ゴクゴクと喉を鳴らしてビールを飲んだ夏が終わり、ゆっくり味わって飲みたい季節になってきた。
そんなときに頼りになるのがグラス。
実はビールにはスタイルの数だけグラスがあると言っても過言ではない。
え?ビール専用のグラスなんて持ってない!という人も問題なし。
ワイングラスで飲むだけでも色々なメリットがあるのだ。
ビアエッセイストのおすすめをご紹介!
目次
グラスに入れて飲むべき3つの理由。
まず問わせていただきたい。
ビールを缶や瓶のまま飲んでないだろうか?
瓶のまま飲むことが推奨されている商品もあるにはあるが、極力グラスに入れて飲むことを僕は強くおすすめしたい。
理由は3点。
- 色が楽しめる
- 香りも楽しめる
- 適度に炭酸が抜ける
色が楽しめる
グラスに注ぎたい最も大きい理由はシンプル。色が見えるから。
「この陶器のタンブラーで飲むビールが最高に美味いんだ…」等々こだわりのある人に僕も何度も出会ったけれど、いつも「でも、色が見えないじゃん!」と内心思った。(小心者なので直接物申したことはない)
ビールは金、銅、黒と色彩も豊かだし、濁りの有無もある。まず目で楽しもうではないかと思うのである。
香りも楽しめる
缶や瓶のままだと香りも感じにくい。もちろん、開栓したところから感じられるが、グラスに注いだ場合と比べると一鼻(目の代わりに)瞭然である。味覚の前に視覚と嗅覚で僕は愛でたい。
適度に炭酸が抜ける
また、これはあまり知られていないが、缶には保存のため炭酸ガスが多めに入っている。つまり、缶のまま飲むと過炭酸で刺激が強過ぎる。
グラスに入れて適度に炭酸ガスを抜くことで、理想的なまろやかな味わいになるのだ。
スタイルごとにグラスも異なる深い世界。
よし、わかった。じゃあ、これからグラスに入れるわ!
という方にまず伝えておきたいのだけれど、ビールには100種類以上のスタイルがある。
そうなると、グラスの種類も膨大なのだ。
パイント型、フルート型、ゴブレット型、チューリップ型…など数え切れないほどのグラスの型が世の中には存在している。また、このスタイルにはこのグラスを!というピンポイントのスタイル専用グラスがある。
有名なのがドイツはシュピゲラウ社製のIPAグラス。
※IPA=大量に投入したホップの香りが豊かなエールビール。
このグラスのポイントは下半分。よく見ると、下の脚の部分が波打っている。
グラスを傾けて飲むたびに毎回ビールがここに流れ込み、泡立つと同時にホップの香りと苦みが強調されるのだ。そして、最上部にかけてすぼんでいくことで、香りがダイレクトに鼻に飛び込む設計になっている。
IPAグラスだけではなく、ピルスナー、スタウト、インディアペールラガー、バレルエイジド、アメリカンウィート、ヘーフェヴァイツェンなどなどたくさんのラインナップがある。
ちなみに、僕はだいたい持っているので、スタイルに応じてグラスを使い分けている。(ビール沼に浸かっている人は僕と同様だと思う)
ワイングラスで「ゆっくり味わって飲もう」モードに。
いやいや、そんな専用グラスなんて持ってないし!
そもそも、食器棚に置くところないよ!
あえて沼にはハマりたくない!
という人がほとんどだと思う。うちも食器棚のグラス置きの大部分をビアグラスが占めており、妻から苦々しく思われているのである。 (すまぬ)
そこでおすすめしたいのが、どんなビールでもワイングラスで飲む、という方法。
家にワイングラスの1つくらいはあるだろうし、たとえなくても100円ショップで購入可である。
このメリットは3点。
- より香りが楽しめる
- 熱が伝わらない
- チビチビ味わおうという気持ちになる
もちろんワイングラスにも色々な形があるけれど、その細かい種類は問わない。
いずれも香りを楽しめる構造になっていることは共通だ。
また、脚の部分を持って飲むために手の熱が伝わらず、冷えたままで飲める。もしハイアルコールビールなどで少し温めたいときはボウル部分を手で包み込めばいい。
そして、これが本当に大事なのだけど、ワイングラスに入れるだけでどういうわけか人間は「この液体をゆっくり味わって飲もう」と考える習性があるようなのである。反対にジョッキに入れるとつい荒々しく飲み干してしまう。
今夜からできるビールを美味しく飲む方法。
それは、ワイングラスに入れる。
だまされたと思ってぜひお試しあれ!