子供の頃に食べた魚料理で1番覚えているのは「鰆のホイル焼き」です。
食べ終わるのが嫌で、ちまちま食べていたほど。香ばしくて絶妙な味加減。なんとも言えずおいしいおかずでした。
ほわほわの鰆の身とえのきと長ねぎ、そしてチーズとレモン。
チーズは風味を引き立て、全てを丸くしてくれる役割を果たします。大人っぽく意外とあっさりな味わいで、今食べてもやっぱりおいしい!
これは作ってみないとわからない美味しさです。
目次
材料(1人分)
- 鰆(切り身) 1枚
- 塩 適量
- バター 3g
- 白ワイン 小さじ1
- えのき(5cmほどの長さに切る) 20g
- 長ネギ(斜め薄切りにしておく) 5cm
- レモン(スライス) 1枚
- シュレッドチーズ 20g
作り方
鰆の身の方にお塩を満遍なく振ります。10分ほど置きましょう。
その間にアルミホイルを準備します。鰆を載せる面に、バターを塗ります。
塩を振って浮いた水分はキッチンペーパーで抑えます。アルミホイルの上に鰆を乗せ、白ワインを身に向かってかけましょう。
斜め薄切りに切った長ネギ、えのきを乗せます。ぱらぱらと軽くお塩を振ります。
塩味は食べるときにも足せますが、しょっぱくなったらリカバリーできないので、この時の味付けは、気持ち控えめに。
シュレッドチーズを乗せ、レモンスライスを1枚乗せます。
手前と奥のアルミホイルを重ねて折ります。
端も折り込んでいきます。この時折っても良いですし、キャンディのようにねじっても良いです。
魚焼きグリルで焼きましょう。オーブンだと予熱ありで230度くらい。トースターだと1番高い温度で焼きます。写真の鰆ほどの厚みがあれば、15分ほど焼くと良いでしょう。
焦げたような匂いがしたら、様子を見てください。
開いてみて、チーズがじゅくじゅくと沸騰して、えのきがすっかりしんなりしていたら出来上がり。
香ばしく甘い匂いがします。
レモン果肉をぎゅっとお箸で潰しながら召し上がれ。
鰆の身はほくほく。チーズ、えのき、長ネギが食べるソースのようになります。チーズの存在感は控えめでコクと丸みだけを与えてくれます。
あくまで、鰆が主役のお料理です。
作っていると、アルミホイルにバターを塗る役目は私だったなといつも思い出します。
母は魚のホイル焼きをよく作ってくれました。
子供がアルミホイルで巻くというお手伝いの楽しさ、ホイル焼きを厳かに開けた瞬間に家族がわあ!と喜ぶ姿。そういうものも思い出の一つだったのかしらと思います。
それに、魚の切り身とお野菜で作れ栄養バランスにも優れていますし、楽ちんで洗い物が少ないという利点も忙しい母にとって良かったのだと思います。
火の通りがいいものならば、何でも一緒に包むのも楽しいものですよ。目安は生で食べれるもの。トマトやアボカド、キャベツの千切りなども良いかもしれませんね。
私はこのホイル焼きを作っていると「こんなに簡単なのに見栄えしちゃうわね」といつもおかしな気持ちになります。ひとつ、こういうお料理を覚えていると便利なものです。
撮影:今井裕治