こんにちは、フリーライターの山田志桜里です。こちらの連載コラム #ロンドン女子の英国日記 では、私の大好きなイギリスや紅茶についての小話を毎月ご紹介しています。
本日ご紹介するのは、イギリスでのちょっと変わったランチ体験。ブルーベル鉄道の蒸気機関車内で食事をいただく「ダイニング・トレイン」でのプラウマンズ・ランチです。
目次
イギリスの保存鉄道「ブルーベル鉄道」
イギリスには100を超える保存鉄道があるとされていますが、ロンドンから電車で1時間ほど離れた場所にある「ブルーベル鉄道」は、その中でも最大の規模を誇り、知名度が高い鉄道の一つ。

始発から終点までは、全4駅で40分ほど。車掌さんから駅員さんまで働いている人々は全てボランティアで、心から鉄道を愛している地元のファンに支えられている鉄道です。

どの駅舎も昔の面影が色濃く残り、とてもレトロな雰囲気。乗車目的ではなく、駅や機関車の写真を撮影するために、遠方からやって来られる方も多いそう。
シーズンによって運行していない時期もありますが、誰でも気軽に蒸気機関車の乗車体験を楽しむことができます。
食事を楽しめるダイニング・トレイン
通常の運行に加え、フィッシュ&チップストレインやクリームティー(紅茶とスコーンのセット)トレインなど、機関車内で食事やお茶を楽しめる「ダイニング・トレイン」も不定期で運行。

この日は、ランチの「THE ROCKET」と、ティータイムの「RIVIERA TEA」の2便が運行していました。
私が乗車するのは、12:45発の「THE ROCKET」。ダイニング・トレインは食事の提供があるため、公式サイトからの事前予約が必須です。今回はお友達と2人での乗車だったので、2人で50ポンドのチケットを購入しました。
THE ROCKET

今回乗車するTHE ROCKETは、ホーステッド・ケインズ駅から発車。英国貴族社会を描いたドラマシリーズ「ダウントン・アビー」で、ダウントン駅として使用されたことでも有名です。

定刻が近づき、ついに蒸気機関車がやって来ました!

大興奮する子どもや無我夢中でカメラのシャッターを切る人たちで、プラットフォームも一気に盛り上がります。

普段は自由に席を選べるそうですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、今回は事前指定制。他グループとはソーシャルディスタンスを保てるように席が振り分けられていました。
プラウマンズ・ランチ

今回車内でいただいたのは、こちらの「プラウマンズ・ランチ」です。プラウマン(Ploughman)は、農夫、百姓と言う意味で、直訳すると“農夫の昼食”。
パンにチーズ、トマトや葉物野菜、玉ねぎやきゅうりのピクルスなど、“農夫さん”のお食事と言うことで、冷めても美味しくいただける食材が盛り込まれていて、イギリスではパブやレストランでもよく見かける定番メニューです。

イギリスといったら、やっぱり紅茶。乗務員さんがポットを持って車内を回り、温かい紅茶を入れてくれます。「PG Tips」という、イギリスの家庭でお馴染みのティーバッグが使われていました。
見どころたくさんの機関車旅
機関車に揺られながら、ゆったりとランチタイムを楽しめるだけでなく、停車駅の各所で見どころがたくさん。

蒸気機関車が方向転換する様子を見学したり、駅で販売されているアイスクリームでリフレッシュしたり、

駅構内にあるお土産屋さんで「ブルーベル鉄道」グッズを購入したり……!

ブルーベル鉄道の駅の中でも比較的大きなシェフィールド・パーク駅には、昔の鉄道が保管されている小さなミュージアムもありました。

イギリスののどかな風景に囲まれながら、お食事を楽しむことができるダイニング・トレイン。今回のプラウマンズ・ランチだけでなく、便によってフィッシュ&チップスやカレー、アフタヌーンティーなど、提供されるメニューも様々です。
鉄道好きの方は、ランチやティータイムを兼ねた、蒸気機関車のプチトリップを楽しんでみてはいかがでしょうか?
ブルーベル鉄道(Bluebell Railway)
公式サイト:https://www.bluebell-railway.com/
最新の運行情報は必ず公式サイトで確認してください。
【当取材記事につきまして】
ライター山田志桜里が企画・取材依頼し、記事を作成しました。