こんにちは、在英ライターの山田志桜里です。年が明けたかと思えば、早いものでもう3月。ロンドンも寒さのピークを超え、少しずつ春の足音が近づいてきています。
今年最初の #ロンドン女子の英国日記 では、茶葉を使った美味しい紅茶の淹れ方をご紹介しました。茶葉で紅茶を楽しむとなると、こだわりたいのがティーセット。お気に入りの茶器を使うと、いつものティータイムもより楽しくなります。

デパートや専門店で新しいティーセットを揃えるのもいいですが、私がよく足を運ぶのはイギリスのあちこちで開催されている「アンティークマーケット」。
先日、新しいポットを探しに、お気に入りのマーケット「サンベリーアンティークマーケット(Sunbury Antiques Market)」に行ってきたので、その時の様子をお届けします。
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サンベリーアンティークマーケット
サンベリーアンティークマーケットが開催されているのは、ロンドン郊外にある「ケンプトンパーク競馬場」。ロンドン中心部から競馬場の最寄り駅(ケンプトンパーク駅)までは、電車で40分ほど。ちょっとしたお出かけにはぴったりの距離です。

毎月第2・最終火曜日の開催となっていて、マーケット開催日は、広い競馬場内がこだわりのアンティーク品を並べた出店で埋め尽くされます。それぞれのお店をゆっくり吟味しようと思うと、1日ではとても足りないほど!
40年以上続く歴史あるマーケットであることもあり、観光客からローカルの方まで、多くの方で賑わっています。

マーケットは6:30〜14:00までとなっていますが、掘り出し物を見つけたいなら、早めの到着がおすすめ。この日は自宅から乗ることができる一番早い電車に乗って、8:30頃に到着しましたが、それでも既に混雑していました。

マーケットでのお買い物は、まさに宝探しのよう。アクセサリーやお洋服、古雑誌や雑貨。屋外のスペースではソファや家具まで、様々なアンティーク品が並んでいます。
例えばこちらは古いティースプーン。1つ1ポンドで販売されていました。※2020年2月現在、1ポンド=約143円

こちらは雑貨好きの方の間で人気の高い、昔のトゥースペースト(歯磨き粉)容器。

手のひらサイズの小さな容器で、ピアスやリングなどの小物を入れても、並べてインテリアにしても可愛らしいです。
模様やレタリング、ロゴはもちろん、販売されてた年代もそれぞれ異なり、一つ一つ手に取りながら眺めていると、出店のオーナーさんが商品についての説明をしてくださいました。
どの年代にどう使われていたもので、今はどのくらいの価値がつけられているのか、オーナーさんはその商品とどのように出会ったのか。オーナーさんから直接、それぞれの商品の歴史やストーリーを詳しく伺うことができるのも、マーケットでのお買い物の醍醐味です。
今手元にある商品が、長い歳月を超えて、いろんな人の手を渡って今ここにあるのかと思うと、とても一言では言い表せない不思議な感情が湧いてきます。
ちょっと寄り道をしてしまいましたが、私のお目当てはティータイムに使用する茶器。数ある出店の中を早足で巡りながら、自分好みのポットや銀食器を探していきます。

まず惹かれたのは、風情たっぷりの昔ながらのカトラリーたち。レリーフが美しいものが多く、スプーンのサイズはティースプーンにもジャムスプーンにもぴったり。

同じ模様のものが束になっていて、すべて一束5ポンド。レリーフが美しいものが多く、普段好き嫌いがはっきりしている私でも、この時ばかりは目移りしてしまいました。
こちらはテーブルの下に置かれていたボックス。大皿やカップ&ソーサー、ポットやミルクジャグが全部セットで40ポンドという破格のお値段です。

購入するかどうかしばらく悩み、何度かお店を行ったりきたりしていると、オーナーさんが10ポンドの割引をオファーしてくださり、30ポンドで購入することができました。
そう、マーケットでは値段の交渉も可能ですので、欲しいけど少し手が少し届かない……という場合は、オーナーさんに値下げ交渉をしてみるのもいいかもしれません。
そうこうしているうちに、段々と周りの出店が店じまいの準備に取り掛かっていきます。

マーケット全体の終了時間は14:00となっているのですが、12:00頃には片付けを始める出店が多く、正午を過ぎた頃には、今までの活気が嘘だったかのように人が引いていきました。
マーケットでの購入品
今回のマーケットでは、シルバー食器を中心に購入。まさに「早起きは三文の徳」という言葉がぴったり、早起きをして出かけた甲斐がありました。
こちらは、小さめサイズの銀スプーンとフォークです。購入時は少し汚れている場合も多いのですが、シルバーポリッシュなどを使えば、ピカピカになります。

お値段は、一束5ポンドでした。
お次のこちらは、銀のサービング・トレイ。取っ手の部分は取り外しも可能で、取っ手を外せば蓋部分もトレイとして使用することができます。

1870年代、ヴィクトリア朝の時代に使用されていたものだそうで、まだまだ中もピカピカでした。お値段は25ポンド。
見かけた瞬間すぐに購入を決めたのが、繊細なレース模様が綺麗な銀のポット。先ほどご紹介したサービングトレイと同様、1870年代ヴィクトリア朝の時代のものです。

サービングトレイと同じお店で購入したので、オーナーさんが20ポンドを5ポンドに値下げしてくれました。
オーナーさんと積極的にお話をすること、同じお店で複数商品を購入することが、値下げ交渉のコツとも言えるかもしれません。
最後はこちらの、銀のティーセット。紅茶用のポット、差し湯用のポット、シュガーポット、ミルクジャグの4点セットで70ポンド。

今から100年ほど前、1922年に結婚されたカップルにウエディングギフトとして贈られたものだったそう。あまりご使用になっていなかったのか、まだまだ綺麗なままで保管されていました。
元々銀のトレイはついていなかったのですが、追加で購入するか悩んでいたところ、オーナーさんがご好意で無料で譲ってくださいました。
アンティークマーケットで掘り出し物探し
今回は、私がティーセットを購入する際によく足を運んでいる「サンべリーアンティークマーケット」の様子をご紹介しました。
素敵なオーナーさんや、素敵な商品との出会いに溢れているマーケットは、歩いて回るだけでも十分にその雰囲気を楽しむことができます。今回ご紹介したマーケットのみならず、ロンドンの中心部でも様々なマーケットが開催されているので、ご機会があればぜひ足を運ばれてみてください。

何十年もの歳月をかけて、様々な人の手を渡り、自分の元にやってきた雑貨たち。これから一緒に素敵なティータイムを過ごしていくのが楽しみです。
サンべリーアンティークマーケット(Sunbury Antiques Market)
公式サイト: https://www.sunburyantiques.com/
公式Twitter: https://twitter.com/SunburyAntiques