沖縄の台所「第一牧志公設市場」で選ぶ南国の味覚 2022年4月まで仮設営業中

【仮設営業終了】沖縄の台所「第一牧志公設市場」で選ぶ南国の味覚! 2022年現在、仮設営業中

沖縄の美味しいものが集まる場所と言えば、那覇の「第一牧志公設市場」。新鮮な魚介にお肉、乾物やお惣菜など、あふれるほどの食材が並びます。沖縄料理を楽しめる食堂では、購入した食材をその場で調理してくれる「持ち上げ」サービスもあり!
第一牧志公設市場は建て替え中で、2019年7月1日からは仮設市場で営業中。仮設市場の店内の様子を、アクセスも含めてご紹介します。

※2023年7月現在、移転オープン済のため仮設営業はしていません。

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沖縄の食文化が集まる“沖縄の台所”「第一牧志公設市場」

沖縄で市場と言ったらまずここ、「第一牧志公設市場」!1950年に開設されて以来“沖縄の台所”として親しまれている、那覇市公設の市場です。こちらには沖縄ならではの食材が一同に集まるため、観光スポットとしても人気。

「第一牧志公設市場」は立て替え工事のため、2019年7月1日から仮設市場で営業中。移転は2022年4月の予定でしたが工事が長引いており、2023年春ごろまでかかる見込みです。
今回は仮設店舗の中身やアクセスなどもご紹介します。

ちなみに名前が「第一」牧志公設市場なのは、以前は第二もあったから。第二の市場は2001年に閉鎖されてしまいましたが、今でもこちらは「第一牧志公設市場」が正式名称です。とは言え沖縄では、ただ「公設市場」と呼ばれることも多いですよ。

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鮮魚、精肉、乾物、野菜やフルーツにお土産品など、沖縄食材ならここ!

第一牧志公設市場の中は、通路の左右にお店がずらりと並ぶスタイル。1F売り場は場所ごとにざっくりと「鮮魚」「精肉」「生鮮(野菜やフルーツ、お惣菜など)」「乾物やお土産、加工食品や雑貨など」に分かれています。

ところで市場と聞くと、「見てまわるだけだと嫌がられるのでは」「地元感が強すぎてよそ者には入りにくいのでは」なんて心配になったりしませんか?私はまさに気になるタイプ。でも第一牧志公設市場は心配なしです。なぜって沖縄は「てーげー」(ほど良く力の抜けた感じや、良い意味でのいい加減を表す琉球語)文化の土地、市場内は和やかな雰囲気ですからね。

沖縄の食品ずらり!ブランド肉や手作りのお惣菜も

国際通り側の入口から市場へ入ると、まず目にするのは乾物や生鮮もの、加工食品や雑貨などの部門。沖縄の味・スパムや島とうがらし、沖縄そばのだしやシークヮーサードレッシングなど、初心者でも扱いやすい沖縄食品がずらりと並びます。ここでさっそくお土産の目星をつけるのも良いかも!

精肉部門には、石垣牛、もとぶ牛、あぐーなど沖縄県自慢の有名ブランド肉が勢ぞろい。ブランド肉以外にも、ソーキ(あばら骨)やスーチーカー(塩漬け肉)、ミミガー(ブタの耳皮)や島ブタのソーセージなど、沖縄ならではのお肉が一堂に会していますよ。スーパーより求めやすい価格設定な上に、宅配便で直接発送ができる店舗が多いのも嬉しいところ。

生鮮部門には野菜やフルーツ、海ぶどうなどのほか、手作りの沖縄のお惣菜もたくさん。三代続く「山城昆布店」では、いまだに店内でお惣菜の分量を「一斤 (いっきん) 、二斤」と量っているそう(一斤=600g)。もちろん購入時はグラム指定でOKです。また70年以上続く「平田漬物店」では、島らっきょうやゴーヤなどの自家製漬け物が人気。レストランではなかなか味わえない、昔ながらの沖縄のお味を探せます。(写真は「平田漬物店」)

第一牧志公設市場は食料品の取り扱いが中心ですが、一部のお店ではお土産や雑貨なども並びます。「仲尾次三線なんでも屋」では、沖縄の楽器・三線(さんしん)の販売や修理も取り扱い。三線は教則本などもセットで、約20,000円から購入できますよ。

【苦手な人は閲覧注意】ブタの頭や手足にヘビも!第一牧志公設市場の洗礼?!

第一牧志公設市場では、他県民が驚いてしまうような沖縄食材にたくさん出逢えるのも特徴です。特にチラガー(豚の顔皮)やてびち(豚の手足)は、「第一牧志公設市場で観光客がぎょっとするもの」ランキングのトップ3に間違いなく入る食材!精肉部門では常用食材の一つとして、ほとんどのお店で取り扱っています。

沖縄を代表する毒ヘビ・ハブがまるごと瓶の中に漬けこまれた「ハブ入りハブ酒」も、思わず二度見してしまうインパクト。お酒やお土産品を取り扱う「WAZOKU ism」では、ハブ酒をワンショット700円から購入できますよ。第一牧志公設市場内をハブ酒グラス片手にショッピング……なんてこともできるわけですが、お酒の強さ的にもハブ入りのインパクト的にも、ちょっと勇気が要りますね。店内にはそのほか泡盛やオリオンビールなど、沖縄ならではのお酒も多数。

一見、木彫りの民芸品か何かに見えがちなこの黒黒したもの。こちらはイラブー(エラブウミヘビ)の燻製、沖縄の高級食材です。なんとイラブーはハブの70~80倍の強さの毒があるそうですよ!とはいえ燻製になれば毒はないのでご安心。食べ物が無造作に吊るしてある上に、それがウミヘビだというので二度驚く食材ですが、イラブーはパッキングせずにこんな風に売られているのが沖縄では一般的。ヘビの身が伸びているバージョンもあります。

このイラブーの燻製を水で戻してぶつ切りにし、だしをとって煮込んだものがイラブー汁。琉球の宮廷料理の流れを組む料理で、今では薬膳料理として親しまれています。

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メインはやっぱり鮮魚売り場!

第一牧志公設市場1Fで、最も売り場スペースが広いのが鮮魚部門。第一牧志公設市場のメインとも言えるエリアです。魚や貝やカニやエビが、水槽の中や氷の上など、手を伸ばせばすぐ触れる場所に山ほど集められているのは市場ならではの豪快さ!

一般に海の幸には旬がありますが、亜熱帯地方である沖縄の魚介類には旬はなし。どの魚介類も年間通して市場に並びますよ。ただし台風など自然災害の影響で収穫量が増減する場合があるほか、一部の魚介類(シャコ貝など)には禁漁期間があります。

青い魚、派手な模様入りの伊勢エビ……沖縄ならではの魚たち

沖縄ならではの魚は数々ありますが、ひときわ目を引くのは青い魚の「イラブチャー」。イラブチャーとはブダイ科類の魚の総称で、鮮やかなブルーの色味にびっくりしますが、身はあっさりとした白身。クセがなく食べやすい魚ですよ。

なお鮮魚部門の食材は2Fの食堂で調理してもらえる「持ち上げ」も可能。そのため食材名のプレートには、おすすめの調理方法が書いてある場合が多いですよ。

伊勢エビの水槽に派手なエビが混じってる……と思いきや、実はオレンジ色に模様入りのエビも伊勢エビ。沖縄の伊勢エビはカラフルで、写真のオレンジの他にも紫や青みがかったものなど、さまざまな色のエビがあるのだそう。お値段はどの色でも同じです。

魚介類は大きさや時期(旬はありませんが、漁の具合など)に寄って値段が変動するため、鮮魚部門では値段を書いていなかったり、「●円~●円」と表記していたりする場合がほとんど。なので気になる食材の値段はどしどし聞きましょう。

さらに沖縄ならではのこんな魚介類も

こちらは沖縄でも珍しい「セミエビ」。形がセミに似てるからこの名前だそう。なかなか捕れないため「幻のエビ」と言われていますよ。値段は100g当たり1,500円~3,000円で、これはなんと伊勢エビの値段の2倍!(値段は取材当時)

貝殻が螺鈿(らでん)細工に用いられることで有名な夜光貝も、沖縄では食材です。分類としてはサザエの仲間ですが、サザエよりずっと大きくなりますよ。(左が夜光貝、右がサザエ)

なお写真の大きさの夜光貝なら、値段は4,000円ほど。これは夜光貝としては中型くらいで、もっと大きなものもよくあるそうですよ。(値段は取材当時)

公設市場の名物「持ち上げ」サービスとは?

第一牧志公設市場の名物「持ち上げ」とは、1Fで購入した食材を2Fの食堂ですぐに調理してもらって食べられるサービス。食材代にプラスして、3種類まで500円で調理を頼むことができるのです。(お刺身のみ調理無料、ただしお刺身だけを2F食堂内でいただく場合は別途食堂メニューの注文が必要。1Fベンチで食べる場合無料)

旅行者に嬉しいこのサービス、もちろん事前予約は要りません。

「持ち上げ」のやり方は?

「持ち上げ」をするには、まずは1Fで食材を購入。食材のお会計をし、「持ち上げ」する旨とどんな料理にするかを伝えます。お店の人に、購入した食材にはどんな調理方法が合うかを質問するのもおすすめ。

するとお店の方からは、「どこの食堂にする?」との質問が。食堂で待っていれば料理を運んできてもらえるのです。食堂の希望があれば伝え、なければお任せで選んでもらいましょう。

2Fの食堂はこちら。「持ち上げ」に対応しているのは、全16店舗からスイーツ店やお土産雑貨店を除いた9店舗です。「持ち上げ」専門のお店はなく、通常営業している食堂が「持ち上げ」サービスもやっているという形。すべての食堂で通常メニューも一緒に注文できますよ。

今回お伺いしたのはこちら「まちぐゎー食堂 道頓堀」さん。妙に大阪っぽい店名ですが、昭和30年創業で、沖縄タイムズや「旅色」でも紹介される人気の食堂です。沖縄そばやアーサ汁、あぐーやゴーヤの料理など、沖縄料理を定食や単品で楽しめますよ。

食堂へ注文した食材が届いて、調理開始!

食堂で「持ち上げ」の旨を伝えて席で待っていると、しばらくして食堂へ先ほど購入した食材が届きます。

今回私が「持ち上げ」用に購入したのは、イラブチャーを半身分と小振りの夜光貝を1つ。イラブチャーをガーリックバター炒めで、夜光貝をお刺身でオーダーしましたよ。食材の値段は、イラブチャー(1,300円)+夜光貝(1,500円)=2,800円。なお調理代の500円は食べ終わってから食堂へお支払いします。

イラブチャーは手際よく調理され、料理はすぐにテーブルへ。イラブチャーの青色は火を通すとこんな風になるんですね。尾ひれの辺りがまだ青くて不思議な感じ。

こんな美味しそうな料理がそろってしまったら、そりゃあオリオンビールが欲しくなる。泡盛も合うに違いない!なおお皿だけ見ると魚も貝も小さく見えますが、ジョッキと比べるとわかる通り、実は結構な大きさがありますよ。

ほわほわのお魚をいただきます!
あっさりした白身魚にガーリックバターを絡めていただくイラブチャー、身が大きい分コリコリ感から柔らか感までさまざまな食感と貝の味が楽しめる夜光貝。南国感が満載の見た目のインパクトと裏腹に、どちらも優しい味わいでスイスイいただいてしまいましたよ。

市場で買い付けた新鮮な魚介を、海鮮を知り尽くした店員さんおすすめの調理方法で、買ってすぐ料理して食べられる。美味しさに間違いのない連鎖ですね。

第一牧志公設市場

公式サイト: https://kosetsu-ichiba.com/

【当取材記事につきまして】
hitotema編集部が企画、ライター陽月よつかさんが取材依頼し、記事を作成しました。

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