初夏の和菓子、若鮎に元気をもらおう! #和菓子女子の日記

初夏の和菓子、若鮎に元気をもらおう! #和菓子女子の日記

こんにちは、和菓子女子として活動しています、せせなおこです。小さい頃から和菓子が大好きで、その魅力をもっと多くの人に伝えたい!と活動しています。

5月5日の端午の節句、柏餅が終わると、和菓子屋さんには“若鮎”が並び始めます。若鮎は薄いカステラ生地に求肥を挟み、魚の鮎をかたどったお菓子です。若鮎の姿を見ると、春から夏への移り変わりを感じ、夏が大好きな私はとてもウキウキした気分になります。今回は元気に泳ぐ若鮎のお話です。

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もともとは調布というお菓子だった?

若鮎はいつ生まれたんだろう?そんな疑問を解消するために、若鮎の歴史について調べることにしました。

まずは若鮎の形。求肥でカステラ生地を包む、というスタイルのお菓子はなんと岡山県の銘菓“調布(ちょうふ)”からきています。調布は江戸時代に生まれたお菓子。倉敷生まれの菓子職人が京都御所近くで菓子屋を営んでおり、そこで生まれたといわれています。江戸時代末期の歌人、千種有功により、税として朝廷に納められていた手織りの巻き布「調布」に似ていることからその名がつきました。その後、職人は岡山へと戻り、菓子屋を開き、調布は岡山銘菓に。今では大手まんじゅう、きびだんごと並び、岡山三代銘菓となっています。

(画像出典)せせ日和

京都にこの調布があったことから、お菓子自体はそのままに、その姿を鮎に似せて作る若鮎が生まれたとされています。さて、ではなぜ鮎の形が出てきたのでしょうか?それは、若鮎が銘菓となっている、京都と岐阜、この2つの地域の共通する名物がモチーフとなっているから。そうして、私は京都・岐阜へと若鮎の旅に出掛けたのでした。

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岐阜と京都の銘菓になったわけ

鵜飼
鵜飼(画像出典)PIXTA

この2つの地域に共通するのが“鵜飼(うかい)”でした。鵜飼とは、鳥の鵜を使って鮎をとる漁法のひとつ。京都や岐阜の鮎は一級品といわれ、その鮎がモチーフとなって、この若鮎が生まれました。

まず最初に京都で若鮎巡りをした時のこと。初夏から夏にかけての季節であれば、大抵どこのお店でもその姿を目にすることができます。京都の鮎の特徴はその名前と由来。お店の近くにある川、鴨川・加茂川・桂川に由来しているのが特徴です。さらに鮎自体は一つ一つが大きくて、だけどとても品がいいのが印象的。職人さんが一つ一つ焼印を押して作るため、一匹ずつ微妙に顔が違うのもたまりません。うーん、どの子にしようかな…若鮎の目の前に立つとついつい長時間立ち止まってしまいます。

次に岐阜へ行った時のこと。駅に到着してすぐに目に入ってきたのが、売店に並べられた鮎菓子の数々!!!まるで鮎大国に来たような気分でついついニヤニヤしてしまいます。岐阜では、鮎漁が盛んである長良川の鮎をモチーフに明治41年に初めて作られたんだそう。それから、鮎菓子を岐阜銘菓にしよう、と多くの鮎菓子が作られるようになり、今ではたくさんのお店で作られるようになりました。

長良川の鵜飼は岐阜の夏の風物詩として受け継がれ、1300年以上もの歴史があり、織田信長も見物していた、徳川家康はここで食べた鮎が忘れられず毎年江戸に鮎が献上されていたなどのエピソードも。

京都に比べて岐阜は若鮎のラインナップが豊富なのが印象的。大きいものから小さいもの、シュッとした鮎や、ぽってりと大きな鮎、そして、ブルーベリー味(生地も紫色で、中の求肥も紫)などの変わり種も。若鮎をモチーフにしたゆるキャラ「ひあゆ丸」にも注目です。

ちなみに、日本三大鵜飼は岐阜の長良川、愛媛の肱川(ひじかわ)、大分の三隈川(みくまがわ)といわれています。この2つの地域でも若鮎や鮎をモチーフにしたもなかが売られています。

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若鮎の兄弟!?新潟や北海道の中華まんじゅう

お店によって鮎の中は求肥に加えてあんこが入っていたり、はたまた羊羹が入っていたり、変わり種を発見するのも醍醐味の一つです。そんな中、北海道へ行ったときのこと、“中華まんじゅう”というお菓子を見つけました。

どら焼きの皮を半分に折った半月形の中にはこれでもかというほどたっぷりのあんこが入っています。鮎の形こそしてないもののこれは若鮎の兄弟に違いない!と1人でわくわくしてしまいました。このお菓子、北海道では古くから冠婚葬祭の時に用いられてきた歴史あるお菓子なんだそう。そして、新潟ではどら焼きの代わりになるほどこの中華まんじゅうが浸透しているんだとか。

まとめ

一つのお菓子を取り上げるだけで、それに紐づくお菓子が次々に出てくる…まるで和菓子で旅をしている気分です。なかなかお外に行けないけれど、まさか和菓子がいろんな場所へ連れていってくれるなんて。

若鮎は基本的にはあんこが入っていないので、あんこがちょっと苦手…という方でも安心して食べることができます。また、カステラ生地はお茶はもちろんコーヒー・紅茶とも相性抜群!元気に泳ぐ鮎の姿を想像しながら若鮎を楽しんでみてください。

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