江戸時代から食べられているという、長い歴史をもつ深川飯。当時は深川で大量に獲れたバカガイが使われていましたが、現在はあさりを使うのが一般的です。
そこでこの記事では、2〜4月に旬を迎えるあさりをたっぷりと使った、東京の郷土料理“深川飯”のレシピを紹介します。
目次
深川飯は“ぶっかけ”と“炊き込み”の2種類
深川飯は、大きく2種類に分類できます。
ぶっかけ
深川飯は、忙しい漁師さんたちの日常食として江戸時代に生まれました。ぶっかけタイプは、ざく切りのねぎと生の貝を味噌で煮込み、熱々のご飯にかけて食べます。味噌とあさりの旨味が相まって、コク深い味わい。
深川近辺では貝類が多く獲れていたので、安くて簡単、さらには仕事の合間にサッと食べられるぶっかけタイプの深川飯は、庶民の味として愛されてきたのです。
炊き込み
職人がお弁当として持ち運べるようにと、ぶっかけタイプの深川飯をアレンジして炊き込みにしたのが始まりです。炊き込みタイプは明治時代に入ってから誕生したといわれていますが、現在では駅弁の印象からか、「深川飯」と聞けば炊き込みタイプを想像する方が多いのではないでしょうか。
あさりの旨味が凝縮!深川飯のレシピ
今回は炊き込みタイプの深川飯を紹介します。
材料(3人前)
- 米 2合
- にんじん(千切り) 1/4本分
- あさりの茹で汁 220〜250ml
- しょうが(千切り) 大さじ1/2
- A)醤油 大さじ1と1/2
- A)みりん 大さじ1と1/2
- A)酒 大さじ1
- A)塩 ひとつまみ
- あさり(殻付き) 250g※
- 酒(あさり用) 大さじ1
- 青ねぎ(小口切り) 適量
※バットに水500mlと塩大さじ1を入れてよく混ぜ、あさりを入れて冷暗所で約2時間、砂抜きしておきます。
作り方
1軽く洗ったあさりをフライパンに入れて、酒(あさり用)を振りかけて中火にかけます。
2あさりの口が開いたら火からおろし、殻から身を出します。あさりの茹で汁は使うので取っておきます。
3研いだ米を炊飯器に入れ、にんじん、あさりの茹で汁、A、しょうがを入れ、2合の目盛りまでだし汁を入れて炊飯します。
4炊き上がったらあさりの身を入れて10分ほど蒸らし、切るように全体を混ぜます。
5器に盛って、青ねぎをかけたら完成です。
あさりは別炊きでふっくら!
あさりは火を入れすぎると身が縮み、かたくなります。少し手間ですが別に火入れすることで、ふっくらと柔らかいあさり入りの深川飯に!あさりの茹で汁を入れて炊飯するので、別茹ででもあさりの旨味がお米1粒1粒に行き渡りますよ。
ぜひ、旬のあさりを使った深川飯を自宅で味わってみてくださいね。