奈良「農と発酵Zen」でコーヒー・チーズ・ワインと豊かな物語を

奈良「農と発酵Zen」でコーヒー・チーズ・ワインと豊かな物語を

奈良・新大宮の「農と発酵Zen」はコーヒー・チーズ・ワインのお店。
「自然の恵みをいただくこと」をモットーに、舌にも身体にも環境にも優しい、おいしいものを揃えています。

コーヒーはアームズ式、スタッフはチーズとワインの専門資格に加えて日本酒の資格も持ち、さらにはクラフトビールもいただけるという、まさに“農と発酵”の恵みをギュッと凝縮したお店です。

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「農と発酵Zen」は奈良のお店

「農と発酵Zen」(以下Zen)があるのは奈良県奈良市。近鉄奈良駅から1駅の新大宮駅から徒歩7分、「JWマリオット・ホテル奈良」や「奈良ロイヤルホテル」から歩いてすぐの場所にあります。

看板には「コーヒーとチーズとワインの店」の文字。え、全部好き…!
おいしそうなメニュー案内もいっぱい。おしゃれなカフェ&バーかな?と思いつつ、店内へ入ってみると……

店内写真
(画像提供)農と発酵Zen

店内は明るくてナチュラルな雰囲気の中、ずらりとお酒が並び、その奥はワインセラー仕様!たしかにテーブルも椅子もありますが、これはまるで酒屋さんのよう……と思ったら「Zenは酒屋なんですよ」と店主・藤井さん。
「酒屋であり、カフェでもあり、チーズ屋でもあるんです」

入口の隣には、チーズでいっぱいの大きな冷蔵ボックス。広い窓に、きれいな木目のカウンター。カウンターの奥では藤井さんがハンドドリップでコーヒーを淹れています。なるほど、コーヒーとチーズとワイン!

藤井さんは、酒屋歴30年の経歴の持ち主。藤井さんも含めてZenのスタッフは皆、チーズプロフェッショナル(チーズソムリエ)、日本酒のサケディプロマ、ワインのソムリエの3つの資格を持ち、アームズ式コーヒーのメンバーでもあります。つまりZenは、第一人者の眼で厳選されたコーヒー・チーズ・ワインがいただけるお店。
それぞれが専門店レベルのクオリティのコーヒー・チーズ・ワインについて、お話を伺いました!

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舌にも身体にもおいしいコーヒー

まずはコーヒー。Zenではアームズ式コーヒーを採用しています。アームズ(ARMS)とは、日本焙煎技術普及協会の頭文字を取った略称。藤井さん曰く、一言で言うと「コーヒー好きによる、おいしいコーヒーを広める団体」とのこと。

アームズ式コーヒーには幾つものメソッドがありますが、その最も大きな特徴は、生豆を50℃のお湯で洗い、カビや農薬を洗い落としてから焙煎すること。

アームズ式コーヒーは焙煎だけでなく、ドリップの方法にもメソッドがあります。一杯ずつのハンドドリップに、用いるお湯の温度や量、フィルターを直接濡らさない、お湯を落とす位置と速度など、おいしいコーヒーを抽出するための数々の工程があるのです。

通常のドリップではコーヒーカップの全量を抽出しますが、アームズメソッドでは最初の 1/4(ファーストドリップ)のみを抽出。こちらにお湯を足していただきます。

淹れていただいたコーヒーがこちら。左右とも同じコーヒーですが、色の濃さが違いますね。これは、左がファーストドリップ、右がセカンドドリップ。濃度の違いがよくわかります。

「コーヒーが一番おいしいのは、最初の100mlというのが、アームズ式の考え方。うちでは、その一番おいしいところだけをお出ししています」と藤井さん。

いただいてみると、「え、これがコーヒー?」と驚いてしまうほど飲み心地がクリア。ほんのりフルーティな感じもして味わい深く、それでいて重くない感じがしました。コーヒー好きな方だけでなく苦手な方にも「一回試しに飲んでみて」とおすすめしたくなるコーヒーです。

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「チーズは生きもの」、最もおいしい状態で

お次はチーズ。Zenでは、チーズは常に20~30種類が用意されています。扱うチーズは全てナチュラルチーズ。プロセスチーズと違ってカビや酵母が生きたままのため、日に日に熟成が進み、その味わいが変わっていきます。そのため、チーズの保存・熟成に最適な環境を作り、毎日お世話をする必要があるそう。「チーズは生き物ですからね」と藤井さん。
店内では一番おいしい状態・おいしい食べ方でいただけます。

チーズ盛り合わせは、その日におすすめのチーズを少しずついただける人気のメニュー。この日は、白カビチーズ、ウォッシュチーズ、シェーブルチーズ(ヤギの乳で作られたチーズ)、青カビチーズ、ハードチーズと、5タイプのチーズが2種類ずつセレクトされ、全部で10種類のチーズを食べ比べられました。
お願いすれば、好みでアレンジしていただけるようです。

チーズ盛り合わせはバルでも多いですが、青カビ、ウォッシュを2種ずつはすごい。しかもシェーブルまで2種とは。チーズプロフェッショナルによるお手入れの行き届いたチーズは、ひと口ひと口がスペシャルなおいしさ!

どのチーズもおいしかったのですが、個人的に特に好きだったのは、いちごとハチミツでとろけるお菓子のようにいただけた白カビチーズ「ブリー・ド・モー」、青カビの刺激的な感じが印象的だったヒツジの乳で作られたチーズ「ロックフォール」、硬めの食感と旨みの濃さが後を引くフランスのハードチーズ「コンテ」!気に入ったチーズは単品で購入することもできますよ。

またチーズピザやラクレットなど、チーズのおいしさをたっぷり楽しめるメニューも豊富。写真は「7種のチーズピッザ」。チーズのピザというと一般的には4種のチーズを使った「クワトロチーズピザ」が有名ですが、Zenでは7種類。さすがチーズ屋さんです。

チーズプロフェッショナルが7種それぞれのチーズの特性を活かして重ねたピザは、味が濃そうなイメージですがそんなことはなく、チーズの旨みをじっくり味わえる優しいお味。お好みではちみつをかけるのもおすすめです。

酒屋が語る、ワイン・日本酒・クラフトビール

そしてお酒。Zenでは常時、500種類以上ものワイン、130~150種類の日本酒、奈良県のクラフトビールがそろっています。

ワインは日本ワイン・輸入ワイン・シェリーの3タイプ(シェリーは酒精強化ワイン)。Zenではワインを農作物と捉え、自然派ワインだけを扱っています。化学的肥料や除草剤を用いずに育てた葡萄から、野生酵母を用いて作られ、フェアトレードで取引されたワインをお客様へ届けるのがZenの信条。

日本酒は、5蔵を厳選。老舗から新しい酒蔵まで、すべて奈良県か奈良にゆかりがあります。「生産者の顔の見えるお酒を」と語る藤井さんは、すべての蔵へ直接足を運び、生産者の思いと共にお酒を仕入れてくるのだそう。
日本酒は試飲もできるほか、飲み比べもOK。同じ銘柄の日本酒を、年代違い・火入れの度合いの違いなどで飲み比べる、お酒好きならぜひ試したいマニアックな飲み比べができますよ。

ワイナリー訪問
(画像提供)農と発酵Zen

Zenでは「黙っていても売れるような有名なお酒は置きません」とのこと。
それは「このお酒についてぜひ語りたい、広く知っていただきたい」と思えるお酒を置き、その物語をお客様へとご紹介するため。どんな人がどんな想いで作ったのか、その酒造やワイナリーはどんな歴史を経てお酒を造っているのか。お酒一本一本について心をこめてお客様に魅力を伝える、昔ながらの手売りの良さを大切にしているのです。

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自然の恵みをいただく。だから“農と発酵”

店名の「Zen」は、自然、お膳、禅などの意味をこめた名前。そして「農と発酵」には、土壌や農業、目に見えない微生物の力など“自然のサイクルを大切にして自然の恵みをいただく”意識がこめられています。

「食品の提供者として、お客様に健康なものをお届けする義務があると僕は思うので」と藤井さんは言います。「Zenは、買い物に来てもらうのでも、コーヒーを飲みに来るのでも、ふらっとお喋りしに来るのでも、どんな風に来てもらってもいいんです。ここに来れば、身体にも環境にも安全で、おいしいものがある。そういうものを大事に作る人たちの物語がある。そういうところから、心も身体も豊かな生活に自然と繋がっていくんじゃないかと」

おいしいものを通して、心身ともに豊かになっていく。食べ物や飲み物が、口にするものの生産者への繋がりや、一緒に食事をする人との繋がりへと広がっていく。「農と発酵Zen」でそんなひとときを過ごしてみるのはいかがでしょうか。

農と発酵Zenの基本情報

住所:奈良県奈良市大宮町7丁目2-15 101
電話:0742-93-6611
営業時間:9:30~20:30(L.O.20:00)
定休日:月曜日
アクセス:近鉄奈良線「新大宮駅」1番出口より徒歩7分

公式サイト:https://www.noutohakkouzen.com/

【当取材記事につきまして】
hitotema編集部が企画、ライター陽月よつかさんが取材依頼し、記事を作成しました。

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