奈良「鹿猿狐ビルヂング」を遊び尽くすには?お買い物や名店グルメ、限定グッズも

奈良「鹿猿狐ビルヂング」を遊び尽くすには?お買い物や名店グルメ、限定グッズも

2021年春にならまちにオープンした、「鹿猿狐ビルヂング」。
こちらは、中川政七商店・猿田彦珈琲・㐂つね(きつね)が展開する複合商業施設。
お買い物やグルメ、ものづくり体験を始め、様々な魅力がぎゅっと詰まっています。

例えば、スペシャルティコーヒーやミシュラン一つ星の名店によるすき焼き!
100余年の歴史を持つ町屋のお座敷でのお抹茶体験!
鹿猿狐ビルヂング限定のオリジナルグッズ!

魅力が多すぎて戸惑ってしまいそうな鹿猿狐ビルヂング。
その歩き方・見どころから限定商品までご紹介します!

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「鹿猿狐ビルヂング」はならまちに

「鹿猿狐ビルヂング(しかさるきつねびるぢんぐ)」があるのは、奈良で人気の観光エリア・ならまちの一画、猿沢池のほど近く。2021年4月14日にオープンしました。

“鹿猿狐”との個性的な名前から、「何をする場所なの?」と不思議に思ってしまう方も多いのではないでしょうか?鹿猿狐ビルヂングは、手績み手織りの麻織物を中心とした工芸品で全国的に有名な「中川政七商店」初の複合商業施設。奈良に本店を構える中川政七商店の“鹿”、猿田彦珈琲の“猿”、㐂つねの“狐”、3匹が集う建物であることから“鹿猿狐ビルヂング”と名付けられました。

伝統的で、近未来的。ちょっと不思議なビルヂング

鹿猿狐ビルヂングの設計は、日本を代表する建築家の一人、内藤廣氏。建物は現代技術を駆使した鉄骨造でありながら、軒裏に吉野ヒノキを用いた伝統的な瓦屋根が周囲の景観とマッチしています。ガラス張りの近未来的建物ながら歴史あるならまちの街並みにすんなりと馴染む、ちょっと不思議な空間です。

そしてビルヂング中央に通っているのは、ならまちの細い道がそのまま続いているような路地。

ビルヂングの路地は中庭に続き、ならまちに元々あった路地へと続いていく形。近隣にある築100余年の町屋を活かした店内でお買い物ができる「旧 遊中川 本店」(中川政七商店 奈良本店の一部)、本格的なお抹茶をいただき体験もできる「茶論(さろん) 奈良町店」、中川政七商店の300年の歴史を体験できる「時蔵(ときぐら)・布蔵(ぬのぐら)」へも巡ることが出来ます。

今回はこれらの施設も併せて、鹿猿狐ビルヂングをトリビアいっぱいにご紹介!
鹿猿狐ビルヂングの魅力を、「買う」「食べる」「体験する」「知る」「集う」の5つのカテゴリーに分けて見ていきます。

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「買う」

鹿猿狐ビルヂングでのお買い物は、鹿猿狐の“鹿”である「中川政七商店」で!

本店たる品揃えがすごい!「中川政七商店 奈良本店」

「中川政七商店 奈良本店」は、鹿猿狐ビルヂングの1F・2Fエリア。1Fには奈良土産におすすめのグッズがぎゅっと揃っています。そして本店ならでは品ぞろえが楽しめるのが写真の2F!

全国の中川政七商店の店舗では中川政七商店ブランドの商品のほかに、パートナー企業などの商品も併せてご紹介しています。ただし中川政七商店創業の地である奈良本店の2Fでは特別に、中川政七商店の商品のみを取りそろえ。800を超える作り手と共に作り上げられた、約3,000点もの商品が並んでいます。

特にチェックしたいのが、「政七紋」シリーズ。鹿猿狐ビルヂングのオープンと同時期にデビューした紋様です。日本の伝統的な紋様である格子紋のようでいて、よく見ると「七」と「工」の文字が隠れていますよ。七の字は「政七」から、そして工の字は「工芸」から。「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げる中川政七商店ならではの、伝統を踏まえて未来へと広がっていく紋様です。

100余年前の町屋店舗をリニューアル「中川政七商店 奈良本店(旧 遊中川 本店)」

中庭を挟んで繋がっているのが「中川政七商店 奈良本店(旧 遊中川 本店)」。1985年、中川政七商店が小売事業を始めた場所が、リニューアルされて今も使われているのです。

ここではお買い物を楽しみながら、ぜひインテリアも気をつけて見てみてくださいね。例えば、天井には中川政七商店の原点である麻布を検品する際に使われた竹竿が残っていたり、当時普及し始めていた電話用の小部屋が店内奥で試着部屋になっていたりと、長い歴史の名残をあちこちに見つけることができますよ。

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「食べる」

食べる楽しみは3店舗。奈良初出店となるスペシャルティコーヒー店「猿田彦珈琲」、ミシュラン一つ星掲載店による初のすき焼き店「㐂つね」、茶道の新しい楽しみ方・学び方を提案する「茶論」です。

スペシャルティコーヒーで一息「猿田彦珈琲」

猿田彦珈琲は、東京・恵比寿に本店を構えるスペシャルティコーヒー専門店で、鹿猿狐ビルヂング店が奈良初の店舗となります。
店名は、『みちひらき』の神様、三重県伊勢市の猿田彦大神から拝受されているそうです。

3店舗の中で唯一モーニングがあり、9:00〜10:30はコーヒーを注文すると+110円で有機バターのハーフトーストをつけられます。こちらでモーニングコーヒーをいただいたら幸先良く1日をスタートできそうですね。

イートインのほかに、ドリンクと、パンやアイスなどの一部のフードはテイクアウトもOK。特に和風でモダンなテイクアウト用カップは、ならまち散策のお供にもぴったりの和情緒ある可愛さです。

カレー
(画像提供)猿田彦珈琲

また鹿猿狐ビルヂング店では特別に、中川政七商店の萬古焼(ばんこやき)のお皿で提供されるメニューも。酸味が抜けるまでソテーしたトマトにたっぷりのバターを加えた、奥深い味わいの「欧風バターチキンカレー」と、赤ワインで真空マリネした牛肉をソテーして煮込み、ブラウンマッシュルーム、ぶなしめじなどを加えた「ビーフストロガノフ」の2種類で、猿田彦珈琲では初展開となるメニューです。

ミシュラン一つ星店によるすき焼きレストラン「㐂つね」

「㐂つね」は代々木上原にあるミシュラン一つ星掲載店「sio」による、すき焼きをメインにコースでいただけるレストラン。コースのほかにも、「㐂つねすき焼き重」「すき焼きちらし重」「㐂つねうどん」などのメニューが楽しめます。

特にすき焼き重は三角のお揚げが乗っていて、“狐”らしさも楽しめる人気のメニュー。優しい甘さのお肉に酢飯と紅ショウガで、重すぎずさっぱりめにいただけますよ。

また、奈良ならではの食材がたっぷり楽しめるのも魅力。お冷やは奈良県天川村のごろごろ水、割り下に使うのは安政元年(1855年)創業の奈良の砂糖商・砂糖傳増尾商店の米あめ、サラダのドレッシングには奈良県名物である柿の酢が使われているなど、奈良の美味しいものをたっぷり味わえます。

テイクアウト商品
(画像提供)鹿猿狐ビルヂング

㐂つねすき焼き重にはテイクアウトメニューもあります。すき焼きがテイクアウトできるなんて、ちょっと驚いてしまいますね。テイクアウトの場合は残念ながらサラダ・おみそ汁・自家製ぬか漬けはつきませんが、その分、少しリーズナブルな価格なのが嬉しい!

お抹茶の飲み比べや自点て体験もできる「茶論」

茶論があるのは、先にご紹介した「中川政七商店 奈良本店(旧 遊中川 本店)」と同じ町屋の中。100余年の歴史を持つ町屋のお座敷で、本格的なお抹茶や生菓子がいただけます。

壁を雅に彩る屏風は、江戸時代後期の画家・内藤其淵(ないとうきえん)氏の作品。鹿の絵に優れ、「彼の描いた屏風の鹿を本物と思い、牡鹿が屏風に突進した」との逸話がある人物です。

茶論の主役はお茶。濃茶、薄茶、濃茶ラテ、日本茶など、様々なお茶をお菓子と共にいただけます。特に人気なのが、自分でお抹茶を点てられる「自点て(じだて)」。スタッフが隣について教えてくれるので、まったくの茶道初心者でもOKですよ。

「体験する」

体験は、大きく分けて2種類。歴史あるお蔵「布蔵」の中で年代ものの機織り機を実際に使用する「機織り体験」と、気軽に奈良の工芸に触れられるワークショップです。

「布蔵」で機織り体験

布蔵は町屋の貯蔵庫を改築した蔵。中には年代不詳の機織り機や、麻糸や麻を紡ぐ糸繰り機などが設えられています。
展示品かと思いきや、なんと実際にこちらの貴重な機織り機を使えるのです。プロジェクターを使った説明を受けながら、中川政七商店300年のものづくりの原点である「麻のものづくり」を体験できますよ。
終了時には限定の、手績み手織り麻のポーチが受け取れます。(布蔵体験:約1時間/土日開催/要予約)

奈良の工芸を体験できるワークショップ

気軽に奈良の工芸に触れることができるのが、各種のワークショップ。特に「麻はがきづくり」は、中川政七商店ならではの手績み手織りの麻のはがきを使い、染め型を使って図柄をステンシルしていくワークショップです。
自分で絵を染めたはがきはそのまま持ち帰りOKなので、旅の思い出にもおすすめ。ほかに「茶杓削りワークショップ」などもあります。(開催日限定/要予約)

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「知る」

1716年に奈良晒(ならさらし)の問屋業を始めた中川政七商店。ここはその創業の地だけあり、豊かな歴史が残されています。建物の随所にも残されているその歴史を見学できるのが「時蔵」です。

「時蔵」で知る中川政七商店の歴史

時蔵は、2016年に中川政七商店の創業300周年を記念して整理した資料を年代ごとの桐の箱に収めた、まさに「時間の蔵」。桐の箱は未来の分もあり、実に421年分・156箱があります。

また実際に創業当時使われていた貴重な品々や、コンセプトアートなどの展示や紹介も。創業時から変わらない中川政七商店のものづくりの心や、「工芸の復活には、ものづくりだけでなく、それを生み出す産地自体が活性化することが必要」との考え方、産地へ人を呼び込む「産業観光」の実現として「鹿猿狐ビルヂング」がオープンする流れまで、過去から現在へ受け継がれ未来へと広がっていく中川政七商店のビジョンに触れられる空間です。(見学無料、見学希望時はスタッフにお声がけください)

「集う」

最後にご紹介するのが、人の集う場「JIRIN」。中川政七商店の取り組むまちづくりプロジェクト「N.PARK PROJECT」の拠点として誕生したワークスペースです。

興福寺を臨むワークスペース「JIRIN」

JIRINは時間制で利用できるワークスペース。鹿猿狐ビルヂングの3Fにあります。窓からは興福寺の五重塔を臨める上、周囲に高い建物がないので窓いっぱいにゆったりとした景色を楽しめるのが魅力。会員登録なしでの単発利用もできます。

こちらを拠点とするN.PARK PROJECTの掲げるビジョンは、「スモールビジネスで奈良を元気にする!」というもの。選書家であるBACH・幅允孝氏が選書したライブラリや中川政七商店が企画する学びのプログラムなどがあり、創造的な活動への支援を受けられます。まさに、時蔵で学んだ過去から未来へと繋がっていく空間なのです。

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鹿猿狐ビルヂング限定!オリジナルグッズをお土産に

魅力的なお店・空間が集う鹿猿狐ビルヂングには、ここならではのオリジナルグッズもありますよ!
名前の通り鹿・猿・狐をモチーフとしたグッズたちは、オンラインストアでも販売されていないため、すべてが鹿猿狐ビルヂングでしか購入できない限定品です。

人気は「鹿猿狐みくじ」。鹿の上に猿と狐がお行儀よく並んで座った形の陶器の置物です。中に入っているおみくじは、「大吉・中吉・吉・小吉・末吉」と吉だけの5種類。いいことばっかり詰まったおみくじは、プチギフトにもおすすめです。

中川政七商店で取り扱う作家ものの作品の中にも、鹿猿狐ビルヂング限定のものがありますよ。写真は奈良の伝統工芸である一刀彫で作られた、鹿・猿・狐の像。中川政七商店 奈良本店のために作られた作品です。
奈良一刀彫と言えば雄々しいイメージがありますが、ここで見られる鹿・猿・狐の姿はどこか愛嬌があり、温もりや優しさを感じられます。ぜひ手にとって見てみてくださいね。

奈良を楽しみ、今を楽しむ「鹿猿狐ビルヂング」

鹿猿狐ビルヂングのコンセプトは「路地を巡り出会う、触れ、学び、味わう奈良」。奈良の伝統を感じられる魅力的なグッズや美味しいもの、この場所ならではの体験を通して、豊かな時間を過ごせる空間です。またちょっとした立ち寄りからあれこれ欲張る店舗巡りまで、様々な楽しみ方ができるのも大きな魅力。
まずは少し、鹿猿狐ビルヂングの豊かな物語を覗いてみませんか。

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鹿猿狐ビルヂングの基本情報

住所:奈良県奈良市元林院町22番
電話番号:0742-25-2188(中川政七商店 奈良本店)
アクセス:近鉄線 近鉄奈良駅より徒歩約7分、JR 奈良駅より徒歩約15分
駐輪場あり
駐車場なし(近隣に有料コインパーキングあり)

公式サイト:https://nakagawa-masashichi.jp/shikasarukitsune

営業時間
中川政七商店:10:00~19:00
猿田彦珈琲:9:00~21:00
㐂つね:11:00~15:00(L.O.14:00)/17:00~22:00(L.O.21:00)
茶論:10:00~19:00(L.O.18:30)
JIRIN:9:00~21:00

【当取材記事につきまして】
hitotema編集部が企画、ライター陽月よつかさんが取材依頼し、記事を作成しました。

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