ナッツの女王と呼ばれるピスタチオナッツ。
割れた殻からあらわれる美しい緑色、芳醇でリッチな味わいは昔から多くの人を魅了してきました。
今日はピスタチオオイルの使い方をご紹介します。
目次
ピスタチオナッツの歴史、使われ方
ピスタチオはウルシ科カイノキ属の落葉樹で原産は中央アジアから西アジア。古代トルコ、ペルシャ時代から食べられていた歴史の長いナッツです。やがてローマを経由しヨーロッパに広がりました。現在はイランとアメリカが主な生産地です。乾燥地を好み残念ながら日本では育ちません。
熟した実は外皮が赤く色づき、やがて殻が割れ9~10月に収穫期を迎えます。
手摘みされたナッツは生のままや天日干し、焙煎後塩味をつけてスナックにされたり、料理や製菓用のパウダー、ペーストなど用途に応じて加工されます。産地や加工により味わいや色味も変わってきます。
中東ではハルヴァというヌガー状のお菓子やシロップを染み込ませた甘いパイ菓子バクラヴァにピスタチオをよく使いますね。
また美しい緑色、ピスタチオグリーンを生かしたケーキやクッキー、チョコレート菓子、ジェラートも人気。なんとリキュールも。
イタリア・シチリア島ブロンテ産や日本では珍しいギリシャ産など希少性と味わいから高値がつくものもあります。
日本ではおつまみやお菓子でいただくことが多いピスタチオですが、刻んだものやペーストをお料理のアクセントに使うのもおすすめ。
サラダや肉料理のトッピングやソース、パスタに。濃厚なコクとリッチな香りがプラスされますよ。
ピスタチオナッツの栄養
栄養価をみてみましょう。特徴は食物繊維が多くビタミンEとB群、β-カロテン、カリウム、鉄、亜鉛もバランスよく摂ることができます。
またカロテノイドの一種であるルテインやゼアキサンチンも他のナッツより含有量が多いので目の健康に良いとも言われています。
高血圧やむくみ予防、疲労回復、腸活や美肌のためのおやつにも良いですね。
ピスタチオオイルの特徴と使い方
さてこのピスタチオナッツを焙煎してぎゅっと搾ったオイル、贅沢の極みです。
わずかに緑がかった黄金色の香りの素晴らしいグルメオイルです。メーカーによっては深緑色のものもあります。
日本でもフランスのメーカー数社のものが手に入りますが、高価で珍しいオイルと言えます。
まさにピスタチオナッツを凝縮したような芳醇さとリッチな味わいが楽しめます。
左:Flora Laboアメリカ・カリフォルニア産:軽やかでさらりとした香ばしい味わい
右:ラ・トランジェル・フランス産:少し落ち着いたまろやかな味わい
ピスタチオオイルの脂肪酸組成は約半分が一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸、次いでリノール酸、パルミチン酸、その他になります。
搾ったあとフィルター処理程度のものが多いので微量成分、ミネラルも摂れそうですね。
比較的酸化にも強く扱いやすいですが、ナッツ系オイルの中では原料の特徴が強く出ているものが多いので、料理のベースというよりは仕上げにかける使い方がおすすめです。風味を楽しむためにも開封後はなるべく早く使いたいオイルです。
白身魚など淡白な食材には少しかけるだけでがらりとリッチな印象に。癖のある食材にも負けないのでお肉のグリルやハーブ、スパイスを使った煮込みなどにも回しかけて。
甲殻類のサラダやツナクリームパスタの仕上げ、カツオやマグロの刺身をバルサミコと一緒にマリネ、チョコレートアイスクリームやテリーヌに、イチジクとチーズの盛り合わせにもどうぞ。
確かに高価なオイルですがその威力は想像以上!
例えばいつもの鶏ハムにかけるだけで、何これ素敵な一皿に。焼き鯖を崩してクリームチーズとバゲットにのせ、ピスタチオオイルをかければ極上のおつまみに。
グルメな方へのプレゼントにも太鼓判のオイルです。
ピスタチオオイルが決め手のサラダ2品
今日は私のお気に入りのピスタチオオイルレシピ、火を使わない野菜の前菜2品をご紹介しますね。
思わず何の味?!となるオイルの活躍ぶりを実感していただけると思います。
今回使ったオイル:FloraLabo プレミアムピスタチオオイル
https://www.abura-ya.jp/SHOP/LN_r001.html
にんじんとツナのサラダ
材料(2人分)
- にんじん 1本
- ツナ缶(水煮)1缶
- サワークリーム 大さじ2
- パセリ お好みの量
- 塩コショウ 適量
- ピスタチオオイル 適量
作り方
1にんじんは皮を剥き千切り器でおろし、軽く塩(分量外)を振り少し置いたら水気をしぼっておく。
21に刻んだパセリ、ツナ、サワークリーム、塩コショウを加え全体をよく和える。ツナ缶の汁でサワークリームの濃度を調整しながら馴染ませる。
3お皿に盛り付けたらピスタチオオイルを回しかける。※お好みでパンをそえて
マッシュルームと生ハムのサラダ
材料(2人分)
- マッシュルーム 6~7個
- 生ハム 3~4枚
- リーフレタスなど 適量
- 塩コショウ
- レモン(くし切り) 1個
- ピスタチオオイル 適量
作り方
1リーフレタスは氷水で洗い水気を拭いてお皿へ。生ハムは一口大に割いてその上に。
2マッシュルームは汚れがあれば拭き、3mm程度にスライスして1に盛り付け塩コショウを振る。
3ピスタチオオイルをマッシュルームに行きわたるように回しかけ、レモンをしぼっていただく。
ポイント
にんじんとツナのサラダは、マヨネーズや油漬けのツナ缶を使わずさっぱり作ってからピスタチオオイルをかけます。水煮やスープ煮のツナを選んでください。
マッシュルームは鮮度のいいものの切り立てがベストです。生ハムの代わりにアンチョビでも。一緒に頬張って口の中のマリアージュをお楽しみください。