ペットとの旅行の注意点!楽しく安全に過ごすための注意点を獣医師が解説

ペットとの旅行の注意点!楽しく安全に過ごすためのポイントを獣医師が解説

日常を離れて旅行に出かけてみると、世の中には見たことのない景色や美味しい特産品などたくさんの楽しみがあふれていることに気付かされます。
もし犬や猫などの愛するペット達と一緒に旅行に出かけることができるのならなんと素晴らしいことでしょうか。

しかし、ペットに慣れない行動を強いることになる旅行にはどうしてもリスクが伴います。
この記事では犬や猫、エキゾチックアニマル(犬猫、家畜、鳥類以外の動物)とお出かけをする際に気を付けなければならない注意点について、獣医師がわかりやすく説明しています。

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旅館やホテルの探し方と確認事項

旅館やホテルの探し方と確認事項
(画像出典)PIXTA

旅館やホテルの中には、ペットと一緒に宿泊できる施設もあります。
そのような宿泊施設ではペットを同伴する際のルールが定められていることが多いです。ペットの安全のためはもちろん、旅先でのトラブルを避けるためにも事前にしっかりと確認するようにしましょう。

受け入れ可能な動物の種類や年齢

ペットと一緒に宿泊できることを謳っている宿泊施設でも、すべての種類の動物が宿泊できるわけではありません。
また、仮に犬が宿泊できる施設であっても「大型犬は不可」など細かい条件がある場合もあります。1歳未満の若齢動物や高齢動物では健康面での不安があるため宿泊を断られてしまうこともあります。

ワクチンネーションの有無

他の宿泊者のペットとの間で感染症が蔓延しないように、各種のワクチン接種や寄生虫予防薬投与を宿泊の必須条件としている場合があります。施設によってはワクチン接種証明書の提示を求められる場合があるため、証明書が必要かどうかも確認しましょう。

なお、詳しくは後述しますが、条件にかかわらずワクチン未接種・寄生虫予防薬未投与での宿泊はおすすめできません。

ペットの宿泊場所や旅先の気候についての注意

ペットと宿泊できる旅館やホテルであっても、飼い主と同じ部屋には宿泊できず、犬舎での宿泊や玄関にクレートを設置しての宿泊のみ可能な場合もあるため注意しましょう。
部屋に入れる場合でも、「ケージから出さない」「ベッドに乗せてはいけない」「マナーウエア必須」「レストランは不可」など、細かい条件があることもあります。

また、旅先の気候がペットに適しているのかもきちんと確認しておくようにしましょう。もし気候が適していないときには、ペットの宿泊する場所が常にエアコンによって温度が保たれているのかどうかも注意しておくべきです。

電話確認は必須

ペットと宿泊できる旅館やホテルを調べる際は、インターネット上の情報だけではなく、施設に直接連絡して確認することも重要です。
特に猫やエキゾチックアニマルなどの動物は旅館やホテルにとって宿泊を想定していない場合もありますし、ルール変更が反映されていないケースもあります。
トラブルを避けるためにも、必ず電話で直接確認をするようにしましょう。

メールやSNSのDMでも構いませんが、メールやDMをきちんと確認しない施設もあるので、返事やリアクションがない場合は必ず電話してください。

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旅行中の注意点

旅行中の注意点
(画像出典)PIXTA

ペットとの旅行では思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。楽しい旅行が台無しにならないよう、事前に注意点を把握しておきましょう。

車で移動する場合

旅行先までの道中では、ペットが疲れてしまわないように気を使ってあげましょう。
移動時間が長くなりそうな場合には、ペットに食事や水分、トイレ休憩をとらせてあげられるような場所を事前に調べる必要があります。
また、飼い主の食事の時にペットをどうするかもあらかじめ考えておきましょう。
ペットを同伴できない飲食店を利用する場合には、飼い主が交代で食事を摂る、テイクアウトを利用するといった方法を検討しましょう。

公共交通機関で移動する場合

電車やバス、フェリー、飛行機といった公共交通機関を使って旅行する場合、さらにいくつか注意すべきことがあります。

まず、これらの乗り物は様々な乗客が利用するためペットを持ち込む際のルールが厳密に定められています。事前にルールをきちんと把握するようにしましょう。

そして、乗り換えなどの待ち時間にペットが室外で過ごさなければならない場合もあるため、温度管理をどのように行うかをしっかりと考えておく必要があります。

飛行機では、動物は客席に同伴できず、荷物として預けることになりますし、気圧差や温度差によってペットの体調が著しく悪化する可能性もあります。
もし飛行機でペットを旅行に連れていく場合には、かかりつけの獣医師に相談し、リスクをしっかりと理解した上で出かけるようにしてください。

海外旅行は特に注意する

海外旅行にペットを同伴させるときには、非常に大きな注意を払う必要があります。

日本とそれ以外の国の間を移動する場合は、動物によって伝播する感染症を防ぐために各国で動物検疫を受ける必要があります。これは各国の法律で厳密に定められているもので、ワクチネーションや寄生虫予防などについての厳しいルールと手順を守る必要があり、不備があった場合には出入国ができなくなる可能性もありますし、動物種によってはそもそも出入国できないものもあります。

海外赴任に動物を同伴させるといったやむを得ない場合を除いて、ペットと海外旅行をすることはあまりおすすめしません。もし、ペットを連れて海外旅行したい場合は、まず農林水産省動物検疫所に連絡するようにしてください。

宿泊時の注意点

ペットと旅館やホテルに宿泊しているときには、事故やトラブルを避けるためにペットから目を離さないようにしましょう。もし、粗相や家具の損壊などペットが問題を起こしてしまった場合、必ずすぐに宿泊施設のスタッフに連絡するようにしてください。

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事前準備は万全に

事前準備は万全に
(画像出典)PIXTA

ペットとの旅行に出かける前に、旅行中に必要な持ち物や、ペットのしつけ、ワクチネーションなどの大切な準備を済ませておく必要があります。
また、旅行中の脱走や病気などのもしもの時への備えも万全にしておくと安心です。

ペットの持ち物を忘れない

旅行中のペットの食事や水、トイレ、キャリーやクレート、ワクチン証明書などの持ち物は人間のグッズとは別にリスト化し、忘れないように準備しましょう。
旅行のシミュレーションとしてペットを連れた日帰りで遠出をして、必要な持ち物の洗い出しをしておくのもおすすめです。

ペットのしつけとワクチネーションを徹底する

ペットが他のペットを噛まない、無駄吠えしない、粗相しないなどの基本的なしつけと、狂犬病ワクチン、混合ワクチン接種などのワクチネーションは多くのホテルや旅館を利用する際に必要になります。
なお、ワクチン接種とフィラリア、ノミ・ダニなどの寄生虫予防ついては宿泊施設のルールに書いていなくても行っておくことをおすすめします。

ペットの食事について把握・準備する

旅館やホテルではペット用の食事を提供している場所もあります。
犬や猫などのペットではアレルギーや中毒を防ぐために完全栄養食のみを与えて飼養することが望ましいため積極的におすすめはできませんが、一緒に特別なごちそうを食べるのが楽しい思い出になるのも事実です。
もし普段の食事と異なるものを食べさせる場合には、使われている食材や調理法を事前に確認し、飼い主の責任で充分に注意して与えるようにしてください。

ペットの脱走に備える

旅先でペットが脱走する可能性も、考えておく必要があります。
マイクロチップの挿入や首輪への犬鑑札の取り付けなどによって、飼い主の情報が公にわかるようにしておくことで、脱走時に飼い主のもとまで帰ってこられる確率が高くなります。
また、旅行先の地域を管轄する保健所と警察署を事前に調べておき、脱走時にはそのどちらにも連絡を入れるようにしてください。

ペットの病気に備える

旅先でペットの体調が悪化したときに、受診できる動物病院を調べておきましょう。
高齢の動物や慢性疾患などの持病を持つ動物を旅行に同伴させるときには、かかりつけの獣医師に相談しておくと安心です。

ペットの種類別の注意点

ペットの種類別の注意点
(画像出典)PIXTA

いままでご紹介してきた内容は、どの動物でも共通です。
しかしペットの種類によって特性や身体の特徴などが異なることがあるため、ここからは種類別の注意点をご紹介します。

犬は比較的お出かけがしやすい動物です。日頃から基本的なしつけをきちんと行い、キャリーやクレートに入っての外出に慣れさせておくことで、安心して旅行に同行できるようになります。
しかし、犬の性格によってはお出かけに強いストレスを感じる場合もあるため、無理はさせないようにしてください。

猫は神経質な動物であり、キャリーやクレートでの移動や、ホテルや旅館の宿泊といった住居の変更に強いストレスを感じることも少なくはありません
猫はストレスを感じると食事や飲水、排泄をしなくなる場合もあるため、性格をみて旅行の計画を立てるようにしましょう。

エキゾチックアニマルや鳥類

エキゾチックアニマルとは、ウサギやハムスター、爬虫類など、犬猫、家畜以外の動物のこと。鳥類もですが、温度や食事に特殊な管理が必要な動物が多いです。
まず旅行中にその環境が維持できるのかを、しっかり考えるようにしましょう。ウサギのように非常にストレスに弱い動物もいるため、旅行の計画を立てる前に必ずかかりつけの獣医師に相談するようにしてください。

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まとめ

まとめ
(画像出典)PIXTA

今回はペットとの旅行での注意点について解説しました。
最後に記事の要点をしっかりと見直しておきましょう。

・ペットと宿泊できる旅館やホテルにはルールが定められている。
・ルールにはワクチン接種歴やしつけの有無などが含まれていることが多い。
・ペットと旅行するときには道中や宿泊中にトラブルが起きないように立ち寄る施設や宿泊施設の情報を調べておく必要がある。
・ペットと旅行する前に、旅の持ち物の準備、脱走・病気などへの備えを行う。
・ペットの種類や性格や体質を考慮して旅行の計画を立てる。

ペットと出かける旅行は最高の時間を演出してくれるでしょう。トラブルによって旅行を台無しにしないように慎重に旅を計画するように気を付けてください。

〇参考文献
厚生労働省:犬の鑑札、注射済票について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/10.html
環境省:犬と猫のマイクロチップ情報登録に関するQ&A
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/chip_qa.html
農林水産省:ペットの輸出入
https://www.maff.go.jp/aqs/animal/index.html

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