大福好きのルーツを探せ! #和菓子女子の日記

大福好きのルーツを探せ! #和菓子女子の日記

こんにちは、和菓子女子として活動しています、せせなおこです。小さい頃から和菓子が大好きで、その魅力をもっと多くの人に伝えたい!と活動しています。

「お腹がすいたー!!今日のおやつは何にしよう!」
冷凍庫の中をのぞいてみると、おやつがなかったときのストック用に保存していたあんもちを発見。
「今日のおやつはあんもちにしよう!!」
20秒程レンジで温めた後、今度はトースターで2~3分。
「ちょっと焦げ目が付いた方がおいしいんだよね〜」
なんて独り言を言いながらお餅が焼けるのを待ちます。

和菓子の中でもとりわけ大福が好きな私ですが、大福文化があまり浸透していない九州でなぜそんなに好きになったんだろう?私の目の前では膨れるあんもちがなんだか訴えるように見つめている…!?そんなわけで、今日は“あんもち”のお話です。

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STORY 1 〜大きな大きなあんもち〜

夏休みや冬休みになると片道1時間半かけて遊びに行っていた、祖父母の家。その途中、必ず寄っていたのが野菜の直売所。小学生の私にはあまり楽しい場所ではありませんでしたが、ひとつだけ、楽しみなもの、それがあんもちでした。

STORY 1 〜大きな大きなあんもち〜

パックの中に5つ入った大きなお餅たち。白いお餅のプレーンと緑のお餅にはたっぷりのよもぎが練り込まれています。柔らかいうちはもちろんそのままでもおいしいのですが、家まで持って帰り、ひとつずつラップに包んで冷凍庫へ。学校が休みの日、大きなあんもちをお昼ごはんにするのがいつもの食べ方でした。

そもそも大福“餅であんこを包んだもの”のこと。さらに歴史を調べると、“焼いたものを大福餅、焼いていないものはあんもちと呼んでいた”という記述も発見。お餅は日持ちがしないため、昔は焼いたものが一般的だったそうです。

なるほど、九州に大福文化はあまり根付いていないものの、私が大福好きになったのはこのあんもちがきっかけだ、ということが今回判明しました。

STORY 1 〜大きな大きなあんもち〜2

あつい!あつい!と言いながらお餅を両手で持って大きな口でパクリ。パリッと香ばしい表面。ビヨーンと伸びるお餅は、まるでマンガのよう。そして、中からはこれでもか!とたっぷりのあんこがとろーっと溢れ出してきます。

STORY 1 〜大きな大きなあんもち〜3

「そうそう、これこれ!!!」
ご機嫌な気分で食べ進めていきます。

このあんもちは地元の農家のおばあちゃんが作っているもの。野菜の直売所で大人気となり、今では百貨店で販売されるほどまでになりました。大好きだったものが手から離れていくようでちょっと寂しくもあるけれど、きっと作ってらっしゃるおばあちゃんもかなりのご高齢。少しでも長く、あんもちが食べられることを願っています。

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STORY 2 〜福岡の銘菓 梅ヶ枝餅〜

そしてもうひとつ、あんことお餅で思い出すものといえば、福岡の名物、梅ヶ枝餅です。梅ヶ枝餅は、太宰府天満宮に祀られている菅原道真に、老婆が梅の枝にさしたお餅を差し上げたことに由来し、名物となりました。(諸説あり)

小さい時から我が家の初詣は太宰府天満宮。1月1日、陽が昇る前に出発し、大勢の人混みの中今年もいい年になりますように!とお参りをする。そして最後に買って帰るのが梅ヶ枝餅でした。参道には多くの梅ヶ枝餅やさんが並び、ガラス越しに製造風景が眺められるのも魅力的。今年はどのお店にする?と言って兄弟喧嘩になったことも。正直お参りよりもこの梅ヶ枝餅を食べられるのが嬉しかった、なんて言ったらバチが当たるかもしれません。

STORY 2 〜福岡の銘菓 梅ヶ枝餅〜1
(画像出典)PIXTA

太宰府天満宮から家までは1時間以上、当時の私にとってはとても長い道のりでした。「ねー、まだつかないの?」と待ち遠しかった行き道も、帰りは梅ヶ枝餅を車で食べていいというルールで、家までの距離もあっという間だった気がします。梅ヶ枝餅が包まれている透明のフィルムをぺろっと剥がし、あつあつのお餅を頬張ると、お参りで冷え切った身体がぽっと温まり、今年も始まるなと感じるのでした。

STORY 2 〜福岡の銘菓 梅ヶ枝餅〜2

大学生になって福岡を離れた時も、初めて会った福岡出身の方と梅ヶ枝餅の話で盛り上がったことがありました。「梅ヶ枝餅はトースターで焼くとおいしい!」「いやいやフライパンにオリーブオイルを垂らして焼くともっとおいしい!」と福岡県民の郷土愛を感じた温かいエピソードです。

STORY 2 〜福岡の銘菓 梅ヶ枝餅〜3

和菓子にハマってから知ったのですが、毎月17日、25日に特別な梅ヶ枝餅が販売されます。17日には古代米を使ったもの、25日にはよもぎを使ったものです。これほど梅ヶ枝餅を食べて大きくなったのに、まだまだ知らないことだらけだなと和菓子の奥深さを感じました。

「なんで大福が好きなの?」
今までそう聞かれても「うーん、好きなものは好きだしな…」とうまく答えることができませんでした。だけど、その答えは意外と身近なところにあって、それは私をつくってきたものだから。こうしてルーツを知ることによって、今までにも増して大福が好きになった気がします。次はどんな大福に出会えるかなぁ〜!!!

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