口内フローラって何?菌活で口も体も健康になろう

口内フローラって何?菌活で口も体も健康になろう #歯科衛生士の歯の教室

口内炎ができやすい、口のねばつきが気になる……何だか口の問題が絶えないなと感じるのは、もしかしたら“口内フローラ”のバランスが崩れているせいかもしれません。口内フローラが、口や体の健康に影響してくるんですよ。

でもそもそも、口内フローラとは……?
今回はその基本を解説します。

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口内フローラとは?

口内フローラとは?
(画像出典)PIXTA

人の口の中には、約700種類、1,000億個以上の口内常在菌がいると言われています。口内フローラは口の中にいる細菌の集合体のこと。フローラには花という意味があり、顕微鏡で覗くとお花畑のように見えることからそう呼ばれています。

口内フローラの細菌は、主に次の3種類に分けられます。

  • 善玉菌:乳酸菌や納豆菌など、人の体に有益な働きをする菌
  • 悪玉菌:ピロリ菌(胃炎や十二指腸潰瘍の原因になる菌)や歯周病菌、虫歯菌など体に悪影響を及ぼす菌
  • 日和見菌:普段は善玉菌でも悪玉菌でもなく、体調によって良い働きをしたり悪い働きをしたりする菌

口内フローラの理想のバランスは、善玉菌(日和見菌を含む)9割、悪玉菌1割です。

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悪玉菌が増えると起きやすいトラブル

悪玉菌が増えると起きやすいトラブル
(画像出典)PIXTA

口の中の悪玉菌が増えると、次のようなトラブルが起きやすくなります。

虫歯・歯周病

柔らかい汚れである歯垢は細菌の塊で、悪玉菌だらけです。全体的に歯磨きが不十分で磨き残しが多いと、歯垢の中に潜んでいる悪玉菌がさらに増殖します。人によっては、虫歯ができたり、歯茎の腫れや出血といった歯周病の症状が現れ始めたりします。

口臭

悪玉菌は、歯の表面や歯茎だけでなく舌にも存在します。舌苔(ぜったい。舌の表面にある白い汚れ)が多いと、悪玉菌から嫌なニオイが発生します。また、歯磨き不足で悪玉菌(歯周病菌)が増えると、歯周病特有の口臭が出やすくなります。

菌血症

菌血症とは、細菌が血管の中に侵入して全身に巡り、血管や臓器、脳にダメージを与える病気のことです。一見、口の中とは関係ないように思える病気ですが、歯と歯茎は血管で繋がっているため、

口の中の悪い菌が増える⇒歯と歯茎の間に炎症が起き、隙間ができる⇒隙間から菌が侵入し、毛細血管に入る⇒菌が全身に広がる⇒さまざまな病気を引き起こしやすくなる

ということになるのです。
また、細菌が全身に回ることで体の抵抗力が下がる原因にもなり、風邪を引きやすくなったり、持病が悪化したりするケースもあります。

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口内フローラを整える4つの方法

口内フローラを整える4つの方法
(画像出典)PIXTA

というわけで、「口の中の善玉菌を増やす=口や体の健康に繋がる」ことになります。
口内フローラを整えるには、次の4つの方法が基本です。

正しい歯磨きをする

歯垢が残っている状態が長く続くほど、悪玉菌は増殖していきます。歯磨きは、自宅で歯垢を除去できる唯一の方法です。また、歯ブラシ以外の清掃道具(デンタルフロスや歯間ブラシ)を使用すると、さらに悪玉菌の数を減らすことができ、虫歯や歯周病、口臭予防にもなります。

より効率的で効果の高い歯磨きをするためには、自分に合った歯ブラシや歯磨きの仕方を歯科医院での定期検診時に相談してみてください。

バランスの良い食事を摂る

栄養バランスの偏りは、口の中の細菌にも影響します。糖の頻繁な摂取は控え、発酵食品や食物繊維を含む野菜を毎日の食事に取り入れましょう。

糖を口の中に残さない

お菓子が好きでチョコレートやスナック菓子などを頻繁に食べていると、お菓子に含まれる糖が悪玉菌の栄養になり数を増やすことになります。間食の回数を減らしたり、間食後は歯磨きをしたりして、なるべく口の中に糖を残さないようにしましょう。

発酵食品を摂る

納豆に含まれる納豆菌やヨーグルトに含まれる乳酸菌には、善玉菌を増やす性質があるので、積極的に摂ると良いでしょう。

食物繊維を含む野菜を摂る

ゴボウなどの食物繊維が豊富な野菜はよく噛む必要があり、唾液の分泌を促します。唾液には、洗浄作用や殺菌作用があり、悪玉菌の数を減らす効果が期待できます。

生活習慣を改善する

ストレスや睡眠不足、運動不足などの生活習慣の乱れは、善玉菌の数を減らして抵抗力を低下させます。日々の生活を見直して悪い習慣を改善するだけでも、善玉菌が増えやすくなるでしょう。

定期検診を受ける

口の中が不衛生な状態で乳酸菌や納豆菌を摂取しても、善玉菌の数は増えません。善玉菌を増やす前に口の中の環境を整える必要があるのですが、そのベストな方法が歯科医院でのクリーニングです。歯垢や歯石を除去し、土台を整えることが大事なのです。

また、ステインやヤニの着色は、歯の表面をざらざらにして歯垢が溜まりやすい状態を作り出します。歯垢が残っていると悪玉菌が増えやすくなるので、着色もしっかり除去してもらいましょう。

口内フローラの改善は全身の健康に繋がる

口内フローラの改善は全身の健康に繋がる
(画像出典)PIXTA

口の中の悪玉菌が増えると、口の中のトラブルだけではなく、体に悪影響が出る可能性があります。逆に、善玉菌を増やし口内フローラの環境を整えると、体も健康になりやすいと言えます。

食べたり、遊んだり……、楽しく過ごすのは健康でないとできないですよね。
ただ、怪我をしてもすぐに傷口が治らないのと一緒で、口の中の細菌環境はすぐには変わりません。体質にもよりますが、口内環境を変えるには1~6ヶ月ほどかかります。

まずは歯科医院で虫歯や歯周病のチェックをし、善玉菌を育てる“菌活”を始めていきましょう。

記事監修:林 徹(歯科医、はやし歯科医院院長)

林徹先生

三重県津市高茶屋小森町356-2林歯科ビル1F
059-234-0118
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