一般的にもつ煮というと、牛もつをたっぷりの出汁で長時間煮込む料理を想像される方が多いと思いますが、山梨県で食べられているもつ煮はそれとは大きく異なります。
山梨県でもつ煮といえば、甘辛いタレと鶏もつを照りが出るまで煮詰めた「甲府鳥もつ煮」。1950年頃に考案され、今では甲府市内を中心に多くの飲食店で味わうことができるようになりました。
今回はそんな山梨県のご当地グルメ「甲府鳥もつ煮」を紹介します。
目次
「甲府鳥もつ煮」ってどんな料理?

甲府鳥もつ煮を知らないという方もいると思うので、まずはその特徴を確認していきましょう!
もともと捨てられていた食材が主役のグルメ
甲府鳥もつ煮の発祥は1950年頃。甲府市の蕎麦屋「奥藤本店(おくとうほんてん)」の2代目が「捨てられる鶏もつを使って、安くて美味しい料理が作れないだろうか」と思い考案したのが始まりだといわれています。
2010年には第5回 B-1グランプリin厚木でゴールドグランプリに輝き、一気に知名度が上がりました。
複数種類の鶏もつを使うのが特徴
甲府鳥もつ煮は、レバー、砂肝、ハツ、キンカンなど数種類の鶏もつを使います。ふわっとしたレバー、こりこりの砂肝、もっちりとしたハツ、ねっとりとしたキンカンといろいろな食感を楽しめるのが魅力!
ただ、キンカンは手に入りづらい県が多いと思います。その場合は、お好みでうずらの卵の水煮を入れると彩りがよくなりますよ。
タレは照りが出るまでしっかりと煮詰める
一般的なもつ煮はたっぷりの出汁に浸かっていますが、甲府鳥もつ煮は砂糖や醤油などの調味料をとろみがつくまで煮詰め、鶏もつとしっかり絡めます。甘辛い味付けはご飯やビールはもちろん、お蕎麦とも相性がいいですよ。
食感が楽しい 甲府鳥もつ煮のレシピ
では早速、甲府鳥もつ煮のレシピをご紹介します。
材料(2人前)

- 鶏もつ(レバー、ハツ、砂肝など数種類) 250g
- 醤油 大さじ2
- 酒 50ml
- みりん 50ml
- 砂糖 大さじ2/3
- しょうが(千切り) 1片分
- ネギ 適量
- うずらの卵の水煮 お好みで
作り方
1レバーは血の塊や脂を取り除き、食べやすい大きさにカットします。
2ハツは脂を取り除いて半分にカットし、中に溜まった血をキッチンペーパーで拭き取ります。

3砂肝は半分にカットし、青白い部分を包丁で削ぎ落とします。

食べやすいようにさらに半分にカットします。
4鍋にみりん、酒、砂糖を入れて一煮立ちさせたら醤油としょうがを加え、鶏もつを入れます。

5落とし蓋をして、15分ほど中火にかけて煮込みます。
6落とし蓋を取り、水分が飛び照りが出るまで煮詰めます。

うずらの卵の水煮を入れる場合は、このタイミングで入れます。
7お皿に盛り付け、ネギをかけたら完成です。

甲府鳥もつ煮は丁寧に下処理を
ハツは中に血の塊があることが多いので、半分にしてきちんと取り除いてください。そして、砂肝の青白い部分はかたく食感が悪くなるので、削いでおくのもポイント。
甲府鳥もつ煮はしっかりと照りが出るまでタレが煮込んであるのが特徴です。タレが鶏もつとよく絡み、ご飯やビールが進むおかずになりますよ。
ぜひご自宅で甲府鳥もつ煮を作って、山梨県に行った気分を味わってください。