長野県の北信地方や安曇野地方の発祥とされる「おやき」は、全国的にも知名度が高い郷土料理です。おやきの中のあんといえば野沢菜が定番ですが、他にも切り干し大根やひじき、なすの肉味噌和えといったおかず系から、あんこやりんごのコンポート、カスタードクリームといったスイーツ系までバリエーションが豊富!
この記事では、おやきの皮と2種類のあんの作り方を紹介しています。栄養満点のおやきをおやつに作ってみませんか。
目次
おやきとは?

信州おやき協議会によると、おやきの定義は以下のとおり。
あえて基本を定義するとすれば…まず、小麦粉やそば粉を水で溶いて練り、それを薄く延ばした皮を使っていること。次に、その皮で野菜や小豆などでつくられたアン(具)が包まれていること。さらに、これを蒸したり、焼いたりして、仕上げられていること。
信州おやき協議会「おやきって何?」
山に囲まれた寒冷地である長野県は、稲作よりもそばや小麦の栽培が盛んだった地域。そのため、粉ものの食文化が深く根付いているのです。
おやきの作り方、今と昔

もともとおやきは表面を素焼きの土鍋で軽く焼き、囲炉裏の灰の中に入れて蒸して作られていました。
しかし現在は囲炉裏のある家庭が少ないため、フライパンや鉄板で作るのが一般的です。その他、蒸し器で蒸したり揚げ焼きにしたりと、地域や家庭によってさまざまな製法で作られています。
おやきは食事?おやつ?
おやきはもともと、農作業の合間に食べる簡易食としての位置付け。一方で、お盆やお彼岸といった行事や仏事などのハレの日の食卓に欠かせない食べ物としても重宝されてきた歴史があります。
現代では、小腹を満たすおやつ感覚で食べる人が多いようです。長野県に旅行すると、高速道路のSA・PAでも販売されていますね。
おやきのレシピ
野沢菜のおやきが定番ですが、スーパーに売っていない地域もあるので、今回は全国的に手に入りやすい材料で作れる「ニラと豚ひき肉」「スイートポテトとクリームチーズ」の2種類をご紹介します。
おやきの皮
冷めても美味しい、もっちり香ばしい皮です。
材料(8個分)

- 中力粉 200g※
- 熱湯 80ml
- 塩 ひとつまみ
※薄力粉と強力粉1:1で代用できます。
作り方
1熱湯と塩を混ぜます。
2ボウルに中力粉を入れて、1を少量ずつ回し入れながら菜箸でぐるぐると混ぜます。

3全体に水分が行き渡ったら、生地がまとまるまで手で2〜3分よく練り合わせます。
4ボウルにラップをして20分ほど生地を休ませます。
5生地を8等分にして、直径10cmほどの大きさに伸ばします。

中央は厚く、縁は薄く伸ばすのがポイントです。
6皮が乾かないよう、使うまで濡れ布巾をかけておきます。
ニラと豚ひき肉のあん

ニラの風味と豚ひき肉の肉汁が美味しい、ガッツリ系おやきです。
材料

- ニラ 1/2束
- 玉ねぎ(小) 1/4個
- 豚ひき肉 100g
- 塩 ひとつまみ
<A>
- 醤油 大さじ1
- 砂糖 大さじ1/2
- ウスターソース 小さじ1/2
- しょうが(すりおろし) 小さじ1/4
作り方
1ニラ、玉ねぎをみじん切りにします。
2ボウルに豚ひき肉と塩を入れて粘りが出るまでよく練り、1を入れて混ぜます。

3<A>を加えてよく混ぜます。
48等分にします。

スイートポテトとクリームチーズのあん

優しい甘さが嬉しい、スイーツ系おやきです。さつまいもの種類は、甘みの強い安納芋やシルクスイートがおすすめ。
材料

- さつまいも(皮をむいた状態) 200g
- クリームチーズ 60g
- メープルシロップ 大さじ2
- バター 10g
- 牛乳 大さじ2〜3
作り方
1さつまいもを柔らかくなるまで茹でます。
2フォークやマッシャーで潰し、熱いうちにメープルシロップとバターを入れて混ぜます。

3牛乳を入れて混ぜます。

牛乳の量はさつまいもの水分量によって増減します。手で丸められるくらいになればOKです。
4クリームチーズと3を8等分にします。
仕上げ(8個分)
1皮の中央にあんを乗せ、あんがはみ出ないように包みます。

閉じ目を下にして並べておきます。
2フライパンにサラダ油(分量外)を入れて強火で熱し、閉じ目を下にしておやきを並べます。
3生地に焼き目がついたら裏返します。

4水(150ml)を入れて蓋をします。

中火で7分ほど蒸し焼きにしたら完成です。
おやきはアレンジ自在!

今回はニラとさつまいもがメインの2種類のあんを紹介しましたが、きんぴらごぼうやポテトサラダを包んだおやきもとても美味しいです。夕飯の残りを使えば、より手軽に作れますね。
栄養満点なおやきはお子さんのおやつにもぴったりなので、ぜひこの記事を参考に作ってみてください。