鳥取県の弓ヶ浜半島を中心に江戸時代から作られている「いただき」。「ののこめし」とも呼ばれ、今でも給食のメニューに取り入れられたり、お惣菜コーナーの常連だったりと地元の人たちに愛されています。
この記事では、そんないただきのレシピや歴史をまとめました。
目次
「いただき」ってどんな郷土料理?
まずは、いただきについての基礎知識をご紹介します。
いただきの特徴
いただきは米がまだ貴重だった江戸時代に誕生した郷土料理で、少量の米でもお腹いっぱいになるようにとたくさんの具材が混ぜ込まれています。
油揚げは、鳥取県では三角形のタイプがポピュラー。手に入らなければ、長方形のタイプを半分にカットしてください。
いだたきといなり寿司の違い
一見いなり寿司のようですが、いただきは生の米や野菜を油揚げに詰め、醤油や砂糖を混ぜた甘辛いだし汁でじっくりと炊き上げて作ります。いなり寿司よりは、炊き込みご飯に近い料理です。
名前の由来
名前の由来については、「特別な行事の時にご近所に振る舞うご馳走であり、『いただく』という感謝の気持ちから“いただき”という名前がつけられたから」「形が中国地方最高峰の大山(だいせん)の頂上(=いただき)に似ているから」など、諸説あります。
また、別名「ののこめし」と呼ばれますが、これは布子(綿の入った昔の防寒着)に似ていることから命名されたそうです。
参考:
鳥取県公式サイト
https://www.pref.tottori.lg.jp/178227.htm
境港市観光協会
http://www.sakaiminato.net/site2/page/community/aji/itadaki/
いただきのレシピ
今回は、三角形の油揚げ2枚と長方形の油揚げ3枚で作りました。
材料(3〜4人分)
- 米 1.5合
- 油揚げ(三角形) 6枚(長方形なら4枚)
- にんじん 1/2本
- ごぼう 10cm
- 干し椎茸(中サイズ) 3枚
- だし昆布 15cm
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- だし昆布の戻し汁+水 600ml
- 醤油 大さじ3
- 砂糖 大さじ3
- 酒 大さじ3
下準備
- 干し椎茸は前日から水で戻します。
- 水にだし昆布を入れて一晩置きます。
- 油揚げは熱湯をかけて湯抜きし、三角形は1辺をカット、長方形は対角線で半分にカットします。
作り方
1にんじんと干し椎茸はみじん切り、ごぼうはささがきにしてから水にさらしてアク抜きをします。
2ボウルに1と研いで水を切った米を入れて混ぜます。
3油揚げの上で麺棒を転がし、口を開きます。
43に2を詰めて、口を爪楊枝で留めます。
5だし昆布を鍋底に並べ、その上に重ならないように4を並べます。※昆布を浸していた水は捨てません。
6<A>を混ぜ合わせて回しかけ、落とし蓋をしてから鍋に蓋をします。
7強火にかけ、煮立たったら中火で20分ほど煮ます。
8鍋の蓋と落とし蓋を取り、弱火で汁気を飛ばしたら完成です。
いただきはお弁当にもぴったり
甘辛いだし汁を吸ったいただきは、できたてはもちろん、冷めても美味しくお弁当にもおすすめです。
切り干し大根や鶏肉を入れると、よりボリュームが出て腹持ちもよくなります。中身の具に決まりはないので、冷蔵庫にある食材を使って鳥取県の郷土料理「いただき」を作ってみてくださいね!