年末年始のごちそう続きのあとは、胃腸をすっきりさせるために七草粥をいただきましょう。
セリ科のハーブには、食べ過ぎによって溜まったお腹のガスを排出してくれる駆風作用があります。アブラナ科のハーブは主にデトックスや抗酸化作用が強く、食べ過ぎで起こる体内の不要物質を体外に出して体調を整えてくれますよ。
- せり・芹 セリ科→抗酸化、駆風、整腸、ホルモン調整
- なずな・薺(別名:ペンペン草) アブラナ科 →止血、消炎、消腫
- ごぎょう・御形(別名:ハハコグザ・母子草) キク科→去痰、鎮咳、利尿
- はこべら・繁縷(別名:ハコベ・蘩蔞) ナデシコ科→利尿、浄血、解毒
- ほとけのざ・仏座(別名:タビラコ・田平子) キク科→抗酸化、免疫強化
- すずな・菘(別名:カブ・蕪) アブラナ科→ 整腸、消化促進
- すずしろ・蘿蔔(別名:ダイコン・大根) アブラナ科→整腸、消化促進、保温
昔は、七種類だけでなく、さまざまな種類の薬草を使っていたそうです。
鎌倉時代のあたりから、縁起のいい「七」という数字を使い、七草粥とされたという説もあります。さらに、地域によっても使用する七草の種類もさまざまあるようですね。
早春のまだ寒い時期に顔を出す若菜を摘んで食する。冬は野菜も少ないので貴重なものだったのでしょう。
今のようにおせち調理など美味しいものは庶民には到底手が出ない時代だったはずですが、それでも、新年を迎えるために、いつもより美味しいものをたくさん作って供えて食していたのでしょう。食べ過ぎたお腹をすっきりさせるために、普段使っている薬草などを摘み、お腹に優しいお粥でそれらの薬草を摂取して体を整えていたのですね。
目次
七草粥のレシピ
さあ、そんな時代に想いを馳せながら七草粥をありがたく作ってみましょう。
材料
- 白米 2カップ(今回はお米からお粥を炊きます)
- 七草 適量 市販のものだと1パック
- 水 7カップ
- 塩 小さじ1杯
- 塩(下ゆで用) ひとつまみ
作り方
できれば土鍋がおすすめです。
1七草は、自然のものだと、塩ひとつまみを入れたお湯でさっと湯通ししてアクをとり、みじん切りにしておく。パックに入ったものは洗って水切りしたら、同じくみじん切りにしておく。
2米を洗って30分ほど置いたら、土鍋または、厚手の鍋に、1の米と分量の水を入れ、ふたをして強火にして、吹きこぼれないように注意しながら煮る。煮立ったら弱火にして、すずなとすずしろの白い根部を鍋に入れる。
330分ほどじっくり弱火で炊く。この間、かきまぜないこと。かきまぜると粘りが出てしまいます。
4米が十分柔かく炊けたら、七草の葉部と塩を加えて、軽く混ぜ合わせる。ふたをして弱火で5~6分炊いて仕上げたら火を止めて出来上がり。器に入れていただく。
身近にあるもので七草粥を作ろう
お正月の三が日も明ける頃、スーパーでは七草粥セットのパックをみかけることがよくありますが、今年は普段から見かける野菜や庭のハーブで七草粥を作ってみませんか。
今回は、始めに紹介した一般的に使われている七草と同じ科名の植物(野菜とハーブ)を選んでみました。そもそも、同じ科名の植物は、薬効なども共通することが多いので、こういう選び方も面白いですよね。
〜庭のハーブ〜
- パセリ セリ科→ホルモン調整、抗酸化作用、駆風作用
- ヤロウ キク科→止血、鎮静、免疫を整える、体の浄化
- リーフレタスの間引き菜 キク科→鎮静、免疫を整える、浄化、解毒
〜野菜(和のハーブでもある)〜
- せり セリ科→ホルモン調整 抗酸化 駆風
- 三つ葉 セリ科 → ホルモン調整 抗酸化 駆風
- クレソン アブラナ科 → 消腫、解毒、抗酸化、血管壁強化
- かぶら(赤) アブラナ科 → 消腫、解毒、抗酸化、血管壁強化
さて、これで7種類。
かぶらは赤いものが買い置きであったので、色も鮮やかになるので使ってみました。
アレンジ七草粥を作っていきましょう
作り方は、全く同じ!
- かぶらは他の葉物よりは硬いので、細かく刻んでお米が柔らかくなってきたら入れる。
- 他のハーブや野菜は細かく切って最後に入れて火を止める。
- 葉物も細かく刻んでおく。こちらは最後に鍋にいれます。(緑の葉は煮すぎに注意)
さあ、出来上がり。
器に入れてめしあがれ。
梅干しを添えるとさらに美味しいですね。
何のために食べるのかを考えて自由な発想で
七草粥のアレンジ版、いかがでしたか。
七草粥のセットもいいけれど、普段あるものでも十分使えます。アブラナ科なら冬に美味しい白菜もいいですよね。ハーブやスパイスならフェンネルもおすすめです。
香り豊かな七草粥ができそうですね。