも、十分に豪華な食卓となります。でもワンランクアップを目指すなら、華やかな前菜があってこそでしょう。
そもそも前菜とは、食欲を刺激するべく食べるもの!
気軽につまめて、あっさりといただける一品がおすすめです。
トルタサラータは直訳すると『塩辛いケーキ』のこと。つまりはケークサレのタルト版です。パイ生地を使い、フィリングをつめて焼き上げます。
今回のフィリングは、赤タマネギをバルサミコ酢と砂糖でキャラメルコーティングをしたものと市販のブルサンチーズ。絶妙な甘さと塩加減が食欲をそそる、そんな前菜としてお楽しみいただけます。
ブルサンチーズは、日本のスーパーでも入手しやすフレッシュチーズです。
材料 (直径24cmの耐熱皿1台分)
- 赤タマネギ 2~3個(250~300g)
- バルサミコ酢 70ml
- きび砂糖 大さじ1
- ブルサンチーズ(ガーリック) 100g
- パイ生地 200から230g
- 塩、こしょう 適量
下準備
- オーブンを180℃に予熱しておく。
- 赤タマネギは繊維に沿うようにしながら、根元を切り落とさないように0.5mm厚に切る。
作り方
1大きめのフライパンにバルサミコ酢と砂糖を加え加熱し、砂糖が完全に溶けたら赤タマネギを重ならないように静かに並べる。
2触らずに5分ほど弱火で加熱し、赤タマネギが柔らかくなったらフライ返しを使ってひとつずつ静かに裏返す。
3バルサミコソースがカラメル状になり、液体がなくなったら火を止め、しっかりと冷ます。
4耐熱皿にクッキングシートを敷き、型に合わせてパイ生地を乗せる。
5フォークで20ヶ所ほど穴をあける。側面も忘れずに!
6. 底面に満遍なくブルサンチーズをぬりこむ。
7冷ました3の赤タマネギをブルサンチーズの上にきれいに並べ、パイ生地の縁をつまみながら内側にきれいに折りたたんでいく。
8. 180℃のオーブンで約25分、きれいな焼き色がつくまで焼く。
Profumi e colori “イタリアからの香り”
この記事を書いている11月中旬、こちらはすっかりクリスマスの気配が感じられるようになりました。
クリスマスツリーもさることながら、目を見張るのはお店のディスプレイです。色鮮やかに包装されたお菓子は、見ているだけでも気分がワクワクしてくるもの!
昨日はイータリー(総合フードマーケット)ローマ店に足を運んでいた私ですが、老舗のチョコレート屋さん『ヴェンキ』の前に釘付けとなりました。『ヴェンキ』は現在、日本にも出店しているので、ご存知の方も多いでしょう。
1878年に北イタリアのトリノで創業した老舗です。最近ではジェラートも有名ですね。
赤や緑が目にも美しいですよね。
一番上に積まれているのは、アドベントカレンダー。
日本でもよく知られるようになったアドベントカレンダは、12月1日からクリスマスイブの24日までをカウントダウンすることを目的に作られています。日にちが書かれた小箱を毎日ひとつずつ開けて、中に入っているチョコレートをいただきます。チョコレートの美味しさはもちろんのこと、クリスマスへの期待感で気分が高揚することこの上なし!
子どもたちにはクリスマスまでのたまらない時間となります。
ヴェンキの隣の催事場には、パネットーネも山積みに!
今年はどんなパネットーネを食べようかと、私もいろいろ物色中です。
Buon Natale!!
みなさまも素敵なクリスマスをお過ごしくださいね。